目次
1.頻尿とはどのような症状なのか?
頻尿とは、「朝起きてから寝るまでの排尿回数が7~8回以上、夜間の排尿回数が2回以上」と定義されています。
しかし、一日の排尿回数は個人差が大きく、一括りに「一日に何回以上の排尿は異常」と断言することはできません。排尿回数が8回に満たない場合であっても、自分の感覚でトイレに行く回数が多いと感じる場合には「頻尿」といえるでしょう。
一般的には「頻尿=おしっこでトイレに行く回数が多くて困っている」といった意味で使われることが多い傾向です。
「一日中何度もトイレに通っている」「夜、水分を控えているのに尿意で目が覚める」など、頻繁に押し寄せる尿意にお困りではありませんか?
「自分は頻尿気味」だと自覚している人は多いかもしれませんが、実は「頻尿」と一言にいっても、原因や症状はさまざまです。頻尿の症状や種類について理解を深めて、自分に合った改善方法を見つけましょう。
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頻尿とは、「朝起きてから寝るまでの排尿回数が7~8回以上、夜間の排尿回数が2回以上」と定義されています。
しかし、一日の排尿回数は個人差が大きく、一括りに「一日に何回以上の排尿は異常」と断言することはできません。排尿回数が8回に満たない場合であっても、自分の感覚でトイレに行く回数が多いと感じる場合には「頻尿」といえるでしょう。
一般的には「頻尿=おしっこでトイレに行く回数が多くて困っている」といった意味で使われることが多い傾向です。
頻尿の原因には、膀胱の機能がうまく働かない場合や「緊張すると急にトイレに行きたくなる」といった心因性の場合が考えられます。こちらでは、膀胱の機能がうまく働かない場合の症状や疾患についてお伝えします。
過活動膀胱とは、膀胱に尿が少ししか貯まっていないのにも関わらず、自分の意思とは関係なく収縮してしまう疾患です。そのため、「おしっこしたい!」という感覚が頻回に押し寄せ、日中・夜間ともに何度もトイレに行くようになります。一回の尿量は少ないのですが、トイレまで間に合わずに漏れてしまう場合もあるのです。
原因はさまざまで、老化現象の一つでもありますが、パーキンソン病などの脳や脊髄の病気による場合もあります。これは、脳や脊髄の障害により膀胱のコントロールが効かなくなるため、頻尿につながるのです。また、前立腺肥大症による排尿障害で膀胱が敏感になることで頻尿につながる場合もあります。
過活動膀胱は、日本で1000万人以上もの人が経験しているため、比較的身近な病気といえるでしょう。
残尿とは、トイレでおしっこを済ませたあとも膀胱内に尿が残る状態を指します。
腰部椎間板ヘルニアや糖尿病などの病気により神経がダメージを受け、膀胱が正常に収縮できなくなることなどが原因です。
また、前立腺肥大症による排尿障害が進行すると残尿が生じる場合もあります。
膀胱内に尿が残っていると、その分膀胱に尿を溜める容量が少なくなります。そのため排尿時の量がわずかとなり、頻尿につながるのです。
多尿とは、一日の尿量が3L以上の場合をいいます。健康な大人の尿量は一日約1500mL、高齢になると少し減って1200mLほどです。
多尿の原因は、水分の多飲や利尿効果のある薬剤の服用・糖尿病などの内分泌疾患によるものがあります。
多尿の場合は、一回の排尿量は150~200mLほどで正常な量ですが、トイレに行く頻度が多くなるのです。
尿路感染症とは、尿が通る道にバイ菌が侵入する病気です。バイ菌が入った場所によって病名が異なり、膀胱炎・腎盂腎炎・尿道炎・前立腺炎などがあります。
尿路感染症になると、膀胱の知覚神経が敏感になるため頻尿になるのです。
また、原因が不明な「間質性膀胱炎」は膀胱に慢性的な炎症を引き起こし、頻尿の状態が長く続く病気をいいます。膀胱が尿で満たされると下腹が痛くなるのが特徴的です。
これらを含め、排尿時に異常を感じたら医療機関に受診し、適切な処置や治療を受けることをおすすめします。
