1.口内炎のときに避けたほうが良い食事
口内炎になると、炎症部分に刺激痛をともなったり、食べ物や飲み物がしみて痛みを感じたりします。そのため口内炎のときは、以下のような刺激が強い食事内容は避けましょう。
避けたほうが良いもの |
具体例 |
香辛料(唐辛子・胡椒・カレー粉など)が効いている食べ物 |
カレー・キムチ |
酸味が強い食べ物 |
酢の物・トマト・イチゴ・レモン・キウイフルーツ |
酸味が強い飲み物 |
オレンジジュース・グレープフルーツジュース |
固くて乾燥している食べ物 |
せんべい・クラッカー・トースト・フランスパン |
弾力がある食べ物 |
塊肉・イカ・タコ・こんにゃく・かまぼこ |
口に貼り付く食べ物 |
のり・餅・きな粉 |
ぱさぱさ・ポロポロとした食べ物 |
おから・焼き芋・そぼろ肉・炒飯・ピラフ |
2.口内炎のときに摂りやすい食事
口内炎のときに摂りやすいのは、柔らかくなめらかなものや、水分が多いものです。
具体的な食事内容の例は、次のとおりです。
摂りやすいもの |
具体例 |
食べ物 |
煮込み料理・あんかけ料理・ゼリー寄せ・おかゆ・冷や奴・バナナ・アイスクリーム・プリン・ゼリー |
飲み物 |
牛乳・ミルクシェーク |
ただし、上記の食事内容でも、塩分や酸味が強いものは刺激が強く適していません。また、熱い食べ物は避ける、または人肌程度の温度に冷ましてから食べるようにしてください。
自分で調理する際は、以下のように、食事の口当たりを和らげる工夫をしましょう。
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・皮をむく
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・一口大に切る
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・薄く・細かく刻む
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・隠し包丁を入れる
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・煮る・蒸す・ゆでる
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・とろみをつける
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・裏ごしする
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・ミキサーにかける
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・ソースを添える
3.口内炎のときに摂りたい栄養素
口内炎のときに摂りたい栄養素は、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがある、ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンCです。特に、ビタミンB2やビタミンB6が不足すると口内炎や口角炎を起こしやすいため、積極的に摂るとよいでしょう。
また、亜鉛も皮膚や粘膜の健康維持をサポートしてくれる栄養素です。亜鉛などのミネラルは体内で合成できないため、食事から摂る必要があります。
ビタミンB2・ビタミンB6・亜鉛を豊富に含む食品の例は、次のとおりです。
栄養素 |
具体例 |
ビタミンB2 |
・納豆 ・玉露(浸出液) ・グリーンアスパラガス(ゆで) ・そらまめ(ゆで) ・スイートコーン(電子レンジ調理) ・アボカド ・牛乳 ・鶏卵(ゆで) |
ビタミンB6 |
・バナナ ・西洋かぼちゃ(ゆで) ・アボカド ・びんながまぐろ(生) ・くろまぐろ(赤身・生) ・めばちまぐろ(赤身・生) ・かつお(生) |
亜鉛 |
・がんもどき ・マカロニ(ゆで) ・スパゲッティ(ゆで) ・ピュアココア ・そらまめ(ゆで) ・スイートコーン(電子レンジ調理) ・そば(ゆで) |
口内炎になったら刺激の弱い食事で必要な栄養素を摂りましょう
口内炎になったら、香辛料が効いているものや酸味が強いものなど、刺激が強い食事はできるだけ避けましょう。今回紹介した、口内炎のときに摂りやすい食事内容・調理方法を参考に、症状に合わせて食べ方を工夫してみてください。
栄養素の面では、ビタミンB2・ビタミンB6・亜鉛を豊富に含む食品を取り入れると、さらによいでしょう。
また、口内炎への対処・予防として、口の中を清潔に保つことも大切です。食事のあとは、歯磨きを徹底してください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。