GI値の低い食べ物にはどのようなものがある?
GI値の意味とともに紹介

食後の血糖値の上昇率を表すGI値。血糖値が急上昇したり急降下したりする「血糖値スパイク」は、健康リスクを高める原因です。特にメタボリックシンドロームが気になる方は、GI値の低い食べ物を食べるように推奨されています。

血糖値が気なる方は、GI値の低い食べ物を知っておきたいですよね。
そこで今回は、GI値の意味やGI値の低い食べ物について詳しく解説します。

1.GI値とは?

GIはglycemic index(グリセミック・インデックス)の略称です。GI値とは、食事をしたあとの血糖値の上昇率を表します。
具体的には、ブドウ糖を摂取したあとの血糖値の上昇を100と設定し、食品によって血糖値の上昇率を数値化しているのです。

そのため、GI値が高い食べ物ほど急速に血糖値が上がります。

食後の血糖値の急上昇や急降下は血糖値スパイクと呼ばれ、血管にダメージを与える原因です。
血管のダメージは血管の詰まりを起こす危険性を高め、重篤な病気を引き起こすケースがあります。

血糖値スパイクは、次のような方に起こりやすいとされており、注意が必要です。

  • ・炭水化物メインの食事が多い

  • ・早食いの習慣がある

  • ・運動をする習慣がない

  • ・血縁関係のある親族に糖尿病患者がいる

食べる順番や食生活を改善することで、血糖値の急上昇を予防できます。

血糖値の急上昇を防ぐためには、タンパク質や脂質、食物繊維を含むおかずと野菜を最初に食べる方法がおすすめです。そうすることで、炭水化物の消化吸収が穏やかになり、血糖値の上昇スピードも緩やかになります。

なお、朝食を食べずにいきなり昼食を食べると血糖値が急上昇するため、なるべく3食しっかり摂ることを心がけましょう。

また、炭水化物ばかり摂ることは控え、バランスの良い食生活を実践することが大切です。

2.GI値の低い食べ物が注目される理由

GI値の低い食べ物は、メタボリックシンドロームの方にとって有効です。

血糖値が急上昇すると、膵臓でインスリンと呼ばれる、血糖値を下げて脂肪を作るホルモンが過剰に分泌されます。

インスリンが多く分泌されることで脂肪細胞が肥大化し、内臓脂肪が増加することでメタボリックシンドロームになりやすくなります。

さらに、血糖値の乱高下は血管へのダメージにもなってしまうため、血管が詰まる可能性が高まります。

一方で、GI値が低い食べ物はインスリンの過剰分泌を防止することで、脂肪細胞の肥大化も防ぐのです。

そのため、メタボリックシンドロームの予防にも良いとされています。

3.GI値の低い食べ物

GI値の低い食べ物が注目されているとわかったところで、ここからはGI値の低い食べ物についてご紹介します。

GI値は食べ物によって異なりますが、食物繊維が豊富な食品は、GI値が低い傾向にあります。
また、「炭水化物+食物繊維」という食べ方をすることでインスリンの分泌を最小限にする効果が期待できるため、次のような野菜と炭水化物を一緒に食べることをおすすめします。

※()内は食品100gあたりのブドウ糖を100とした場合の血糖上昇率

  • ・葉野菜(15)

  • ・ブロッコリー(25)

  • ・たまねぎ(30)

  • ・サツマイモ(54)

また炭水化物である穀類・パン・麺類などでも、次の食べ物が比較的GI値が低い傾向にあります。

※()内は食品100gあたりのブドウ糖を100とした場合の血糖上昇率

  • ・はるさめ(32)

  • ・オールブラン(45)

  • ・玄米(56)

  • ・ライ麦パン(58)

  • ・日本そば(59)

  • ・スパゲッティ(65)

しかし、これらの食べ物のGI値は、一緒に食べる物や料理の仕方によって異なります。

また、いくらGI値が低い食べ物でも、一回の食事で過剰に摂取すると血糖値を急上昇させ、インスリンの過剰分泌を促すため注意が必要です。

さらにGI値を抑えたい場合は、しっかり噛んで食べることをおすすめします。

低GI食品を意識的に摂取し健康な毎日を送ろう

血糖値が気になる方は、GI値の低い食べ物を積極的に摂取しましょう。しかし、一度に食べ過ぎると、GI値が低い食べ物でも血糖値の急上昇を招くため注意が必要です。

また、血糖値の急上昇を抑えるためには、規則正しい食生活と食べる順番、食べ方も重要なポイントです。特に欠食は血糖値を急上昇させる原因になります。さらに食物繊維と炭水化物を一緒に食べることで、インスリンの分泌量を抑えることができます。

GI値を抑えるように食事を改善して、いつまでも健やかな毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。