1.卵に含まれる栄養素
卵には、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルといったさまざまな栄養素が含まれています。各栄養素の特徴を見ていきましょう。
1-1.タンパク質
タンパク質は、臓器や筋肉など体を作る栄養素です。酵素やホルモンとして、体の機能を調節する大切な役割があります。
タンパク質が不足すると、筋力が低下したり、免疫機能が低下したりします。
1-2.脂質
脂質は、体のエネルギー源になる栄養素です。体を寒さから守る働きや、脂溶性ビタミンの吸収を促す働きもあります。
特に高齢者は脂質が不足すると、疲れやすくなったり、抵抗力が弱まったりする可能性があるため、注意が必要です。
1-3.ビタミン
ビタミンは、体の機能を適切な状態に保つ栄養素です。卵からは、ビタミンC以外のビタミンを摂取できます。
ビタミンが不足すると、目や皮膚の粘膜が乾燥する、カルシウムが吸収されにくくなる、免疫機能が低下するなどさまざまな影響があります。
1-4.ミネラル
ミネラルは、体のさまざまな機能を調節・維持する栄養素です。
ミネラルが不足すると、筋肉のけいれんや免疫機能の低下、不安感・疲労感などが起こりえます。体内では作られないため、食べ物から摂取しなければなりません。
2.栄養価の高い卵の食べ方とは?
卵は、ゆで卵にして食べるのが最も栄養価が高いとされています。なぜなら、加熱温度が低く、栄養が失われにくいからです。
また、加熱温度がやや低い茶碗蒸しも、水溶性ビタミンの損失が少ないでしょう。
一方、卵を生のまま食べるのは、栄養価を考えるとあまりおすすめできません。タンパク質を吸収するには「トリプシン」などの酵素が必要ですが、生卵にはトリプシンに抵抗する物質が含まれるため、タンパク質が吸収されにくくなります。
3.栄養価が高い卵を使ったレシピ
今回は、卵を使ったおすすめのレシピを3つ紹介します。
3-1.二色茶碗蒸し
2色プリンのようにきれいな見た目で、おもてなしにもぴったりなレシピです。
【材料】(2人分)
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・ えんどう豆(さやから出したもの) 100g
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・ たけのこ(水煮でも可) 1/2個
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・ ささみ 50g
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(卵液)
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・ 卵 1個
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・ だし汁 100cc
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・ 薄口しょうゆ 小さじ1
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・ みりん 小さじ1
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・ 塩 少々
【作り方】
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1. えんどう豆を塩ゆでし、水気を切ります。トッピング用のえんどう豆を除き、全量をミキサーでペースト状にして、裏ごしします。ミキサーにかけるときに水分が足りない場合は、卵液用のだし汁を少し足しましょう。
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2. だし汁・しょうゆ・みりん・塩を小鍋に入れてひと煮たちさせ、冷まします。たけのこはゆでてアクを抜いてから一口サイズに切り、ささみは生のまま一口サイズに切ります。
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3. たけのことささみを皿の中心に入れ、具材が隠れるくらいの高さまで卵液を流し入れたら、2分ほど強火で蒸します。
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4. 残りの卵液に、ペースト状にしたえんどう豆を入れて混ぜ合わせます。蒸している卵液が固まってきたら上から流し入れ、8分ほど蒸します。
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5. 竹串で刺した際に出てくるだし汁が透明になったら、トッピング用のえんどう豆をのせて完成です。
3-2.豆腐で玉子のヘルシーオープンサンド
粗挽き黒こしょうがきいた、白ワインにも合う大人のレシピです。
【材料】(2人分)
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・ 絹こし豆腐 150g
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・ 卵(固ゆで) 1個
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・ クリームチーズ(室温) 15g
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・ パセリ(みじん切り) 小さじ1
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・ 塩 少々
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・ 粗挽き黒こしょう 少々
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・ バゲット 9cm
【作り方】
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1. キッチンペーパーに絹こし豆腐を包んでザルに入れ、よく水を切ります。固ゆでにした卵はみじん切りにします。
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2. 水切りした豆腐を手で崩しながらボウルに入れ、そこにみじん切りにした卵・クリームチーズ・パセリ・塩・粗挽き黒こしょうを入れて混ぜます。
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3. バゲットは1.5cm幅に切り、2を6等分にしてのせます。上から粗挽き黒こしょうをかけて、皿に盛ったら完成です。
3-3.ブロッコリーとゆで卵のホクホクじゃがいもサラダ
ブロッコリーやじゃがいもには、卵にないビタミンCが豊富に含まれます。ゆで卵をブロッコリーやじゃがいもと組み合わせることで、さらに栄養価を高められるレシピです。
【材料】(2人分)
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・ ブロッコリー 70g
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・ じゃがいも 1個(120g)
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・ 卵 1個
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・ マヨネーズ 大さじ2
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・ 塩 適量
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・ こしょう 適量
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・ サラダ菜 適量
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・ プチトマト 1個
【作り方】
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1. ブロッコリーを小房に分けて硬めにゆでたら、冷水に浸けて水気を切ります。じゃがいもは皮をむいてから1㎝角に切り、やわらかくなるまでゆでます。
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2. 卵は7分ほどゆでて、やや半熟にします。冷水に浸けたら殻をむき、6等分のくし切りにします。
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3. 1のブロッコリーとじゃがいも、2の卵をボウルに入れ、マヨネーズであえます。塩・こしょうで味を調整したら、器に盛り付けて完成です。
栄養豊富な卵を健康づくりに活用しましょう
卵には、食物繊維とビタミンC以外のほとんどの栄養素が含まれています。
卵は今回紹介したレシピのように、さまざまな食材と組み合わせやすいため、食物繊維やビタミンCを摂取できる食材と一緒に調理するとよいでしょう。
できれば生のままではなく、ゆで卵や茶碗蒸しなどにして卵をおいしく食べ、健康づくりに活かしてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医