目次
1.「高齢者」は何歳から?
国連の世界保健機関(WHO)では、65歳以上の人を高齢者と定義しています。
65~74歳までの人を前期高齢者、75歳以上の人を後期高齢者と呼んでいます。
2021年9月15日現在、日本の総人口は1億2522万人に対し、65歳以上の人口は3640万人です。高齢者の割合(高齢化率)は29.1%と、世界で最も高い水準になっています。
みなさんは、高齢者になったらどのような生活を送っていたいですか?
高齢化が進んでいる日本では、QOL(生活の質)が重視されています。これから高齢者が良い人生を送るためには、QOLの関係性を理解しておく必要があります。
今回は、高齢者の定義をはじめ、高齢者とQOLの関係性、QOLを向上するためにできることを紹介します。
歳を重ねても、いつまでも健康でイキイキとした生活を送りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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国連の世界保健機関(WHO)では、65歳以上の人を高齢者と定義しています。
65~74歳までの人を前期高齢者、75歳以上の人を後期高齢者と呼んでいます。
2021年9月15日現在、日本の総人口は1億2522万人に対し、65歳以上の人口は3640万人です。高齢者の割合(高齢化率)は29.1%と、世界で最も高い水準になっています。
高齢者が多い日本では、ただ単に長生きするのではなく、より良く生きることにフォーカスしたQOL(生活の質)の考えが重視されています。
WHOによると、QOLの定義は「個人が生活する文化や価値観のなかで、目標や期待、基準または関心に関連した自分自身の人生の状況に対する認識」です。
つまり、QOLは高齢者自身が生活をしているうえで感じる以下3つの項目によって測ることができます。
・幸福さ
・満足さ
・充実さ
QOLは「身体的・精神的な健康状態」「生活機能」「社会性」の相互に影響し合う3つの要素が統合されたものです。
どのような生活を良い生き方とするかは、個人がそれまでに送ってきた生活や社会的な立場、経済的な背景などにより異なるため、目標に正解はありません。
ここからは、高齢者がQOLを向上させるためにできることを解説します。
高齢者のQOLを高めるには、生活に生きがいを見出すことが大切です。
高齢者は、以下のようなものに生きがいや充実感を得るといわれています。
・家族との団らん
・おいしいものを食べる
・趣味を楽しむ
・興味のあるテレビを見る
・友人と食事や会話
・仕事
・ボランティア など
このような生きがいや充実感を得られるように、リハビリテーションや経済的な支援、生活環境の整備など、高齢者の自立度を高められる環境を提供することも必要です。
生活習慣を整えることも、高齢者のQOL向上につながるといわれています。
そのためにも、まずはしっかりとした食生活を送りましょう。
食事をしっかり摂ることで、栄養バランスを整える、口腔機能を管理する、家族や友人との時間を楽しむなど、多くのメリットを得られます。
特に一人暮らしの高齢者になると、どうしても一人で食事をすることが多くなりがちです。食べる食材が偏り、食欲の低下により栄養不足に陥りやすいため、積極的に家族や友人と食事をする機会を設けましょう。
適度な運動を心がけることも大切です。
日常の活動量が減少すると、身体機能だけでなく生活習慣病の発症などにつながります。活動意欲も低下するため、予防の意味でも適度な運動がおすすめです。
また、ストレスや疲労を溜めないことも重要です。
ストレスや疲労は心の健康に大きく影響します。生活への意欲・関心が低下し、生活を楽しめなくなる原因となります。
さらに、過度なストレスは睡眠障害を引き起こします。生活習慣が悪化し、抑うつ気分や不安などの精神症状が現れる可能性があるため、自分なりのストレス解消法を知っておくようにしましょう。
高齢化が進んでいる日本では、QOL(生活の質)が重視されています。
高齢者のQOLをより良くするには、社会とのつながりを持ち、心身の健康状態と活動量を保持することが大切です。
今回紹介した、QOLを向上させるためにできることを参考に、生きがいや充実感を得られる生活を意識し、生活習慣を整えて健康的な毎日を過ごしましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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