さわら(鰆)はDHAが豊富な魚|おすすめ料理レシピを紹介

さわらはさまざまな調理法で食べられる魚で、人間の健康を維持するために欠かせない成分の一つであるDHAをはじめ多くの栄養素を含んでいます。

今回の記事では、さわらに含まれる栄養について解説し、さわらのおすすめレシピを3つ紹介します。さわらの健康パワーについて知り、イキイキとした毎日に役立てましょう。

1.さわらはDHA・ビタミンDが豊富

健やかさを保つために必要な栄養素にDHAやビタミンDがありますが、この2つを豊富に含む食材に「さわら」があります。

ここでは、DHAやビタミンDの働きを解説するとともに、さわらに含まれるそれぞれの成分量をご紹介します。

1-1.DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚などに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸です。さばやいわしといった青魚をたくさん食べて大きくなるさわらもDHAを多く含みます。

DHAはヒトの体で作り出すことはできませんが、健康の維持に欠かせない必須脂肪酸の一種です。近年では「サラサラ成分」として、仕事や勉強に励みたい方や生活習慣が気になる方に注目されています。

ちなみに、さわらには可食部100gあたり1100mgのDHAが含まれています。

1-2.ビタミンD

ビタミンDは、油に溶けやすい性質をもつ脂溶性ビタミンの一種です。「カルシフェロール」とも呼ばれ、カルシウムとリンが体に吸収されるのをサポートします。

ビタミンDの多くが日光の作用によって生成されるため「日光のビタミン」の別名を持ちます。

18~69歳における、一日のビタミンD摂取推奨量は5.5μgです。さわらは、可食部100gあたり12.0μgのビタミンDを含んでいます。

2.さわらの旬はいつ?

さわら(鰆)は「魚へん」に「春」という漢字のとおり、春に旬を迎える魚です。昔から、さわらを身近な食材として扱ってきた瀬戸内海地方では「さわらが来ないと春が来ない」ともいわれるほどです。一方で冬もおいしく、「寒さわら」という呼び名もあります。

さわらは刺身で食べることもできますが、身がやわらかく傷みやすいため、多くの地域では焼き、蒸し、揚げなどで料理を楽しみます。

DHAやビタミンD以外にも、さわらは良質のタンパク質を含み、タウリン・カリウムも多く含んでいます。栄養素が豊富な食材・さわらをさまざまな調理法で味わってみましょう。

3.DHAを豊富に含むさわらのおすすめレシピ

DHAやビタミンDなどの栄養素を多く含むさわらを食事に取り入れて、健康に役立てましょう。ここではさわらの風味を楽しめるメニューを3品紹介します。

3-1.さわらの黒酢あんかけ

まず紹介するレシピは、人参やパプリカなど色鮮やかさで見た目も楽しませてくれる「さわらの黒酢あんかけ」です。揚げるのが苦手な方は、揚げ焼きにしてもよいでしょう。

【材料】2人分

  • ・さわら 2切れ

  • ・塩 適量

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・にんじん 4cm

  • ・赤パプリカ 1/4個

  • ・絹さや 5枚

  • ・片栗粉 大さじ1

  • ・揚げ油 適量

  • ・水溶き片栗粉 適量

(A)

  • ・黒酢 大さじ2

  • ・砂糖 大さじ2.5

  • ・しょうゆ 大さじ1

  • ・水 50ml

  • ・鶏ガラスープの素 小さじ1/3

【作り方】

  • 1.さわらを2~3等分に切り分け、軽く塩を振ったら10分くらい置きます。

  • 2.野菜を細切りにします。

  • 3.さわらの水気を拭き取ります。片栗粉をまぶしたあと、170度の油でカラッと揚げます。

  • 4.鍋に細切りにした野菜と(A)を加えて、火が通るまで中火で煮たら、とろみをつけるために水溶き片栗粉を入れます。

  • 5.揚げたさわらを皿に盛り付け、4をかけて完成です。

3-2.さわらの唐揚げ ねぎソース

しょうがと青ねぎの香味ソースがかかった、さわらの唐揚げはお酒にもよく合う一品です。食べる直前にねぎソースをかけましょう。

【材料】2人分

  • ・さわら 2切れ

  • ・塩 適量

  • ・酒 大さじ1/2

  • ・青ねぎ 5本

  • ・しょうが 1/2片

  • ・片栗粉 適量

  • ・揚げ油 適量

  • ・サラダ菜 適量

(A)

  • ・酢 大さじ1.5

  • ・砂糖 大さじ1

  • ・水 大さじ1

  • ・しょうゆ 小さじ2

  • ・塩 適量

  • ・ごま油 大さじ2/3

【作り方】

  • 1.骨を取り除いたさわらを4~6等分に切り分けて、塩と酒で下味をつけます。

  • 2.青ねぎは小口切りにして、しょうがはすりおろします。

  • 3.青ねぎとしょうがに(A)を加えて混ぜ、ねぎソースを作ります。

  • 4.さわらの水気を拭き取ったら、片栗粉をまぶして170度の油で揚げます。

  • 5.サラダ菜を敷いた器に揚げたさわらを盛り付け、上からねぎソースをかけて完成です。

3-3.さわらのポン酢バター焼き

ポン酢とバターを使い、香ばしいかおりが食欲をそそる一品です。フライパン1つで作れる簡単レシピです。

【材料】2人分

  • ・さわら 2切れ

  • ・ピーマン 3個

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

  • ・小麦粉 適量

  • ・サラダ油 大さじ1/2

  • ・バター 10g

  • ・ポン酢 大さじ2

【作り方】

  • 1.塩・こしょうで下味をつけたさわらに、薄く小麦粉をまぶします。

  • 2.ピーマンを一口サイズにカットします。

  • 3.サラダ油を熱したフライパンでさわらを焼きます。片面が焼けたらひっくり返してピーマンを加え、さわらに火が通るまでさらに加熱します。

  • 4.バターとポン酢を入れて、全体にからめて完成です。

DHAが豊富でおいしいさわらを食卓に加えましょう

さわらはDHAやビタミンDをはじめ、栄養が豊富な食材です。DHAはサラサラ成分として、ビタミンDはリンやカルシウムの吸収サポートとして健康維持に役立ちます。

さわらは春が旬の魚ですが、冬のさわらも脂がのっておいしいと評判です。上手に調理して、栄養たっぷりのさわらをおいしく楽しみましょう。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。