1.そもそもストレスとはどういったものなのか?
ストレスとは、外部から刺激を受けたときに起こる緊張状態のことを指します。
外部からの刺激とは、天気や騒音などの環境的な要因、体調不良や睡眠不足などの身体的な要因、不安なことや悩みなどの心理的な要因、日頃の人間関係や仕事などの社会的な要因など多岐にわたります。
つまり、日常で起こる変化は、うれしいイベントなどであったとしても刺激となりストレスの要因となりうるのです。
ストレスは誰にでもあるものですが、過剰に溜まりすぎると体調を崩してしまうこともあります。
2.ストレスによって引き起こされる心や体の不調
ストレスが溜まりすぎると、どのような不調が起こるのでしょうか。
ストレスによる影響を知っておくと、適切に休むなど早めに対処ができるようになります。そのため、以下のストレスサインを知っておくことが大切です。
2-1.精神的な不調
ストレスによって、心の不調を引き起こすことがあります。
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・不安や緊張によってイライラしやすくなる
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・急に涙が出てくる
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・気分が落ち込みやすい
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・物事に対してやる気が起きない
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・人との付き合いが面倒になる
これらに思い当たることが増えたらストレスが溜まっているサインかもしれません。
2-2.肉体的な不調
体の不調も、ストレスによって起こる場合があります。
このような体の変化を感じたら、ストレスが過剰になっていないか見直してみましょう。
3.ストレスを溜めやすい人の特徴
ストレスが溜まっていると、先ほどお伝えしたような心や体への影響が出やすくなります。そのようなストレスサインを放っておくと、心身に影響を起こす可能性もあるため、早めに対処しましょう。
おもなストレス要因は、以下のとおりです。
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・自分や家族が病気やケガなどにあった
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・家庭内の人間関係に問題がある
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・借金や収入の変化など、お金の問題がある
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・引越しなどで住む環境に変化が起こった
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・仕事でミスがあった
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・仕事の量や質、勤務時間などの環境が変化した
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・職場の人間関係にトラブルがある
このような問題は、周りに相談することで解決できる場合もあります。まずは、自身がどのような状況に置かれているかを自覚すること、また、ストレスがたまりやすい要因に気付き、早めに解決方法を見つけることも大切です。
4.ストレスを解消するためのおすすめ対処方法
ストレスを感じているときには、問題点や良くないことに目が向きがちになりますが、うまくいっている点に注意を向けることもよいでしょう。
考え方や視点を少し変えてみることで、気持ちが楽になることもあります。
4-1.健康的な生活習慣
ストレスの対処法は、適度な運動を習慣にし、バランスのとれた食生活を送ることです。また、十分な睡眠を取り、健康的な生活習慣を送ることは心の健康のためにも欠かせません。
4-2.自身に合ったリラックス方法を見つける
趣味や旅行などで気分転換する、自身でリラックスできる方法を試すこともよいでしょう。仕事から離れた趣味を持つ、自然に触れる機会をつくる、適度な運動をするなどリラックスできる方法を見つけましょう。
4-3.意識して笑うようにする
「笑うこと」は自律神経のバランスを整え、健康のために良いといわれています。日常生活に笑いを取り入れましょう。
4-4.悩みや不安は誰かに相談する
つらいときは、一人で悩まずに誰かに話を聞いてもらうこともおすすめです。
話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になったり、自分のなかで自然に解決策が見つかったりすることもあるでしょう。
ただし、心や体の不調が続くときには、早めに専門家に相談してください。ストレス解消のためといってたばこや過食などを続けてしまうことは望ましくありません。
これらは量が増えてしまうことで心身の健康を損ねてしまう可能性もあるため、自身に合ったストレス解消法を見つけることがおすすめです。
健康のためにストレスの原因を見つけて解消しよう
ストレスは、日常の変化によって誰にでも起こるものです。
しかし、ストレスを溜め過ぎると、心や体に不調をきたす可能性があります。
不調が出ているからといって心の病気とは限りませんが、対処しないままストレスを溜め続けるとさらに調子が悪くなることもあるでしょう。
まずはストレスに気付き、自身で気分転換などのケアを早めにするように心がけることが大切です。また、一人で抱え込まずに信頼できる周りの人にも相談してみましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。