目次
1.ファイトケミカルとは?
ファイトケミカル(phytochemical)は、植物が自身に有害なものから身を守るために作り出した成分のことです。色素・香り・辛味・ネバネバなど、さまざまな特徴があります。
ファイトケミカルはいわゆる必須栄養素ではないものの、人体にとって有益な作用があるとされています。
健康について調べていると、書籍やWebサイトなどで「ファイトケミカル」という言葉を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
ファイトケミカルは抗酸化作用や免疫力の向上など、人体に良い効果をもたらしてくれます。おもに野菜や果物に含まれているため、日頃から積極的に摂取したいところです。
今回の記事では、ファイトケミカルの概要や働き、おすすめの料理レシピを紹介します。
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ファイトケミカル(phytochemical)は、植物が自身に有害なものから身を守るために作り出した成分のことです。色素・香り・辛味・ネバネバなど、さまざまな特徴があります。
ファイトケミカルはいわゆる必須栄養素ではないものの、人体にとって有益な作用があるとされています。
ファイトケミカルにはさまざまなものがありますが、おもに期待できる効果は、抗酸化作用・殺菌効果・免疫力の向上などです。これらの効果を期待できる成分は、以下の食品に含まれています。
・抗酸化作用:トマト(リコピン)、緑茶(カテキン)、ブルーベリー(アントシアニン)、赤ワイン(ポリフェノール)
・殺菌効果:しょうが(ジンゲロール、ショウガオール)
・免疫力の向上:キノコ類(βグルカン)、海藻類(フコイダン)
このなかでも特に期待されている働きが、リコピンやカテキンによる抗酸化作用です。
体内に酸素を取り込むと、その一部は活性酸素となって、酸化による悪影響をもたらします。しかし、抗酸化作用のファイトケミカルを摂取すれば、体内の酸化を防げるため、病気の予防にもつながることが期待できるでしょう。
ファイトケミカルをおいしく摂取できる、おすすめの料理レシピを紹介します。
トマトは抗酸化作用を持つリコピンを豊富に含み、体内の酸化を防いでくれます。そのトマトの上にパン粉を載せて、香ばしく焼き上げたヘルシーなおつまみです。
・トマト 2個
・ハーブ(今回はバジルとパセリ) 適量
・パン粉 大さじ2
・おろしにんにく 適量
・塩 適量
・こしょう 適量
・オリーブ油 大さじ1.5
1. トマトを4等分の厚さにカットして、ハーブはみじん切りにします。
2. パン粉に1のハーブ・おろしにんにく・塩・こしょうを加えて、よく混ぜ合わせます。
3. トマトを耐熱皿などに並べたら、塩・こしょうを軽く振りかけます。その後、全体にオリーブ油を回しかけたら、オーブントースターで7分ほど焼きます。
4. トマトが焼けたら2を振りかけて、再度オーブントースターで焼きます。焼き色が付いたら完成です。
さばの水煮を餃子の具材として使った、しょうが風味の一品です。しょうがには、殺菌効果を持つショウガオールやジンゲロールが多く含まれています。
・さば水煮缶 60g
・キャベツ 大きい葉2枚
・しょうが 1/2片
・餃子の皮 10枚
・味噌 大さじ1/2
・湯 100ml
・サラダ油 小さじ2
1. さばの水煮を軽くほぐします。キャベツは3cmくらいの幅の短い千切り、しょうがは細い千切りにします。
2. キャベツ・しょうが・味噌をよく混ぜ合わせて、餃子の具材を作ります。
3. 2の具材とさばの水煮を餃子の皮に載せて、ひだを寄せながら包みます。
4. 3をフライパンに並べたら、沸騰させた湯を入れて蓋をし、2~3分ほど強火で加熱します。
5. 餃子の皮に火が通ったら湯を捨てます。その後、サラダ油を回し入れて、さらに2~3分ほど焼き、焦げ目が付いたら完成です。
タレに漬け込んだ鶏ささみと野菜・海藻を合わせた、味噌の風味豊かなサラダです。リコピンが豊富なトマト、フコイダンが豊富なわかめを一緒に摂取できます。
・鶏ささみ 4本
・レタス 1/2個
・わかめ(戻したもの) 30g
・トマト 1個
・酒 大さじ1
・みそ 大さじ2
・みりん 大さじ1
・ヨーグルト 大さじ2
・バルサミコ酢 大さじ1
・黒すりごま 大さじ1
・玉ねぎのすりおろし 1/4個
1. レタスは一口サイズにちぎり、わかめは2㎝ほどの幅にカットします。トマトは横に切って種を取り出したら、一口大にカットします。
2. タレの材料をすべてボウルに入れたら、よく混ぜ合わせます。
3. 鶏ささみは筋を取ってから、酒を入れた熱湯に投入して4分ほどゆでます。その後、食べやすいサイズにさいて、2にしっかりと漬け込みます。
4. 皿にレタスを敷いたら中央に鶏ささみを載せ、その周囲をわかめとトマトで囲むように飾り付けたら完成です。
ファイトケミカルは必須栄養素ではありませんが、健康の維持・促進につながる効果をもたらしてくれる成分です。トマト・ブルーベリー・しょうが・海藻など、ファイトケミカルが豊富な食材をチェックし、積極的に取り入れることをおすすめします。
今回の記事で紹介した料理レシピも参考にしつつ、ファイトケミカルを取り入れられるメニューを考えてみてはいかがでしょうか。
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。
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