「頻尿」が生活に支障をおよぼしストレスが溜まる前に、適切な対策方法を実践して快適な毎日を目指しましょう。
“血液サラサラ”のために、一日に何リットルもの水分を摂っていませんか?しかし、残念ながら過剰に水分を摂っても「血液をサラサラにする」という根拠は存在しません。体にとって不必要な水分は尿として体の外に排出されてしまうのです。
過剰な水分摂取により頻尿になっている場合は、水分摂取量を控えることで頻尿が良くなります。一日の飲水量の目安は体重の2~2.5%程度で、体重60kgの人では1200~1500mLが適量です。この飲水量は、味噌汁など食事に含まれる水分以外のお茶や水など、飲み物として摂取する水分量を指します。
ちなみに、一日の尿量は体重1kgに対して20~25mLほどが一般的な目安量です。例えば、体重60kgの人では1200~1500mL程度になります。
ただし、利尿作用のあるコーヒーや紅茶などは飲み過ぎに注意しましょう。
頻尿が起こる原因として、膀胱自体が硬くなって尿を溜められなくなっている場合と、骨盤底筋がゆるみ尿道が下がって開きやすくなっている場合とがあります。
男性の場合は、前立腺が肥大することで起こる「過活動ぼうこう」の影響で頻尿になるケースが多くあります。
これらは骨盤底筋を鍛えることで、頻尿を改善する効果が期待できるのです。
1. 深呼吸をして、心身ともに落ち着かせます。
2. 足を肩幅に開いて、背筋を伸ばしましょう。
3. その姿勢のまま、肛門全体をゆっくり引き上げるように骨盤底筋を締めます。このとき、その他の部位には力を入れないように注意しましょう。
4. 5秒ほど力をいれたままキープして、息を吐きながら力を抜きます。慣れてきたら、徐々に時間を延ばして12~14秒くらい締め、力を抜いたあとは48秒ほど体を落ち着かせましょう。
これを、一日10セットを目安に行ないます。
骨盤底筋トレーニングの効果を実感するためには、毎日続けることが重要なので無理のない範囲で取り入れていきましょう。
膀胱訓練は一回の尿量が100mLよりも少ないときに有効です。
膀胱訓練とは、「おしっこしたい」と思ってもすぐに排尿せず、少し我慢する時間を設けることで、膀胱に溜める尿量を増やしトイレに行く回数を減らすトレーニングのことをいいます。
膀胱におしっこを溜められる最大量には個人差がありますが、成人では200~300mLほどです。健康であっても高齢になると100~150mLほどに減ります。これよりも一回の排尿量が少ない場合は、膀胱にしっかりと尿が溜まる前に排尿してしまっている可能性が高いので、膀胱訓練によって改善を試みるとよいでしょう。
1. 尿意を感じたらすぐに排尿せず5~10分程度我慢をして、膀胱にもう少し尿を溜めます。
2. 少しずつ時間を延ばしていきましょう。
膀胱訓練を始めるときには、排尿した時間や回数をメモしておくと客観的に効果を実感できます。
しかし、排尿の勢いが弱い場合や前立腺肥大症などで残尿感がある場合、今までに膀胱炎になったことがある場合は再発や症状が悪化する危険性があるため、担当の医師に確認してから始めましょう。
「頻尿」の原因や症状はさまざまであり、それぞれに合った対処法を実践することが大切です。原因が「水分の量を多く摂り過ぎている」「コーヒーや紅茶など利尿効果のある飲み物の多飲」といった場合は、生活習慣を見直せば改善する場合もあります。
一方で、頻尿の陰に糖尿病や尿路感染症などの病気が潜んでいる場合もあります。「頻尿でツライ」と感じる場合は、安易に自己判断することなく早めに医療機関へ相談することをおすすめします。自分の頻尿の原因を見つけ、適切な対処や治療をすることで尿意のストレスが軽減されるでしょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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