目次
1.BMIとは?
BMIはボディ・マス指数(Body Mass Index)のことで、国際的に用いられている肥満度を表す体格指数です。
体格指数は体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}で算出できます。日本人の場合、BMIが18.5未満で低体重(やせぎみ)、18.5以上25未満で普通体重(標準)、25以上は肥満とされています。
BMIの数値が22になる体重が、最も病気になりにくいとされています。
高齢者の肥満ややせによる体へのリスクを知っていますか?
高齢者では、加齢にともなう体の変化に加え、食事や運動習慣などの変化の影響を受け、肥満ややせの状態が引き起こされます。
この体の変化は、ときに生活の質に影響するだけでなく、大きな疾患の原因ともなるため、しっかりとした体型の管理が必要です。
今回は、高齢者のBMIの実態や、肥満・やせのリスクについて解説します。
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BMIはボディ・マス指数(Body Mass Index)のことで、国際的に用いられている肥満度を表す体格指数です。
体格指数は体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}で算出できます。日本人の場合、BMIが18.5未満で低体重(やせぎみ)、18.5以上25未満で普通体重(標準)、25以上は肥満とされています。
BMIの数値が22になる体重が、最も病気になりにくいとされています。
それでは、実際に高齢者のBMIはどの程度なのでしょうか。厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査報告」をもとに、60~69歳、70歳以上のデータを男女別に見ていきましょう。
・60~69歳(総数446人):やせ4.0%(18人)、普通60.5%(270人)、肥満35.4%(158人)
・70歳以上(総数618人):やせ4.5%(28人)、普通67.0%(414人)、肥満28.5%(176人)
・60~69歳(総数501人):やせ9.4%(47人)、普通62.5%(313人)、肥満28.1%(141人)
・70歳以上(総数734人):やせ9.7%(71人)、普通63.9%(469人)、肥満26.4%(194人)
参照:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」
以上のデータにより、高齢男性は高齢女性に比べて肥満の人の割合が多く、一方で高齢女性は高齢男性よりもやせている人の割合が多いことがわかります。
高齢者が肥満ややせになると、それぞれどのようなリスクが体に生じるのでしょうか。高齢者だからこそ気を付けるべきポイントを確認していきましょう。
高齢者が肥満になると、体重によって股関節や膝関節への負担が増え、変形性関節炎や腰痛症が引き起こされる可能性があります。
また、心臓の左室肥大や循環血液量、心拍出量の増加によって高血圧が生じたり、代謝系の異常によって糖尿病が発症したりすることもあるため、注意が必要です。
さらに、肥満により運動機能が低下すると、歩行や階段の上り、座位からの起立など日常生活の動作に支障をきたす可能性もあります。
高齢者がやせると、倦怠感や疲労感、めまい、不眠、体温の低下が生じたり、基礎疾患の増悪因子となって抵抗力が低下して感染症になったりすることもあります。
また、栄養障害でやせると、筋力低下や皮膚組織の弛緩などが急速に進行します。ADL(日常生活動作)の低下にもつながり、自立した生活を送ることが難しくなるケースもあるでしょう。
今回は、高齢者のBMIの実態や肥満・やせのリスクについて紹介しました。
肥満・やせは、運動機能の低下により普段の生活に影響を与えるだけでなく、重大な疾患の原因となり、自立した生活を送ることができなくなるケースもあります。
一見、肥満体型の不健康なイメージが先行しがちですが、やせによる健康への影響も改めて考える必要があります。
今回紹介したBMIを求める計算式をもとに、自身の適正体重を知ることから始めてみましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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