体がだるいのはなぜ?考えられる病気と対策方法について解説

風邪などで高熱を出すと全身がだるくなるという経験は誰でも一度はあるでしょう。

しかし、だるさは生活習慣の乱れをはじめ、さまざまな原因によって引き起こされることもあります。

今回は、体がだるいときの原因やその対策についても解説します。なんとなくだるさが抜けないという人は参考にしてみてください。

1.体のだるさから考えられる病気

体のだるさがあるときには、どのような病気の可能性があるのでしょうか。

1-1.心の病気

心の病気の原因としてあげられるもののひとつに慢性疲労症候群があります。

    慢性疲労症候群

    慢性疲労症候群は別名、筋痛性脳脊髄炎ともいいます。
    何の前触れもなく強い倦怠感を自覚し、それとともに関節痛、筋肉痛、頭痛、微熱、脱力感などが数カ月にわたって続き、健康的な社会生活が困難になる疾患です。

    現時点では詳しい原因がわかっていないため、除外診断で診断するものでかつ明確な治療方法はありません。

    日常生活に大きな影響をおよぼしている場合がほとんどで、症状の辛さのほかに周りの人たちから理解が得られないことや、就労に支障をきたすことが大きなストレスとなり、症状をさらに悪化させているケースもあります。

1-2.体のだるさが長引く病気

だるさが続くときには、以下の疾患の可能性もあります。ただし自己判断はせずに病院に相談しましょう

    貧血

    貧血とは、血液中の赤血球にあるヘモグロビンの濃度が低下している状態を指します。
    貧血にはいくつか種類があり、最も多い貧血は鉄分が不足することで起こる鉄欠乏性貧血です。

    鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が減少してしまうことで酸素を全身に運ぶ力(赤血球の力)が低下し、疲れやすさや頭痛、息切れなどの症状をまねきます。これを予防するには、鉄を食事から摂取することが大切です。動物性食品と植物性食品をバランス良く摂りましょう。

    甲状腺の病気

    甲状腺とは、甲状腺ホルモンをつくる臓器です。
    甲状腺の働きが低下すると、甲状腺ホルモンが不足し、疲れやすくなる、体重が増えやすい、断続的な眠気などのさまざまな症状をともないます。

    一方で、甲状腺ホルモンが過剰になると暑がりになり、頻脈になりやすく、痩せやすい、疲れやすいなどの症状が出てきます。
    何かしらの症状が疑われたら早めに病院を受診しましょう。

    こういった症状が見られたら一度専門の病院を受診しましょう。

2.体がだるいときの対策方法

特に病気ではない場合でも体のだるさがあるという人へ、おすすめの対策についてお伝えします。

2-1.食生活に気を付ける

栄養が偏っている食事を続けることで、体調不良をまねき、だるさにつながる可能性がります。
できるだけ一日3食、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

2-2.適度に運動する

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れることで血流が良くなり、だるさの軽減も期待できます。
ストレス解消にもつながるため、適度な運動習慣を身につけることがおすすめです。

2-3.良質な睡眠をとる

体のだるさは自律神経の乱れも原因の一つです。自律神経を整えるためには、良質な睡眠をとることが重要とされています。

寝る直前の食事を控える、ぬるめのお風呂に浸かってから就寝する、寝る前のパソコン、スマートフォンの操作を控えるなど、睡眠の質の向上に努めましょう。

だるさが続くときには生活習慣の見直しを

体のだるさが続くときには、生活習慣が乱れている可能性があります。

睡眠不足ではないか、またストレスがたまる生活が続いていないかなど、今一度生活習慣を見直してみましょう。

また、だるさには思わぬ疾患が隠れている可能性もあります。
生活習慣を改善してもだるさが改善されない、また悪化している場合には、医療機関の受診も検討しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。