1.オメガ脂肪酸とは?
不飽和脂肪酸の一種であるオメガ脂肪酸は、常温でも固まらない脂質に多く含まれている成分で、大きく2種類に分けられます。
まず1つはオメガ3脂肪酸で、魚類に多く含まれるDHAやEPA、植物油などに含まれるαリノレン酸が該当します。
もう1つはオメガ6脂肪酸で、肉・魚・卵などに含まれるアラキドン酸(ARA)や植物油に含まれるリノール酸が該当します。
いずれも体内では作られにくいため、食事からの摂取が必要な必須脂肪酸です。オメガ脂肪酸は加齢とともに減少する傾向にあるため、50代以降の方は特に積極的に摂るとよいでしょう。
2.オメガ脂肪酸を含む食品
オメガ脂肪酸は、私たちの体にとって良い効果が期待できる成分です。日頃の食事からオメガ脂肪酸を摂るためには、どのような食材を選ぶのが良いのでしょうか。
オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸それぞれを含む食材を紹介します。
2-1.オメガ3脂肪酸を含む食品
前述のとおり、オメガ3脂肪酸は魚類や植物油などに多く含まれる成分です。特に、次に挙げる食品に多く含まれています。
食品名 |
100gあたりの成分量 |
えごま油 |
58.31g |
あまに油 |
56.63g |
くるみ(いり) |
8.96g |
なたね油 |
7.52g |
さば(水煮) |
6.13g |
さば(焼き) |
5.66g |
さんま(焼き) |
4.95g |
参考:文部科学省「食品成分データベース」
2-2.オメガ6脂肪酸を含む食品
オメガ6脂肪酸は、植物油や肉・魚・卵などの畜産物に多く含まれる成分です。具体的には、次の食品に多く含まれています。
食品名 |
100gあたりの成分量 |
ひまわり油 |
57.51g |
ラー油 |
42.75g |
くるみ(いり) |
41.32g |
ごま油 |
40.88g |
ごま(乾) |
23.11g |
いわし類(油漬) |
11.45g |
かつお類(油漬) |
11.44g |
参考:文部科学省「食品成分データベース」
3.オメガ脂肪酸が摂れるおすすめレシピ
体内で作られにくいオメガ脂肪酸を効率良く摂取するには、日々の食事で補うことが大切です。そこで、オメガ脂肪酸の摂取に役立つ、おすすめのレシピを2品紹介します。
3-1.揚げなすのくるみみそがけ
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を含むくるみ、オメガ6脂肪酸を含むごまを使っているので、手軽にオメガ脂肪酸を摂取できるでしょう。なすの火の通りを良くするために、皮に切り込みを入れるのがポイントです。
【材料(2人分)】
【A】
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・みそ 40g
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・みりん 大さじ2
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・砂糖 大さじ1
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・酒 大さじ1.5
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・白ごま 適量
【作り方】
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1. なすをタテ半分に切り、皮に切り込みを入れて2~3つに切ります。
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2. 揚げ油を160度にしたら、なすを入れて揚げます。
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3. フライパンでくるみを空煎りし、細かく刻んでおきます。
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4. 3に【A】を入れ、弱火にかけます。少しとろみが出てきたら、刻んだくるみを加えて混ぜます。
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5. なすを皿に盛り付けて4をかけ、仕上げに白ごまを散らして完成です。
3-2.さんまの甘辛炒め
オメガ3脂肪酸を多く含むさんまに、オメガ6脂肪酸を多く含むごまをふりかけることで、より多くのオメガ脂肪酸の摂取が期待できる一品です。
【材料(2人分)】
【A】
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・酒 大さじ1/2
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・しょうゆ 小さじ1
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・しょうがの絞り汁 1/2かけ分
【B】
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・しょうゆ 大さじ1
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・砂糖 大さじ1/2
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・酒 大さじ1.5
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・片栗粉 適量
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・サラダ油 大さじ2
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・白ごま 適量
【作り方】
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1. さんまは三枚おろしにして一口大の大きさに切り、ピーマンは種を取り除いて乱切りにします。
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2. さんまを【A】につけ、10分ほど置いたら水分を拭き取って、片栗粉をまぶします。
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3. フライパンでサラダ油を熱したら、2を並べて焼きます。
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4. さんまに火が通ったら一度取り出して、次にピーマンを炒めます。
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5. ピーマンが色鮮やかになったら、さんまを再度入れます。【B】の調味料を加えていため、仕上げに白ごまを加えたら完成です。
オメガ脂肪酸でいくつになっても年齢を感じさせない体を維持しよう
オメガ脂肪酸は年齢が上がるにつれ、意識して摂取することが大切な成分です。しかし、体内ではなかなか作られないため、日々の食事から補わなければなりません。
魚や卵、ごまなど、オメガ脂肪酸を含む食品を組み合わせると、より多くのオメガ脂肪酸を摂取することができるでしょう。
やる気に満ちた毎日を送るためにも、ぜひオメガ脂肪酸を意識して摂取してみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。