1.ひじきに含まれる栄養素とその働き
まずは、ひじきに含まれているおもな栄養素と、体内での働きを解説します。
1-1.カリウム
カリウムはひじき100g中に6400㎎含まれています。
カリウムはミネラルの一つです。細胞内液の浸透圧を調整する役割を担うほか、ナトリウムを体の外に排出する作用があるため、塩分の摂りすぎを調節することに役立ちます。
1-2.カルシウム
カルシウムは、ひじき100g中に1000㎎含まれています。
カルシウムは体内に最も多く含まれているミネラルで、骨や歯を形成する栄養素です。カルシウムの一部はごくわずかながらカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内に存在し、血液凝固を促して出血を抑えるほか、筋肉の興奮性を抑制する作用もあります。
1-3.マグネシウム
マグネシウムはひじき100g中に640㎎含まれています。
リンやカルシウムとともに骨を形成し、体内のさまざまな代謝をサポートする栄養素です。
1-4.食物繊維
食物繊維はひじき100g中に51.8g含まれています。
食物繊維は、体内の消化酵素で消化ができない栄養素です。便通を整えて便秘を予防するほか、体内の脂質や糖、ナトリウムなどを吸着し、排出する働きがあります。そのため、脂質異常症(高脂血症)や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防や改善の効果が期待されています。
1-5.ヨウ素
ヨウ素はひじき100g中に45000μg含まれています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料で、甲状腺ホルモンが受容体に結合すると糖や脂質、タンパク質の代謝が亢進します。
甲状腺ホルモンは胎児の脳や末梢神経、骨格などの発達や成長を促すなど、成長や神経活動などを活発にする役割があります。
2.ひじきがたっぷりとれるおすすめレシピ
ここからは、ひじきがとれるレシピを3品紹介します。
2-1.ひじきと大豆の簡単煮
【材料】2人分
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・ひじき 15g
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・水煮大豆 70g
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・にんじん 4cm
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・油揚げ 1/2枚
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・サラダ油 大さじ1
【A】
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・水 300ml
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・麺つゆ(3倍濃縮) 50cc
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・しょうゆ 大さじ1
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【作り方】
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1. ひじきは水で10分程度戻し、軽く洗って水気を切ります。
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2. にんじんは2cmの細切りにカットし、油揚げは食べやすい大きさに切っておきましょう。
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3. 鍋にサラダ油を熱し、ひじき、にんじん、油揚げを炒めます。全体に油がなじんだら【A】を加えましょう。煮立ったあと、中火~弱火にして15分程度煮たら完成です。
ひじきの煮物が残ったら、冷凍保存も可能です。
2-2.ひじきの炒り煮
【材料】
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・ひじき(乾燥) 25g
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・油揚げ 1/2枚
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・にんじん 1/4本
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・キャベツ 適宜
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・青じそ 適宜
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・だし汁 1/2カップ
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・酒 大さじ2
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・みりん 大さじ1
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・しょうゆ 大さじ2~2と1/2
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・砂糖 小さじ1
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・サラダ油 小さじ2
【作り方】
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1. ひじきは水で戻してから水気を絞り、にんじんは皮をむいて千切りにします。
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2. 油揚げは熱湯をかけ、油抜きしてから千切りにカットしましょう。
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3. サラダ油を熱し、ひじきとにんじんを炒めます。その後、だし汁、酒、みりん、しょうゆ、砂糖、油揚げを入れ、中火で炒め煮にします。
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4. 汁がなくなり出したら、火を止め、皿に盛り付けましょう。
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5. 細めの千切りにしたキャベツ、千切りにした青じそを盛り合わせたらできあがりです。
2-3.ひじきとツナのマヨネーズサラダ
【材料】2人分
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・ひじき(乾燥) 15g
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・ツナ缶(小) 1缶
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・きゅうり 1/2本
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・玉ねぎ 1/8個
【A】
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・マヨネーズ 大さじ1.5
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・酢 大さじ1
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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【作り方】
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1. 水で戻したひじきをよく水洗いをし、熱湯を回しかけ、粗熱を取っておきます。
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2. 縦半分に切ったきゅうりを薄切りにします。玉ねぎも薄切りにし、それぞれ塩もみをしましょう。
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3. 【A】の材料をよく混ぜ合わせて、汁気を切ったツナ缶、ひじき、玉ねぎ、きゅうりをあえたら完成です。
ひじきの下処理は、サラダ油を熱したフライパンで素早く炒めても大丈夫です。
ひじきを普段の食事に取り入れよう
海藻の一つであるひじきには、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、ヨウ素など、体に必要な栄養素が多く含まれています。
普段、海藻を食べる機会が少ない方は、ひじきを食卓に取り入れてみましょう。
今回紹介したレシピはどれも簡単に作れるため、ぜひ試してみてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医