目次
1.よく噛むことは厚生労働省も推進
厚生労働省では国民の健康増進を図るため、一口あたり30回以上噛んで食べることを目標とした、「噛ミング30(カミングサンマル)」を推進しています。
噛ミング30とは、食を通して健康寿命を延ばすためには、食育の推進が重要であるという考え方に基づいたものです。
普段食事をする際、噛む回数を意識しているという方はどのくらいいるでしょうか。
最近ではやわらかい食事を好んで食べる傾向があったり、食事にかける時間が少なかったりして、昔よりも噛む回数は減っているといわれています。
しかし、よく噛むことは、体の健康にとって重要です。
今回は、よく噛むことのメリットや噛む回数を増やす方法を紹介します。
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厚生労働省では国民の健康増進を図るため、一口あたり30回以上噛んで食べることを目標とした、「噛ミング30(カミングサンマル)」を推進しています。
噛ミング30とは、食を通して健康寿命を延ばすためには、食育の推進が重要であるという考え方に基づいたものです。
ここからは、「30回噛む」ことのメリットを解説します。
早食いの人は、満腹になるまでに食べ過ぎてしまう傾向があり、肥満になりやすいという研究報告もあります。
よく噛んで食べると、咀嚼の少量の食事でも満腹サインが脳に伝わりやすく、脳内物質の働きによって内臓脂肪の分解を促進します。肥満予防に効果が期待できるため、生活習慣病の予防にもつながります。
よく噛むと唾液の分泌が増え、消化を助ける効果もあります。
唾液は口腔内を清潔に保ち、虫歯や歯周病予防などにつながります。
噛む動きは、あごや口周りの筋肉を動かすため、表情が豊かになり、きれいな発音で話せるようになります。コミュニケーションのためにも、よく噛むことはプラスになることが期待されています。
よく噛むと顔などの骨や筋肉が動き、血流増加につながります。脳に栄養や酸素が行き届いて脳の働きが活発になるため、反射神経や記憶力、集中力、判断力などが向上することが期待できるでしょう。
続いて、日常生活で噛む回数を増やす方法について、食事や調理の観点からお伝えします。
まずは、よく噛むための食べ方のポイントを紹介します。
硬い食べ物は、噛む回数が自然と増えるため、食物繊維の多い根菜・豆・きのこ類や、イカやタコなど、歯ごたえがあり弾力性のあるものを食べるとよいでしょう。
口いっぱいに食べ物を詰め込むのを避け、一口分の量を少な目にして噛む回数を増やしましょう。
テレビやスマートフォンを見ながらの“ながら食事”は、噛むことに集中できないため、食べすぎにもつながります。
一口食べたら箸をおくように意識すると、噛む回数も増え早食いも防げます。
次に、よく噛んで食べるための調理のポイントを紹介します。
食材を大きめに切ったり、少し硬めの状態で茹でたりすると、よく噛まないと飲み込めないため、自然と噛む回数が増えます。
調理方法を煮物よりも焼き物にしたり、生野菜にしたりすることで、噛む回数が増えるでしょう。
薄味にすると食材の味を味わおうとするため、よく噛むようになるといわれています。
よく噛んで食べることは、肥満防止に効果的なだけでなく、唾液の分泌が増えて口腔内の健康を保ったり、脳細胞の働きを活発にしたりすることにもつながります。
しかし、噛むことの大切さがわかっていても、一口30回ずつ意識して噛むことはなかなか大変でしょう。
そこで、自然と噛むように食事内容を工夫することをおすすめします。
硬くて噛みごたえのある食材を選んだり、食材を大きめにカットしたりすることで噛む回数が増えます。
今回紹介した、噛む回数を増やすポイントを参考にして、健康寿命を伸ばしましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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