口内炎はビタミン類の不足が原因?
口内炎予防におすすめのビタミン類と食べ物を紹介

一口に口内炎といっても、種類や要因はさまざまです。

なかでもよく見られる「アフタ性口内炎」は、ビタミン類の不足など、栄養バランスの乱れが一因と考えられます。

今回は、口内炎を引き起こす要因や、口内炎予防におすすめのビタミン類と食べ物について紹介します。

1.口内炎を引き起こす要因とは?

「口内炎」は、口の中の粘膜に起きる炎症の総称で、引き起こされる要因によっていくつかの種類に分けられます。なかでも代表的なのが、「カタル性口内炎・アフタ性口内炎・ウイルス性口内炎」の3つです。

それぞれの口内炎の要因は、次のとおりです。

種類 おもな要因
カタル性口内炎 ・頬の内側を噛んでできた傷
・かぶせ物・入れ歯・矯正装置が粘膜に触れてできた傷
・飲食物によるやけど
・薬品による刺激
アフタ性口内炎 ・栄養バランスの乱れ
・精神的ストレス
・疲労
・睡眠不足
ウイルス性口内炎 ・カンジダ菌
・単純性ヘルペスウイルス

上記の要因のほか、口の中の粘膜が薄いと口内炎になりやすい可能性があります。また、特定の物を口に入れると口内炎になるアレルギー体質の方もいるでしょう。

なお、口内炎は1~2週間程度で自然に治るのが一般的です。1カ月以上治らない場合などは、専門の医師に相談しましょう。

2.よく起こるアフタ性口内炎はビタミン不足が関係している

口内炎のなかでも多く見られるのが、アフタ性口内炎です。

前述したとおり、アフタ性口内炎には栄養バランスの乱れが関係しており、特にビタミンB群や鉄分が不足すると、口内炎を発症しやすくなることがわかっています。

そのため口内炎に悩んでいる場合は、食生活を見直したり、サプリメントを摂取したりして、ビタミンB群などの不足を補うのがおすすめです。

3.口内炎予防におすすめのビタミン類と食べ物

口内炎を予防するためには、ビタミンB群(ビタミンB2や・ビタミンB6)、ビタミンAが不足しないよう、しっかりと摂取するのがおすすめです。ここでは、それぞれのビタミンの特徴や、ビタミンを豊富に含む食べ物の例を紹介します。

3-1.ビタミンB2

ビタミンB2は、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きがある水溶性ビタミンです。ビタミンB2が不足すると、口内炎のほか、口角炎・舌炎・角膜炎などの原因になります。

ビタミンB2を豊富に含む食べ物の例は、次のとおりです。

  • ・干しのり

  • ・パセリ(乾燥)

  • ・まいたけ(乾燥)

  • ・アーモンド

  • ・わかめ(乾燥)

3-2.ビタミンA

ビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがある脂溶性ビタミンです。細菌に対する抵抗力がつくため、口内炎予防にも適しています。

ビタミンAを豊富に含む食べ物の例は、次のとおりです。

  • ・うなぎ(かば焼き)

  • ・ほたるいか

  • ・チーズ

  • ・鶏卵

  • ・にんじん

3-3.ビタミンB6

ビタミンB6は、免疫機能の維持のほか、皮膚の抵抗力の増進や赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成、脂質の代謝などに関与する水溶性ビタミンです。ビタミンB6が不足すると、口内炎・口角炎・舌炎・皮膚炎・貧血といった症状が現れる可能性があります。

ビタミンB6を豊富に含む食べ物の例は、次のとおりです。

  • ・バナナ(乾燥)

  • ・ブロッコリー

  • ・鶏むね肉

  • ・マグロ

  • ・ししとう

ビタミン類を含む食べ物や口内環境を整えて口内炎を予防しましょう

口内炎のなかでもよく見られるアフタ性口内炎は、ビタミンの不足が関係しています。

食事は主食・主菜・副菜を基本とし、今回紹介したビタミンB2・ビタミンA・ビタミンB6などの栄養素を含む食べ物を積極的に摂りましょう。併せて、口の中を清潔に保ち、細菌が繁殖しにくい口内環境を整えることも大切です。

口内炎を発症したら、食事を中心に、日頃の生活習慣を見直すきっかけにしてください。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医