1.更年期障害の改善が期待できる栄養素と食べ物
更年期の女性にうれしい成分には大豆イソフラボンやビタミンEなどが挙げられます。それぞれの特徴や、どのような食べ物に含まれるのかについて見ていきましょう。
1-1.大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造をしている物質です。大豆製品である豆腐や納豆、みそなどの食べ物に多く含まれています。大豆は日本人に不足しがちな栄養素であるカルシウムを摂るためにも効果的な食べ物です。大豆製品を毎日の食事に組み込み、バランスの整った食生活を目指しましょう。
1-2.ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンです。健康維持に欠かせない栄養素の一つで、ビタミンEが不足すると血液の流れが悪くなり、冷え性や肩こり、頭痛といった不調が現れるため必要な量をしっかりと補いましょう。
ビタミンEは落花生やアーモンドなどの食べ物に含まれています。
2.更年期障害の改善が期待できる食べ物を使ったレシピ
ここでは、更年期障害の改善に役立つ食べ物を使ったレシピを2品紹介します。
2-1.麻婆なっとう豆腐
まずご紹介するのは、にんにくとしょうがを使った「麻婆なっとう豆腐」です。テンメンジャンの代わりに、みそを使うのもよいでしょう。
【材料】2人分
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・豆腐(絹) 1丁
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・豚ミンチ肉 70g
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・納豆 1パック
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・にんにく 1/2かけ分
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・しょうが 1かけ分
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・白ねぎ 1/4本分
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・サラダ油 大さじ1
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・水溶き片栗粉 適量
【A】
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・鶏ガラスープの素 小さじ1
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・水 1/2カップ
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・砂糖 小さじ2
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・テンメンジャン 大さじ1
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・しょうゆ 大さじ1
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・酒 大さじ1
【作り方】
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1. 豆腐はしっかり水切りをします。
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2. フライパンにサラダ油を熱し、みじん切りしたにんにくとしょうがを炒めます。香りがしてきたら豚ミンチ肉を加えてさらに炒めます。
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3. 2に【A】を入れて煮立たせます。ちょうど良い大きさに切った豆腐と納豆、みじん切りにした白ねぎを入れてさらに3分ほど煮ます。
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4. 水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて完成です。
2-2.蒸し豆腐のツナあんかけ
次にご紹介する「蒸し豆腐のツナあんかけ」は、とろみのついた野菜あんと豆腐を合わせて食べることで、薄い味付けでも満足できる一品です。煮汁ごとツナを使うことで、だしを準備する必要もなく手軽に作れます。
【材料】2人分
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・絹ごし豆腐 1丁
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・にんじん 30g
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・青ねぎ 1本
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・ツナ缶(水煮) 1/2缶
【A】
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・水 150ml
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・しょうゆ 小さじ2
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・みりん 小さじ1/2
【作り方】
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1. 絹ごし豆腐を1/2に切ります。耐熱皿に入れてラップを軽くかけ、500Wの電子レンジで1~2分を目安に温めます。
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2. 青ねぎは1cm長さで斜め切りにします。にんじんは1mm厚さに短冊切りにします。
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3. 鍋に【A】を入れて煮立たせ、にんじんを加えてさらに加熱します。
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4. にんじんがやわらかくなってきたら、青ねぎとツナ缶を汁ごと加えてさらに3~4分を目安に加熱します。
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5. 青ねぎに火が通ったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。皿に盛り付けた豆腐の上からかけて完成です。
3.食べ物以外で更年期障害を改善する方法とは?
食べ物以外に更年期を改善する対処法には漢方薬や生活習慣の見直しなどがあります。詳しく見ていきましょう。
3-1.漢方薬
漢方薬は複数の生薬から作られており、心身のバランスを整えるのが特徴です。漢方薬のなかに更年期障害の代表的な症状である、肩こりやイライラなどをやわらげるものもあります。漢方薬の処方については、婦人科の医師に相談しましょう。
3-2.生活習慣の見直しをする
更年期障害は薬による治療だけでなく、生活習慣の見直しも大切です。バランスのとれた食事や睡眠、適度な運動などのセルフケアが効果的でしょう。
しかし、更年期障害は人によってさまざまな症状があり、症状の度合いも人それぞれです。つらいときには無理せずに専門科を受診しましょう。
更年期障害改善に期待できる食べ物を日々の食事に加えましょう
多くの45~55歳の女性が迎える更年期には、女性ホルモンの減少などによって疲れやすさ、肩こり、イライラするなどさまざまな症状が現れます。
更年期障害の改善が期待できる大豆イソフラボンは大豆製品に、ビタミンEは落花生やアーモンドなどに多く含まれています。
また、食べ物以外の対策としては漢方薬や生活習慣の改善が挙げられます。
女性をサポートしてくれる食べ物を日々の食事に加えて、更年期障害をやわらげましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医