1.ごぼうにはどのような種類(品種)があるの?
日本にごぼうが伝わってきたのは、10世紀より前のことです。中国から薬草として伝わり、日本でも最初は薬用とされていましたが、平安中期には野菜として食べられるようになったとされています。
ごぼうにはさまざまな種類がありますが、一般的に食べられているのは、根の部分が細くて長い「滝野川ごぼう」と呼ばれるものです。
その他の品種として、おもに葉と茎が食べられる「葉ごぼう」、肉質がやわらかく豊かな香りが特徴な「新ごぼう」、中に空洞があり肉などを詰めた煮物によく利用される「大浦ごぼう」、白っぽい色でやわらかくサラダに適している「サラダごぼう」などがあります。用途に応じて使い分けられるとよいでしょう。
2.ごぼうに含まれる栄養素とは
ごぼうは、野菜のなかでも食物繊維が特に豊富です。
食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、ごぼうにはどちらも含まれています。ごぼう100gあたりに含まれている食物繊維の量は、水溶性が2.3g、不溶性が3.4gです。
食物繊維は便秘の予防などに関わる栄養素とされています。日本人が不足しがちな栄養素のため、普段の食事で積極的に摂るように意識しましょう。
この他にも、ごぼうには抗酸化成分のポリフェノールや、マグネシウム・カリウムなどのミネラルも多く含まれています。
3.ごぼうのレシピをご紹介
ここから、ごぼうを使ったレシピを4品ご紹介します。ぜひ試してみてください。
3-1.新ごぼうとツナの炊き込みご飯
【材料】2合分
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・ 米 2合
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・ 新ごぼう 1本
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・ ツナ缶 1缶
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・ 昆布 1枚
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・ 塩 小さじ1/3
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・ 酒 大さじ1.5
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・ 刻みねぎ(あれば) 適量
【作り方】
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1. 米を研ぎ、30分以上水に浸けたら水気を切っておきます。
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2. 新ごぼうはよく洗って短めのささがきにし、ツナ缶は軽く汁気を切りましょう。
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3. 炊飯器に米・塩・酒を入れ、目盛りどおりの水を加えてよく混ぜます。その上に昆布と2を入れて炊きます。
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4. 3が炊けたら器によそい、刻みねぎを散らしたら完成です。
新ごぼうの香りを活かすために、ごぼうを水にさらす場合は短時間にすることがおすすめです。
3-2.ごぼうと鶏肉のトマト煮
【材料】2人分
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・ ごぼう 1本
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・ 鶏もも肉 1枚
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・ 玉ねぎ 1/4個
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・ にんにく 1片
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・ オリーブ油 大さじ1
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・ トマト水煮缶(カットタイプ) 1缶
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・ 水 100ml
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・ イタリアンパセリ(あれば)適量
【A】
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・ 顆粒コンソメ 小さじ1
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・ 塩 小さじ1/4~
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・ こしょう 適量
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・ 砂糖 小さじ1/2
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・ 乾燥バジル 適量
【作り方】
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1. ごぼうは皮を取って5mm幅に斜め切りし、鶏もも肉は食べやすいサイズに切ります。
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2. 玉ねぎとにんにくをみじん切りにします。
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3. オリーブ油を鍋に入れて中火にし、玉ねぎとにんにくを炒めます。玉ねぎに火が通ったら、そこに1を入れてさらに炒めましょう。
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4. 鶏肉の色が変わってきたら、そこにトマト水煮缶と水、【A】を加えます。煮立ったら火を弱め、蓋をして15~20分ほど煮込みます。
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5. 皿に4を盛り付けたら、刻んだイタリアンパセリを散らして完成です。
切ったごぼうを長く水にさらすと風味に影響するため、水にさらさないようにしましょう。
3-3.ごぼう入りつくね
【材料】2人分
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・ 鶏ひき肉 250g
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・ ごぼう 1/2本
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・ 玉ねぎ 1/4個
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・ しょうが 1片
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・ しし唐辛子 4本
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・ サラダ油 大さじ1
【A】
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・ 溶き卵 1個分
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・ 酒 大さじ1
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・ しょうゆ 大さじ1/2
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・ 片栗粉 小さじ2
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・ 塩 適量
【B】
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・ 砂糖 大さじ2/3
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・ しょうゆ 大さじ1.5
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・ 酒 大さじ1.5
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・ みりん 大さじ1.5
【作り方】
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1. ごぼうは小さめのささがき、玉ねぎはみじん切り、しょうがはすりおろし、しし唐辛子は数ヵ所に切り込みを入れます。
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2. フライパンに大さじ1/3のサラダ油を入れて熱し、焦げないように気を付けながらごぼうを弱火で炒めましょう。ごぼうがやわらかくなったら、火を止めて粗熱を取ります。
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3. ボウルに1の玉ねぎとしょうが、2、鶏ひき肉、【A】を入れてしっかりと混ぜたら、8等分に分けて形を整えます。
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4. 残りのサラダ油をフライパンに入れて熱し、3を3~4分ほど中火で焼く。ひっくり返して1のしし唐辛子を入れて蓋をしたら、4~5分ほど弱火にして焼きます。
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5. つくねに火が通ったら、キッチンペーパーで余分な油を取ります。そこに、【B】をよく混ぜてから回し入れ、中火でタレをよく絡ませたら完成です。
ごぼうは、つくねとよくなじむように、小さめのささがきにするのがポイントです。
3-4.ごぼうのスパイシー唐揚げ
【材料】2人分
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・ ごぼう 1本
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・ 小麦粉 適量
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・ クミンパウダー 小さじ1/4
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・ 揚げ油 適量
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・ サニーレタス 1枚
【A】
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・ しょうゆ 小さじ1/2
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・ おろしにんにく 適量
【作り方】
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1. ごぼうはよく洗って5cm幅に切り、太い部分は縦半分から1/4等分程度に切ります。
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2. ごぼうと【A】をポリ袋に入れて揉み込み、5分ほど置いておきましょう。
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3. 小麦粉とクミンパウダーを2に入れて粉を全体にまぶし、160度の揚げ油で揚げます。
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4. サニーレタスを皿に敷き、その上に3を盛り付けたら完成です。
ごぼうは、低温でじっくりと揚げるのがポイントです。高温で揚げると焦げやすいので注意してください。
ごぼうレシピを活用し食物繊維を補給しましょう
ごぼうにはさまざまな栄養素が含まれていますが、特に注目したいのは豊富な食物繊維。水溶性繊維と不溶性繊維がどちらも含まれていて、食物繊維が不足しがちな日本人にとっては日常的に摂りたい食材の一つといえます。
ごぼうの特徴である香りの成分は皮の近くに多く含まれているため、自宅で食べる際は洗って皮つきのまま調理をするとよいでしょう。ぜひ、今回ご紹介したごぼうのレシピも参考にしてみてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医