不眠の改善に効果的な食べ物とは?
食べ物以外の改善方法についても解説

「あまり眠れなかった……」という経験は、誰にでも起こりうるものです。しかし、何日も不眠状態が長引くと、倦怠感や集中力低下などのトラブルが出てしまいます。

不眠が続くと「今日も眠れないのでは……」という気持ちが湧き上がり、緊張してさらに不眠が悪化してしまうことがあるので要注意です。

今回は、不眠改善におすすめの食事や生活習慣を解説します。快眠のための基本を押さえて、不眠の悩みを解消しましょう。

1.不眠を改善する栄養素と食べ物

不眠を改善したい方におすすめの栄養素と食べ物を解説します。

1-1.グリシン

アミノ酸の一種であるグリシンは、睡眠をサポートする性質があることが示唆されている栄養素です。グリシンを摂取すると末端の血流が良くなって熱放散がスムーズになり、深部体温が低下して良質な睡眠へ導くといわれています。

グリシンは、するめやえび、かつお節、鶏肉、大豆などに豊富に含まれています。

1-2.ビタミンB1

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種で、ブドウ糖がエネルギーに変換されるのをサポートしたり、中枢神経や末梢神経の機能を正常に保ったりするうえで重要な栄養素です。

欠乏すると、不眠や集中力低下などの症状が起こることがあります。糖質の多い食生活をしている人は、ビタミンB1が不足しがちになるため注意が必要です。

ビタミンB1は、豚肉の赤身や焼きのり、ごまなどに豊富に含まれています。

2.不眠を改善する食べ物が含まれているレシピ

不眠が気になる方におすすめのレシピを紹介します。

2-1.豚ヒレ肉のヘルシーごまカツ

まず紹介するのは「豚ヒレ肉のヘルシーごまカツ」です。豚ヒレ肉には中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つビタミンB1が含まれているので、不眠を改善したい方にはおすすめです。

【材料】2人分

  • ・豚ヒレ肉 200g

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

  • ・小麦粉 大さじ1

  • ・卵 1/2個

  • ・パン粉 1/4カップ

  • ・白ごま 大さじ2

  • ・揚げ油 適量

【作り方】

  • 1. 豚ヒレ肉を8mmほどの厚みでカットして、塩・こしょうで下味を付けます。

  • 2. 1を小麦粉、溶き卵、白ごまを混ぜ合わせたパン粉の順番に浸して、衣を付けます。

  • 3. 揚げ油を170度に熱し、2を揚げたら完成です。

パン粉に混ぜるのは、黒ごまでもOKです。ごまの風味を味わいながら、大根おろしやソースで食べるとよいでしょう。

2-2.アボカドのえびチーズ春巻き

次に紹介するのは、グリシンが豊富なえびと、ビタミンB1が豊富な豚を使った「アボカドのえびチーズ春巻き」です。

【材料】2人分

  • ・アボカド 1個

  • ・豚挽き肉 40g

  • ・酒 小さじ1/2

  • ・塩 少々

  • ・ごま油 小さじ1/2

  • ・水煮たけのこ 10g

  • ・えび 6尾

  • ・酒 小さじ1/2

  • ・塩 少々

  • ・スライスチーズ 2枚

  • ・春巻きの皮 4枚

  • ・揚げ油 適量

  • ・レモン 1/4個

【A】

  • ・中華スープ 小さじ1/2

  • ・薄口しょうゆ 小さじ1/2

  • ・酒 小さじ1/2

  • ・塩 少々

  • ・こしょう 少々

  • ・水溶き片栗粉 小さじ1

【作り方】

  • 1. 豚挽き肉に酒小さじ1/2と塩少々を混ぜてよく練ったら、ごま油を敷いたフライパンに入れ、中火で炒めます。

  • 2. 水煮たけのこを千切りにして1に加えて炒めたら、【A】を加えます。

  • 3. 水溶き片栗粉の半量を2に加えて混ぜたら、火を止めて冷ましておきます。

  • 4. えびの殻と背ワタを取り除いたら洗って水気を取り、1尾を3等分にカットして、酒小さじ1/2と塩少々をもみこみます。

  • 5. 種と皮を取り除いたアボカドは1㎝角にカットし、スライスチーズは1枚を3等分にカットします。

  • 6. 春巻きの皮を角が手前になるように置き、1~3で準備した具材と4のえび、5のアボカドを中身が出ないように巻いていきます。巻き終わりは、水溶き片栗粉で留めます。同じように1~3の具材と5のアボカド、スライスチーズを巻きます。これを各2本作りましょう。

  • 7. 160度の揚げ油で、6をきつね色になるまで揚げます。油を切って皿に盛り、レモンを添えたら完成です。

皮を巻くときに破れないようにするには、中身の具材をしっかり冷ましておくのがポイントです。

3.食べ物以外で不眠改善に効果的な方法

不眠改善に効果的な生活習慣を解説します。

3-1.適度な運動習慣を取り入れる

運動習慣があると寝付きが良くなり、深い睡眠を得られることが知られています。

激しい運動よりも、ウォーキングや軽めのランニングなど、負担にならない程度の有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。一度きりの運動ではなく、習慣として継続していくようにしましょう。

3-2.起床時間を一定にして体内時計を調整する

不眠対策には、規則正しい睡眠習慣が欠かせません。体内時計を整えて睡眠リズムを安定させるため、布団に入る時間と起床時間をできるだけ毎日そろえるよう意識しましょう。

起床直後に光を浴びると、自然に体内時計が整えられます。目覚めたら、まず朝日を浴びることを日課にするとよいでしょう。

3-3.入浴などで就寝前に体温を上げる

就寝2~3時間前に入浴すると体温が一時的に上がることから、寝付きを良くするのに効果的とされています。

ただし、熱すぎるお湯は、体への負担となるためおすすめできません。半身浴やぬるめのお湯でも寝付きを良くする効果が認められるので、自分の体調や好みに合わせた温度で入浴しましょう。

3-4.睡眠環境を整える

寝具や入眠環境にも注意してみましょう。首や肩が苦しくならない枕、適度な硬さの敷布団などを選ぶと、体の負担を軽減できてしっかりと眠れます。

寝室の温度や湿度、音や明るさなどへの配慮も、快眠できる環境作りには欠かせません。

3-5.かかりつけ医や専門医に相談する

不眠が解消しない場合は、専門医に相談すると根本的な解決につながります。

精神科や心療内科に行くのがためらわれる場合には、かかりつけ医に相談してみるのもおすすめです。医師への相談で不安感が和らぐこともあるため、不眠の悩みを一人で抱え込まないようにしましょう。

食事と生活習慣で、不眠の悩みに対処しよう

豚肉や魚介類など、良質な睡眠におすすめの栄養を含む食材をバランス良く摂り、睡眠にアプローチしていきましょう。適度な運動やタイミングの良い入浴なども、快眠に導く秘訣といえます。

不眠が長引いている場合には、医療機関を受診することも大切です。健やかな眠りを手に入れられるよう、日々工夫してみましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医