1.カリウムとは?
カリウムは細胞の中に多く含まれるミネラルで、細胞の浸透圧を維持して細胞の機能を調整している生命維持に欠かせない栄養素です。
また、体内からナトリウムを排出する役割を持ち、浸透圧の調節、筋肉を動かすときや神経伝達においても大切な役割を担っています。
人間の体内には120~200gほどのカリウムが存在しています。その多くはタンパク質や遊離イオンと結合した状態で細胞内に存在していますが、血液・リンパ液などの細胞外液や骨にもごく一部含まれています。
カリウムはさまざまな食品に含まれているため、不足することは基本的にありません。
2.カリウムを多く含む食材
では、カリウムはどのような食品に含まれているのでしょうか。
ここでは、100gあたりのカリウム含有量の多い食材を紹介します。
生活習慣病予防を目的とした場合、カリウムの摂取目標量は18歳以上の男性で3000mg、18歳以上の女性で2600mgとされていますので、それぞれの含有量を参考にしてください。
2-1.穀類
-
・米ぬか(1500mg)
-
・全粒粉の強力粉(330mg)
-
・ポップコーン(300mg)
そば粉やライ麦、中華麺、とうもろこし、オートミール、玄米などにも含まれています。
2-2.いも及びでん粉類
-
・蒸し切干のさつまいも(980mg)
-
・フライドポテト(660mg)
-
・電子レンジで調理したじゃがいも(430mg)
こんにゃくやむらさきいもなどにも含まれています。
2-3.砂糖及び甘味類
-
・黒砂糖(1100mg)
-
・黒蜜(620mg)
-
・メープルシロップ(230mg)
和三盆やはちみつにも含まれています。
2-4.豆類
-
・きなこ(2000mg)
-
・乾燥した黄大豆(1800mg)
-
・乾燥あずき(1300mg)
いんげんまめやそらまめ、グリンピース、納豆などにも含まれています。
2-5.種実類
-
・煎り味付けピスタチオ(970mg)
-
・小粒種の煎り落花生(770mg)
-
・乾燥アーモンド(760mg)
バターピーナッツや銀杏、くるみ、ごまなどにも含まれています。
2-6.野菜類
ほうれん草や芽キャベツ、かぼちゃ、たけのこなどにも含まれています。
2-7.果実類
-
・干しぶどう(740mg)
-
・生のアボカド(590mg)
-
・生のバナナ(360mg)
ドライマンゴーや干し柿、メロン、キウイフルーツにも含まれています。
2-8.きのこ類
-
・乾まいたけ(2500mg)
-
・乾しいたけ(2200mg)
-
・乾燥きくらげ(1000mg)
-
・エリンギ(焼き500mg、油炒め380mg)
ぶなしめじやえのきたけ、マッシュルームなどにも含まれています。
2-9.藻類
-
・昆布(8200mg)
-
・干しひじき(6400mg)
-
・乾燥わかめ(5200mg)
あおさや焼き海苔などにも含まれています。
2-10.魚介類
-
・さくらえび(1200mg)
-
・かたくちいわしの煮干し(1200mg)
-
・するめ(1100mg)
-
・かつおの削り節(810mg)
帆立貝柱の煮干しやさわら、あゆ、まぐろなどにも含まれています。
2-11.肉類
-
・ビーフジャーキー(760mg)
-
・豚ヒレ肉(焼き690mg)
-
・ささみソテー(630mg)
ソーセージや鶏のささみ、牛肉などにも含まれています。
2-12.卵類
-
・鶏卵の目玉焼き(150mg)
-
・ゆで卵(130mg)
-
・だし巻き卵(130mg)
鶏卵やうずらの卵にも含まれています。
2-13.乳類
カリウムを含む食材を摂取して健康維持に役立てよう
カリウムは人間の体内で浸透圧の調節や筋肉の収縮、神経伝達において大切な役割を担っている栄養素です。
生活習慣病予防を目的とした場合、カリウムの摂取目標量は18歳以上の男性で3000mg、18歳以上の女性で2600mgとされています。
カリウムが多く含まれている食材は、昆布や干しひじき、乾燥わかめ、乾燥状態の切り干し大根、乾まいたけ、乾しいたけなどが挙げられます。
さまざまな食材に含まれているため、基本的には不足の心配はいりませんが、下痢やたくさん汗をかいたとき、利尿剤を使用しているときなどは注意が必要です。
たくさんの食材から摂取目標量のカリウムを摂って、健康を維持しましょう。
監修者情報
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。