1.30代のおもな疲れの種類とは?
年を重ねると、疲れが取れにくいと感じることがあるかもしれません。
おもな疲れは大きく分けて、以下の2種類があります。
1-1.精神的な疲れ
30代となると、職場での重圧や人間関係、家庭内の悩みなどのストレスが疲労感につながります。
精神的な疲労感は、精神面の症状だけでなく体の症状としても現れることもあります。精神的に緊張した状態が長く続いていたら、疲れが出やすいので注意しましょう。
1-2.神経の疲れ
仕事だけでなくプライベートでも、テレビやパソコン、スマホなどの情報機器を利用する機会が増えています。私たちの脳が膨大な情報量を処理するには、大きな負荷がかかっています。
情報機器からの情報を処理するために神経や脳を酷使する状態が続くことで、神経的な疲労が生じます。そのため、忙しい状況で睡眠不足が続くと、神経的疲労が取れづらく、ミスの多発へとつながるおそれがあるでしょう。
2.疲れが溜まってしまうと健康状態が悪化する
疲労が溜まっていくと、日中の居眠りや仕事でのミスの多発などトラブルへとつながるかもしれません。
そのため、厚生労働省は、労働者自身が「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」を活用し、疲労度の把握とともに健康管理を推奨しています。
同じく、厚生労働省が定める「36協定」という時間外労働に関する協定では、1カ月あたり45時間を超えて時間外・休日労働をしないよう努めるよう、注意喚起をしています。
3.疲れが取れないときの疲労回復方法
一日の疲れは、その日のうちに回復させたいものです。では、疲れが取れないときには具体的にどのような回復法があるのでしょうか。今回は3つの方法を紹介します。
3-1.睡眠の質を向上させる
脳の疲労を回復させるには、質の良い睡眠が欠かせません。
脳は膨大なエネルギーを消費します。エネルギーのほとんどはブドウ糖に依存していますが、眠らない時間が増えるほど、ブドウ糖をうまく活用できなくなります。そのため、毎日の睡眠は脳の疲労回復には欠かせません。
生活リズムを整えることも、睡眠の質を向上させるための大切なポイントです。
毎日、交感神経/副交感神経の生理的なリズムに合わせて活動し、日中の適度な運動や夕方以降のカフェイン摂取、節度を超えた飲酒を控えることを意識すると、深く長く眠れるようになるでしょう。
光の調整も、睡眠にとって大切です。寝室は月明かり程度の明かりにすることで、良い睡眠へとつながります。
3-2.疲れに効く栄養素を摂取する
疲労を回復するためには、体内の過剰な活性酸素発生を抑制すること、発生した活性酸素を解消することが大切です。
必要な栄養素を摂ると疲労回復システムがスムーズに働きます。その結果、傷ついた細胞を修復できるため、疲れにくい体へとつながるのです。
疲れに効く栄養素は、おもに以下の7種類です。
ただし、上記に挙げた栄養素を一つだけ摂取しても、効果は期待できません。栄養素は単体で作用するものではなく、お互いが影響し合ったり助け合ったりすることで効果を発揮します。
そのため、疲れに効く栄養素をバランス良く摂取するように心がけましょう。
3-3.アクティブレストを行なう
アクティブレストとは疲労時に体を動かすことで血流を改善させ、体内の疲労物質を排出する、疲労回復効果を高める方法です。
例えば、休日にストレッチやウォーキングなどの軽い運動を行なうと、コンディションが整い、疲労回復を図れます。
休日だけでなく、日々の生活の中でも次のような方法でアクティブレストを積極的に取り入れることで、疲労の蓄積を軽減できるでしょう。
疲れの取れない30代は疲労回復を意識しましょう
30代の疲労感は、精神的・神経的疲労などが関係しています。
疲労が溜まると、日中の居眠りや仕事でのミスの多発など、思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
なんとなくだるさを感じるときは、睡眠の質を向上させてください。また、疲れに効く栄養素をバランス良く摂取し、アクティブレストを活用することも試してみましょう。
年齢に関係なく毎日イキイキと生活するためには、「疲労回復」を意識することが大切です。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。