1.胃や腸に優しい食べ物
胃腸には、食べ物を消化・吸収して栄養を摂取し、体内の老廃物を排泄するという大切な働きがあるため、不調になると健康状態に多大な影響をおよぼします。
胃腸の調子が悪くなる要因は、食べすぎや早食い、食事内容の偏り、風邪やストレスなどさまざまです。不調を感じたときには、なるべく消化の良い食事をとるようにしましょう。
胃腸に負担が少なく、消化の良い食品例を以下に挙げます。消化が良い食品は、脂肪分が控えめで、食物繊維が少なくやわらかいことが特徴です。
1-1.穀類
おかゆ、食パン、うどん、そうめんなどは消化に良い食品とされています。
1-2.肉類
肉類では、鶏皮のない肉やささみなど、脂肪分の少ないものがおすすめです。
1-3.魚介類
魚介類では、たいやかれい、たらなどの白身魚を、煮たり蒸したりして調理しましょう。
1-4.野菜・果物
野菜は食物繊維が少なくやわらかい、じゃがいも・かぼちゃ・にんじん・玉ねぎ・かぶ・大根・ほうれん草・キャベツ・白菜などが適しています。また、種を取り除いたトマトや、皮をむいたナスなどもよいでしょう。
これらの野菜を、煮浸しや煮物などにするのがおすすめです。
果物では、りんごやバナナなどをとるとよいでしょう。
1-5.乳製品
牛乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、チーズなどが良いとされています。
1-6.大豆製品
大豆製品では、ひきわり納豆や豆腐などがおすすめです。豆腐は湯豆腐にするとよいでしょう。
2.お腹をいたわる食生活・生活習慣とは?
ここからは、胃腸の調子が悪いときに注意したい、食事や生活習慣のポイントについて解説します。
2-1.食生活
胃腸の調子が良くないときには、以下のような食品を避けるようにしましょう。
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消化が悪い食品
消化が悪い食品は、脂肪分が多いことや、食物繊維が多く硬いことなどが特徴です。食品例としては、山菜・ごぼう・たけのこ・こんにゃく・海藻・いか・たこなどが挙げられます。
これらの食品をとる場合は、小さめにカットしたり、やわらかく煮たり、少なめの油で調理したりと工夫をしましょう。
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刺激の強い食品
刺激が強い食品とは、わさびやからし、カレー粉などの香辛料、酢やかんきつ類などの酸味が強いもの、味が濃すぎるもの、熱すぎたり冷たすぎたりするものなどです。
これらを摂取すると、胃腸が刺激されて消化液の分泌が促されてしまいます。消化液の過剰分泌は胃腸の不快感を引き起こしやすいため、胃腸の調子が良くないときには、できるだけ控えるようにしましょう。
2-2.生活習慣
胃腸の調子は、普段の生活習慣が影響しやすいとされています。以下に挙げるポイントに気を付けましょう。
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・栄養バランスの整った食事をとる
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・食べすぎを避ける
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・寝る前は食事を控える
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・適度に運動を行なう
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・喫煙を控える
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・しっかりと睡眠をとる
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・規則正しい生活を意識する
上記のように、生活習慣に気を付けて過ごしていても胃腸の不調が続く場合は、医師への相談も検討してください。
胃と腸に優しい食べ物をとってお腹をいたわりましょう
胃腸の調子が悪いときには、なるべく消化に良い食事をとりましょう。具体的には、脂肪分が少ない食品や、食物繊維が少なくやわらかい食品がおすすめです。
逆に、脂肪が多い食品や食物繊維が硬い食品は消化に悪いため、なるべく避けてください。
胃腸の調子を整えるには、バランスの良い食事や適度な運動、生活習慣の改善も大切です。おいしく食事をとるためにも、日頃から胃腸をいたわる生活を心がけましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。