1.ウォーキングの健康効果について
ウォーキングは健康に良いというイメージがありますが、具体的にはどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、ウォーキングのメリットと、健康に与える影響を紹介します。
1-1.ウォーキングとは
ウォーキングは歩行による有酸素運動であり、継続して取り組むことで健康の維持や生活習慣病予防につながります。歩くスピードや運動時間などを調節しやすいため、年齢を問わずに取り組める運動です。
ジョギングと比べると膝や腰への負担も少なく、ケガのリスクも少ないため老若男女に人気があります。精神的な負担も軽いため、何か運動習慣をつけたいと考える人にとっても始めやすい運動の一つでしょう。
1-2.ウォーキングに期待できる健康効果
有酸素運動は、運動時間に合わせて体内にある脂肪の消費率が高まります。そのため、ウォーキングの継続は、肥満の解消や中性脂肪の減少に効果的です。ほかにも、血圧・血糖値・心肺機能の改善にもつながります。
また、高齢者は健康を保つために、毎日体を40分以上動かすことに加え、1回30分以上のウォーキングをはじめとする運動を、少なくとも週2日取り組むことが必要です。運動の継続によって、全身の持久力や筋力の維持および向上のほか、ロコモティブシンドロームなどの改善が期待されています。
さらに、やや速めのウォーキングは膝を支える筋肉を強くするため、膝の関節痛の予防にも効果的です。膝に負担がかからないように気を付けながら、無理のない範囲でウォーキングに取り組んでみましょう。
ウォーキングの健康効果を得るためには、日々の習慣とすることが大切です。継続できる工夫として、歩数計で毎日の記録をつけたり、音楽を聴きながら歩いたりするなど、楽しみを作るとよいでしょう。
2.膝が痛い人におすすめのウォーキングのコツ
ウォーキングは、ジョギングに比べると膝への負担は少ないものの、誤った方法では膝を痛めることもあります。ここでは、膝に痛みがある人が適切にウォーキングを行なう際の注意点を紹介します。
2-1.靴はクッション性の高いものを選ぶ
膝への負担を減らしながらウォーキングに取り組むには、靴選びが大切です。底が厚く、クッション性の高い靴を使用しましょう。
その他、太っている人がウォーキングを始める場合は、適度な減量も膝への負担の軽減につながります。
2-2.膝を冷やさない
温めると膝の血行が良くなり、膝への負担がやわらぎます。寒い日にウォーキングをするときは、膝にサポーターを付けるなどして冷やさないように心がけましょう。
ウォーキングは膝の痛みの予防に効果的ですが、関節の痛みや持病などがある場合は、主治医の指導に従ったトレーニングが必要です。現在、膝や腰に不安がある人は、ウォーキングを始める前に主治医に相談しましょう。
膝が痛いときはウォーキング方法を工夫して健康を維持しよう
ウォーキングは運動を始めたいと考える人にとって、気軽に取り組みやすい運動です。有酸素運動の一つであり、継続すると健康の維持や生活習慣病予防につながります。
このように、ウォーキングは健康維持に効果的な運動ですが、痛みがある人は膝に負担がかかりすぎないよう工夫をしましょう。
健康の維持のため、無理のない範囲でウォーキングを生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
監修者情報
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。