トマトに含まれる「リコピン」の量はどれくらい?
効率的に摂取する方法や働きについて解説

体に良いことで知られるリコピンは、トマトやスイカなどの野菜に含まれています。しかし、実際にどのように体に良いのか、どういった働きがあるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、トマトに含まれるリコピンの量や働きなどについて解説。併せてトマトを使ったおすすめのレシピもご紹介します。

1.「リコピン」とはどういった栄養素なのか

リコピンとはリコペンとも呼ばれており、カロチノイドの一種です。トマトやスイカなどの植物に含まれる赤い色素を指します。リコピンは、健康を害する過剰な活性酸素を抑える強い抗酸化作用を持っているのが特徴です。ヨーロッパでは、トマトから抽出したリコピンを使った食品やサプリメントが流通しています。

2.トマトなどに多く含まれる「リコピン」の働き

リコピンは、高血圧の改善や老化防止などが期待できると報告されています。トマト100gあたりに含まれるリコピンの量は、約4.2~8.5mgです。リコピンは、トマトだけではなく金時人参やスイカなどにも含まれています。

3.リコピンを効率的に摂取する方法

リコピンを効率的に摂取するためには、トマトの摂取する時期や方法がポイントです。ここでは、リコピンを効率的に摂取するための方法について解説します。

3-1.トマトが旬の時期に摂取する

リコピンを効率的に摂取するなら8月がおすすめです。旬の8月にはトマトに含まれる抗酸化成分が、2月のおよそ3倍にもなるとされます。野菜が旬を迎える時期は、栄養がたっぷり含まれている時期でもあるのです。

3-2.リコピンは加熱し摂取する

リコピンを含む野菜は、加熱するとリコピンの栄養素を吸収しやすくなるという研究結果があります。トマトの場合では、加熱してトマトソースにしたものなどを食べるよいでしょう。

4.リコピンをおいしく摂取できるおすすめのトマトレシピ

ここからは、トマトに含まれるリコピンを摂取できるおすすめのレシピをご紹介します。

4-1.トマトとわかめの中華風冷菜

まずご紹介するレシピは、サッパリした味わいの「トマトとわかめの中華風冷菜」です。

【材料】(2人分)

  • • トマト 小2個

  • • 乾燥わかめ 小さじ1.5

  • • 万能ねぎ 1本

  • • 大葉 2枚

  • • 酢 大さじ1

  • • しょうゆ 大さじ1

  • • みりん 小さじ1/2

  • • ごま油 小さじ1

  • • 炒り白ごま 小さじ1

【作り方】

  • 1. 水を入れたボウルに乾燥わかめを入れ、わかめが戻るまで約10分待ちましょう。

  • 2. 万能ねぎをみじん切り、大葉を細く千切りにしたら、水にさらしたあと水気を切ります。

  • 3. 酢・しょうゆ・みりん・ごま油・炒り白ごまを混ぜ合わせましょう。

  • 4. トマトはくし形にカットし、中央を横半分に切ります。水で戻したわかめは、食べやすい大きさにカットします。

  • 5. トマト・わかめ・万能ねぎと3の調味料をボウルに入れて混ぜ合わせます。ボウルごと冷蔵庫で冷やしたら、お皿に大葉とともに盛りつけて完成です。

4-2.真っ赤なトマトのライスピザ

次にご紹介するレシピは、トマトがたっぷり乗った「真っ赤なトマトのライスピザ」です。

【材料】(2人分)

  • • トマト 1個

  • • 米 1合

  • • 水 180ml

  • • バター 10g

  • • 塩 ひとつまみ

  • • 薄力粉 大さじ2

  • • ピザ用チーズ 120g

(A)

  • • トマト 1/2個(100g)

  • • しらす干し 20g

  • • 大葉 2枚

(B)

  • • トマト 1/2個(100g)

  • • 玉ねぎ 1/4個(50g)

  • • かつお節(削り節) 1パック

  • • ポン酢 小さじ2

【作り方】

  • 1. ヘタを取ったトマトを手で半分に割ります。炊飯器に米・水・半分に割ったトマト・バター・塩を入れて炊きましょう。

  • 2. (A)は、トマトの種に付いているゼリーの部分を取り除き、1cm角にカット。大葉は千切りにしましょう。

  • 3. (B)は、トマトを半分にカットし、いちょう切りにします。玉ねぎをみじんに切りしたら、かつお節とポン酢を入れ良く混ぜ合わせましょう。

  • 4. 炊飯器に入れた材料が炊き上がったら、トマトを潰しながら薄力粉と混ぜます。しっかり混ざったら4つに分けて、ラップで挟み平らに伸ばしましょう。

  • 5. オーブントースターの天板にクッキングペーパーを敷き、平らに伸ばした材料を載せます。ピザ用チーズを振りかけたら、3~5分焼きましょう。

  • 6. ピザ用のチーズが溶けたらオーブントースターから出し、(A)と(B)を載せて完成です。

トマトは加熱してリコピンの摂取効率を高めよう

リコピンには、過剰に産生された活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があるため、高血圧の改善や老化防止が期待できます。

そこでリコピンを効率的に摂取するには、トマトを積極的に食べることがおすすめです。リコピンをより効率良く摂取するためには、トマトが旬を迎える8月に食べるとよいでしょう。

さらに、リコピンは過熱して食べることで吸収率が高まります。健康的な毎日を過ごすためにも、今回ご紹介した食べ方の工夫やレシピを参考にしてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。