ニキビ予防に効果的なスキンケアとは?
ニキビの仕組みやおもな原因についても紹介

気付けば顔のどこかにニキビができている、仕事が忙しくて生活習慣やスキンケアが疎かになっている、ちゃんとケアしているつもりでもできてしまうニキビに悩まされている人は多いのではないでしょうか。

ここではそもそもニキビとは何か、ニキビができてしまう原因や対処法、スキンケアについて紹介します。

1.そもそもニキビとは何か?

ニキビは、「皮膚の慢性炎症性疾患」の部類に入ります。ニキビには段階があり、初期は毛穴に皮脂がつまった面皰(めんぽう)と呼ばれる状態から始まります。面皰が炎症を起こすと丘疹(きゅうしん)、そこからさらに炎症が進み、膿が溜まると膿疱(のうほう)や嚢腫(のうしゅ)と呼ばれる状態に変化します。

ニキビの種類には、毛穴が閉じている白ニキビ、毛穴が開いている黒ニキビなどがあり、溜まった皮脂により細菌が繁殖すると赤いニキビや膿を含んだニキビになります。この状態で適切に処置しないとニキビ痕になることもあるため、注意が必要です。

ニキビは炎症が落ち着いても一時的に炎症後紅斑という赤みが残り、炎症がひどい場合は肥厚性瘢痕(はんこん)と呼ばれるケロイドのような痕や、陥凹性瘢痕と呼ばれるへこんだ痕になることがあります。

さまざまな段階がありますが面皰から炎症後紅斑まで、それぞれの症状をまとめてニキビと呼びます。

2.ニキビのおもな原因

睡眠や食事、運動など、ニキビの発生にはおもに生活習慣が関係しています。
肌はおよそ28日の周期で生まれ変わるもので、健康な肌が作られるようにするためにはこの周期を維持し、普段の生活を意識することが大切です。

規則正しくない生活や精神的なストレスが肌の悩みにつながることがありますので、そうならないためにも生活習慣を見直す必要があります。

2-1.睡眠

寝ている間には内臓だけでなく肌の状態を整える効果がある成長ホルモンが分泌されます。また、肌の状態を整えるのは6時間以上かかるとされることから、睡眠時間は最低6時間、規則正しくとれるように確保しましょう。

2-2.食事

食事の栄養バランスがとれていないと肌トラブルにつながりやすくなります。たんぱく質やビタミン、食物繊維などできるだけ多くの種類の栄養を摂るようにしましょう。

具体的にはβカロテンが摂れて抗酸化が期待できるブロッコリー・かぼちゃ・にんじん・にらなどの緑黄色野菜、抗酸化やコラーゲン生成を助けるビタミンCはピーマン・大根・オレンジ・キウイなどを積極的に摂るのがおすすめです。

さらに、皮脂の分泌量を整える栄養素として、ビタミンB1は豚・うなぎ・たらこなど、ビタミンB2はうなぎ・納豆・ブロッコリー、ビタミンEはかぼちゃ・うなぎ・たらこ・しゃけなども摂るとよいでしょう。これらはニキビ対策や色素沈着の予防などが期待できます。

2-3.腸内環境

腸内環境が悪いこともニキビや肌荒れの一因です。腸内環境が整っていないと、栄養が吸収されにくくなります。善玉菌が減り、悪玉菌が増えることで有害物質が発生し、肌トラブルにつながるでしょう。

また、便秘の場合も便から出る有害物質が、ニキビを含む体の不調のもとになるため、お通じが良いことも肌にとっては大切です。

ヨーグルトから乳酸菌を、海藻・キノコ類などから食物繊維を摂って腸内環境を整えましょう。

2-4.運動

運動は便秘や睡眠、ストレス解消に良い影響があります。

上体起こしなどで腹筋を鍛えたり、散歩やプールで泳いだりしたり、軽い運動でも良いため、生活に取り入れてみるとよいでしょう。

3.ニキビ予防にはスキンケアが大切

ニキビは肌が汚れているからできるということではありませんが、一日あたり2回洗顔料を使って顔を洗いましょう。

洗顔料は十分に泡立てて手で肌を擦らないように洗います。水でしっかりと洗い流し、保湿したい場合はノンコメドジェニックかハイポコメドジェニックの基礎化粧品を使用するとよいでしょう。

メイクをしている場合はクレンジングをしてから洗顔をすると肌にオイルが残らずに済みます。

生活習慣とスキンケアを見直して健康的な肌に

ニキビができる仕組みや種類、ニキビができてしまう原因、スキンケアの方法について紹介しました。

ニキビの発生は生活習慣やストレスをはじめ、発生にいたるまでさまざまな要因が関係しています。

まずは、不規則な生活など健康に良くない習慣を改善し、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、適切な運動をして生活習慣を改善していきましょう。

その上で適切にスキンケアをして健康的な肌を目指すことが大切です。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。