食事から肥満解消を目指すためのポイントやおすすめ食材を紹介

健康的な体づくりにおいて、肥満予防は重要です。肥満は高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病につながりかねません。肥満解消のためには、食事の見直しが大切です。

今回の記事では、肥満について解説するとともに、肥満解消の食事方法3つのポイントと、ダイエットをサポートする食品を紹介します。

1.肥満とはどのような状態?

肥満度の判定には一般的にはBMI(Body Mass Index)という標準指標が用いられます。BMIの計算方法は、体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}です。

日本肥満学会では「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの」を肥満と定めています。ただし、BMIでは体脂肪率や脂肪のついている部位までわからないため、あくまで目安の一つと考えましょう。

2.食事で肥満解消を目指す場合の3つのポイント

肥満には食事が大きく関わっているため、肥満解消のためには食生活の見直しが欠かせません。ここでは食事で肥満解消を目指す場合の3つのポイントをお伝えします。

2-1.必要なエネルギーは摂取する

肥満の原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っていることです。そのため、摂取エネルギーを減らして消費エネルギーを増やすことが、肥満解消の基本となります。

自分が一日に必要なエネルギー量を把握し、食べすぎに注意しましょう。

しかし、厳しすぎる食事制限は心身に負担がかかるため、無理は禁物です。

また、間食などは摂取エネルギーが過剰になる傾向があります。節度ある適度な量を心がけましょう。

2-2.食事の栄養バランスに注意する

食品の種類を豊かにして栄養バランスの良い食事を心がけましょう。栄養バランスを整えるためには、タンパク質・カルシウム・カロテン・ビタミンC・炭水化物・脂肪を含む食品をまんべんなく摂取するのがおすすめです。

また、間食をするときは、食事だけでは足りない栄養素を補えるものを選びましょう。

2-3.規則正しい食事のリズムを心がける

食事時間が不規則だと、太りやすい体につながる原因になります。そのため、食事リズム(食事を抜く、食事をする時間など)の見直しも大切です。朝・昼・夕の3食を毎日ほぼ同じ時間に摂り、規則正しい食生活を心がけましょう。

早食いも肥満をまねきやすいため、ゆっくり噛んで食事を摂ることも大切です。普段の食生活が乱れていると感じる人は、ぜひ一度見直してみましょう。

3.食事で肥満解消を目指したい人におすすめの食材

ビタミンやミネラルを十分に摂取できていないと、痩せづらい体質になってしまいます。これらの栄養素はダイエット中だけでなく、体にとって大切な役割を担っているため、意識して補いましょう。

肥満解消をサポートする食品には次のようなものがあります。

  • ・キムチ

  • ・アボカド

  • ・オリーブ油

  • ・酢

  • ・さば

  • ・いわし

  • ・ナッツ類

発酵食品であるキムチは腸内環境を整える乳酸菌をはじめ、食物繊維、ビタミンB群が多く含まれているためダイエット中にぴったりです。とうがらしの辛み成分カプサイシンは、脂肪燃焼を助けます。

酢に含まれるクエン酸は疲れを和らげ、腸の働きを整えます。長い熟成期間で作られる黒酢はビタミンやミネラル、アミノ酸が通常の酢よりさらに豊富です。

カシューナッツやアーモンドなどのナッツ類は水溶性食物繊維がたっぷりです。また、中性脂肪を減らす不飽和脂肪酸や、脂肪燃焼をサポートするビタミンB2も含まれています。

アボカドやアーモンドなどに含まれるビタミンEは、血液の流れや老廃物の排出をスムーズにするため、ダイエット中に摂りたい栄養素の一つです。

オリーブ油のオレイン酸は糖や脂質の代謝をサポートします。また、さばやいわしに含まれるDHA、EPAなどのオメガ3系脂肪酸の不飽和脂肪酸は、内臓脂肪を減らし、筋肉を増やしたい方にぴったりの成分です。

ダイエット中でも健康を保つために、バランスの良い食事を心がけましょう。

バランスの良い食事を意識して肥満解消につなげよう

肥満解消のためには、摂取エネルギー量と消費エネルギー量を考えた食事内容を考えることが大切です。その他にも、栄養バランスを整え、食事時間を毎日ほぼ同じ時間にそろえましょう。

乳酸菌やカプサイシンを含むキムチ、ビタミンEが豊富なアボカドやアーモンド、不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが多いさばやいわしはダイエット中に積極的に摂りたい食品です。

肥満は生活習慣病のリスクとなります。BMIが25以上の人は肥満の可能性があるため、健康を保つためにも食生活を見直しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。