ビタミンCを過剰摂取した場合のリスクや
おいしく摂取するためのレシピ

美容と健康のために「ビタミンC」を意識的に摂っている人は多いかもしれません。
しかし、体に良いからといって、あまりにも多くのビタミンCを摂取してしまうと逆に健康を害する可能性もあります。

健康を守るためにビタミンCの過剰症と摂取目安量について理解を深め、適切な摂取方法を実践しましょう。ビタミンCの多い食品やおすすめのレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ビタミンCを過剰摂取した場合のリスク

一般的な食生活では、ビタミンCをたくさん摂取したからといって健康障害が現れる心配はありません。なぜなら、健康な人であればビタミンCを過剰に摂取しても、体内で不必要な分は尿として排出されるからです。

しかし、ビタミンCを過剰摂取することにより下痢・吐き気・腹痛などの症状が現れることがあるので、適切な分量を摂取する必要があります。自然な食品以外からビタミンCを摂取する場合は、一日に1000mgを超えないように利用しましょう。

2.ビタミンCの一日の目安摂取量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」により、ビタミンCの一日の摂取目安量が示されていますのでご紹介します。

【ビタミンCの一日の摂取目安量】

性別 男性 女性
年齢など 推奨量(mg/日) 推奨量(mg/日)
0~11(月) ※40 ※40
1~2(歳) 40 40
3~5(歳) 50 50
6~7(歳) 60 60
8~9(歳) 70 70
10~11(歳) 85 85
12以上(歳) 100 100
妊婦(付加量) +10
授乳婦(付加量) +45


参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)
※1歳未満は目安量
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が一日の必要量を満たすと推定される一日の摂取量
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量

3.ビタミンCを多く含む食材

自然な食品に含まれているビタミンCの含有量は、季節や貯蔵方法・収穫してから食べるまでの時間などによって変化することがわかっています。また、ビタミンCは調理の際に洗ったり、加熱したりすることによっても減少してしまうデリケートな栄養素です。

ここからは、ビタミンCが多いおもな食品を植物性食品と動物性食品に分けてご紹介します。

【植物性食品】

食品名 1食あたりの重量(g) ビタミンC(mg)
1食あたり 100gあたり
赤ピーマン(油炒め) 60 108 180
ブロッコリー(電子レンジ加熱) 98 70 140
キウイフルーツ 100 71 71
いちご 80 50 62
青ピーマン(油炒め) 60 47 79

参照:文部科学省「食品成分データベース

【動物性食品】

食品名 1食あたりの重量(g) ビタミンC(mg)
1食あたり 100gあたり
からし明太子 25 19 76
ボンレスハム 20 10 49
ロースハム 20 5 25
ベーコン 20 8 39
ウインナー(焼き) 20 6 32

参照:文部科学省「食品成分データベース

4.ビタミンCをおいしく摂取するためのレシピ

ここからは、ビタミンC補給におすすめのレシピを2品ご紹介します。

4-1.パプリカのカプレーゼ仕立て 和の香り

まずは、パプリカの甘さが引き立つ「パプリカのカプレーゼ仕立て 和の香り」です。

【材料】(2人分)

  • • パプリカ(赤) 1個

  • • パプリカ(黄) 1個

  • • モッツァレラチーズ 1個

  • • にんにく 1かけ

  • • 細青ねぎ 3本

  • • 大葉 3枚

  • • オリーブ油 大さじ2

  • • 薄口しょうゆ 小さじ1

  • • ブラックペッパー 小さじ1/2

  • • 塩 少々

【作り方】

  • 1. にんにくは皮をむいて薄切りにします。オリーブ油を敷いたフライパンに入れて、きつね色になるまで弱火で焦がさないように炒めましょう。にんにくを取り出し、クッキングぺーパーの上で余分な油を除いておきます。

  • 2. パプリカはヘタと種を取り除き、大き目の一口大に切ります。

  • 3. 1のフライパンに残った油で、パプリカを炒めましょう。パプリカがしんなりするまで中火で約5分じっくりと火を通し、塩・ブラックペッパー・薄口しょうゆで味付けをして火を止めます。

  • 4. パプリカを取り出し、保存容器に入れて冷蔵庫で冷やしておきましょう。フライパンに残ったソースは最後に使うのでとっておきます。

  • 5. モッツァレラチーズは縦半分に切って1cmの輪切りにしましょう。大葉は縦半分に切り、細青ねぎは3cmの斜め切りにします。

  • 6. 皿にパプリカ・チーズ・大葉の順に手前から並べていき、最後に青ねぎ・1のフライドガーリックを散らし、4のソースをかけて完成です。

4-2.スペアリブのジンジャーオレンジ煮

次は、ボリューミーな「スペアリブのジンジャーオレンジ煮」です。

【材料】(2人分)

  • • スペアリブ(豚の骨付き肉) 4~6本(380g程度)

  • • オレンジ 1個

  • • オリーブ油 大さじ1/2

<A>

  • • 塩 小さじ1

  • • しょうゆ 大さじ1

  • • 水 100g~

  • • 白ワイン 大さじ2

  • • おろししょうが 20g

  • • はちみつ 大さじ1.5

<付け合わせ>

お好みのサラダ

【作り方】

  • 1. オレンジは皮をむいて果肉を取り出します。飾り用に2房ほど取っておきましょう。

  • 2. 厚手の鍋にオリーブ油を熱し、スペアリブの表面を焼き付けます。出てきた脂はキッチンペーパーで拭き取りましょう。

  • 3. 鍋に<A>とオレンジを入れ、落とし蓋をして、30~40分コトコト煮込みます。ときどき煮汁を回しかけるかスペアリブをひっくり返しましょう。

  • 4. 皿に盛り、付け合わせのサラダと、1のオレンジの果肉を添えて完成です。

ビタミンCのサプリメントは適量を守りましょう

私たちの美容と健康の強い味方である「ビタミンC」は、通常の食事による過剰症の心配はありません。自然な食品に含まれているビタミンCは、時間の経過や洗浄・加熱調理などさまざまな要因によって減ってしまうため、とてもデリケートなものです。

一方で、サプリメントなどに添加されているビタミンCは手軽に補給できます。ただし、ビタミンCを過剰摂取してしまうと下痢や吐き気などを引き起こす可能性があります。サプリメントなどからビタミンCを摂取する場合は、1000mgを超えないように利用することが大切です。

ビタミンCは健康維持や若々しい日々を送るために欠かすことのできない栄養素なので、上手に補給して健やかな毎日を送りましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。