アルコールを摂取するメリットとは?
お酒を飲む際のポイントについて解説

飲み会の場や、自宅でもお酒を飲むことが好きという人は少なくないでしょう。アルコールは適度な量であれば、気持ちをリラックスさせるなどのメリットが期待されています。

ほかには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、アルコールを摂取するメリットや、お酒を飲むときの注意点について解説します。

1.飲酒(アルコール)のメリット

飲酒には、デメリットもあればメリットもあります。まずは、適度な量のアルコール摂取により、もたらされるメリットについて解説します。

1-1.食欲増進

適量のアルコールの摂取は胃液の分泌を促し、消化を助けます。そのため、食欲増進につながります。

1-2.血行促進

適量の飲酒によって、血行促進が期待されます。

1-3.ストレスの緩和

適量のアルコールの摂取は心の緊張をほぐし、ストレスを緩和することにも役立つとされています。

1-4.コミュニケーションに役立つ

歓迎会・送迎会、冠婚葬祭など、特別な会にお酒は欠かせないものといえるでしょう。

適量のアルコールの摂取には、会話を増やす効果が期待できます。お酒とともにおいしい食事を楽しむことは、人間関係を円滑にするのに役立ちます。

2.お酒を飲む際のポイント

先述のとおり、適度な量の飲酒にはさまざまなメリットがありますが、注意点もあります。では、お酒を飲むときにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

2-1.節度ある適度な飲酒量にとどめる

厚生労働省が推進する健康施策「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒量」として、一日あたりの純アルコール摂取量を平均20gほどとしています。

なお、お酒に含まれる純アルコール量は種類によって異なります。飲酒量をコントロールできるようにするためにも、どのお酒にどれぐらい純アルコールが含まれているかを知っておくとよいでしょう。

純アルコール20gに相当するお酒の量は、以下のとおりです。

  • ・ビール(5%):500ml

  • ・日本酒:180ml(1合)

  • ・ウィスキー:60ml(ダブル1杯)

  • ・焼酎(25度):100ml(グラス1/2杯)

  • ・ワイン:200ml(グラス2杯弱)

  • ・チューハイ(7%):350ml(缶1本)

2-2.一気飲みはしない

大量のアルコールを短い間に摂取する「一気飲み」は、血中のアルコール濃度を急激に上げることにつながり、急性アルコール中毒を招く危険性があります。

その結果、いきなり泥酔や昏睡に陥って、呼吸困難などを引き起こすことになりかねません。状態によっては、命にかかわるおそれもあります。

また、お酒の席で無理にお酒を飲ませるような行為(アルコールハラスメント)はやめましょう。誰かに一気飲みをさせようとする人がいたら、止めることが大切です。

2-3.週2日は休肝日を作る

毎日のように飲酒をすると、肝臓に負担がかかります。肝臓や胃腸などの機能回復のためには、週2日は休肝日を設けるとよいでしょう。

休肝日を設ける際には、週5日続けて飲酒したあとに2日間休むよりも、2~3日続けて飲酒したら1日は休肝日にするのが大切です。

休肝日の設置には、アルコール依存症などのリスクを抑える効果も期待できます。

アルコール依存症とは、長期間継続してたくさんのお酒を飲んでいるうちに、我慢しようとしても飲まずにはいられなくなり、お酒に依存にしてしまうことです。

休肝日を自分で設定すれば、飲酒しないという自分の意思確認につながり、アルコール依存症に陥りづらくなるでしょう。

アルコールを飲む際は節度ある量を心がけましょう

アルコールは適量の摂取であれば、食欲増進や血行促進、ストレス緩和などの体へのメリットだけでなく、人との円滑なコミュニケーションにも役立ちます。

ただし、一気飲みをすると急性アルコール中毒を引き起こすこともあるため、飲み方には注意が必要です。肝臓や胃腸などの修復のためにも、休肝日を週2日設けるようにしましょう。

アルコールを摂取する際は、節度ある適度な飲酒量を心がけるために、ぜひ今回紹介した種類ごとの目安量を参考にしてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。