1.牛乳は貧血予防に効果的な食材
鉄が欠乏することによって起こる貧血を予防するには、鉄はもちろん、鉄以外のミネラルやビタミンなどもバランス良く摂取することが大切です。
その点、牛乳にはさまざまな栄養素が含まれているため、貧血予防に効果的といえます。牛乳に含まれる乳糖(炭水化物)には、鉄分の吸収を促す作用が期待できます。
ただし、カルシウムの摂りすぎは鉄などのミネラル吸収を阻むため、牛乳の過剰摂取は避けましょう。
2.牛乳に含まれる栄養素について
牛乳(可食部100g)に含まれる栄養素は、次のとおりです。
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・タンパク質:3.3g
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・脂質:3.8g
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・炭水化物:4.8g
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・ナトリウム:41mg
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・カリウム:150mg
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・カルシウム:110mg
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・マグネシウム:10mg
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・リン:93mg
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・亜鉛:0.4mg
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・ビタミンD:0.3μg
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・ビタミンK:2μg
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・ビタミンB1:0.04mg
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・ビタミンB2:0.15mg
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・葉酸:5μg
このように牛乳には、健康維持に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。
3.貧血予防におすすめの牛乳料理レシピ
最後に、牛乳を使った貧血予防におすすめのレシピを4つ紹介します。
3-1.鮭と白菜のクリーム煮
冬においしさを増す白菜を使った、寒い季節におすすめのレシピです。
【材料】2人分
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・鮭 2切れ
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・白菜 1/8個
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・サラダ油 小さじ1
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・バター 15g
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・小麦粉 大さじ1.5
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・牛乳 250ml
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・顆粒コンソメ 小さじ1
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・粗挽き黒こしょう 適量
【作り方】
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1. 皮と骨を取り除いた鮭を3~4等分にして、塩・こしょうで下味を付けます。
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2. 白菜は、芯の部分を5cmほどの幅に切ってから1cmの細切りにし、葉の部分をザク切りにします。
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3. サラダ油を熱したフライパンで、1を両面に焼き色が付くまで中火で焼いて取り出します。
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4. 3のフライパンにバターを入れて熱します。白菜の芯がしんなりするまで中火で炒めたら、小麦粉を加えてしっかりと炒めます。
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5. 粉っぽさがなくなったら牛乳と顆粒コンソメを入れ、沸騰後に白菜の葉を加えて数分間煮込みます。
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6. 皿に盛り付け、仕上げに粗挽き黒こしょうを振りかけたら完成です。
3-2.たらとじゃがいものミルクグラタン
白ワインやビール、ハイボールなど、さまざまなお酒に合うレシピです。オーブントースターの代わりに、オーブン(220度・15分ほど)で焼いてもよいでしょう。
【材料】2人分
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・じゃがいも 2個
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・たら 2切れ
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・サラダ油 小さじ1
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・牛乳 200ml
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・顆粒コンソメ 小さじ1/2
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・白ワイン 大さじ1/2
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・生クリーム 100ml
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・ピザ用チーズ 40g
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・パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
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1. じゃがいもの皮をむき、1~2mmほどの幅に薄く切ります。
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2. サラダ油を熱したフライパンで、1を中火で炒めます。じゃがいもの色が透き通ってきたら牛乳と顆粒コンソメを加え、10分ほど弱火で煮ます。
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3. たらを3~4等分にし、耐熱容器に並べて塩・こしょう・白ワインを振りかけます。ラップをし、500Wの電子レンジで3分ほど加熱します。
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4. 2に3と生クリームを加えて5分ほど弱火で煮たら、塩・こしょうで味を調えます。
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5. 煮汁ごと4を耐熱容器に入れたら、上からピザ用チーズを散らし、焼き色が付くまでオーブントースターで焼きます。仕上げにパセリを散らして完成です。
3-3.秘密のクリームポットパイ
パイの蓋を崩すとハート型のにんじんが見えて、楽しみながら食べられるレシピです。
【材料】2人分
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・あさり 8粒
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・じゃがいも 1/2個
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・玉ねぎ 1/4個
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・にんじん 2cm
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・バター 小さじ2
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・小麦粉 小さじ1
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・水 80ml
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・固形スープの素 1/2個
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・牛乳 100ml
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・生クリーム 50ml
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・冷凍パイシート 1枚
【A】
【作り方】
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1. じゃがいもと玉ねぎは1cm角に切り、にんじんはハート型で抜いて5mmほどの幅に切ります。
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2. バターを溶かした鍋に、1を入れて炒めます。玉ねぎがしんなりしてきたら、小麦粉を振り入れてさらに軽く炒めます。
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3. 水・固形スープの素・牛乳を2に加え、ひと煮立ちしたら火を止めて、生クリームを入れます。
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4. 冷凍パイシートを半分に切り、耐熱容器よりやや大きめに切ります。
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5. 耐熱容器にあさりを4つずつ入れ、2をよそいます。容器の縁に【A】を塗り、4のパイ生地をかぶせて縁を押さえます。
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6. パイ生地の表面にも【A】を塗り、200度のオーブンで13~15分焼いたら完成です。
3-4.かぼちゃのクリームシチュー
寒い季節に恋しくなるシチューを、かぼちゃでアレンジしたレシピです。材料を炒める際は、焦げないよう注意しましょう。
【材料】2人分
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・かぼちゃ 1/8個
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・玉ねぎ(小) 1個
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・にんじん 1/3本
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・パセリ 適量
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・鶏もも肉 1枚
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・バター 20g
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・小麦粉 20g
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・水 350~400ml
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・顆粒コンソメ 大さじ1
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・牛乳 200ml
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・塩 適量
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・こしょう 適量
【作り方】
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1. かぼちゃ・玉ねぎ・にんじんは一口大に、パセリはみじん切りにします。
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2. 鶏もも肉は一口大に切り、塩・こしょうで下味を付けます。
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3. バターを熱した鍋で1の玉ねぎを炒め、玉ねぎの色が透き通ってきたら、にんじんと鶏もも肉を入れてさらに炒めます。
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4. 鶏もも肉の色が変わってきたら、1のかぼちゃを加えて炒めます。油が全体になじんだら、小麦粉を入れてさらに炒めます。
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5. 4に粉っぽさがなくなったら、水と顆粒コンソメを加え、弱火で材料がやわらかくなるまで煮込みます。
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6. 牛乳・塩・こしょうで味を調えたら皿に盛り付け、パセリを散らして完成です。
栄養豊富な牛乳を摂取して貧血を予防しましょう
牛乳には、健康維持に欠かせない栄養素がたくさん含まれているため、貧血の予防にも効果的です。
牛乳をそのまま飲むとお腹がゴロゴロするという方も、今回紹介したレシピのように、加熱調理すると問題なく摂取できることがあります。
元気に過ごせるよう、栄養豊富な牛乳を毎日の食事に取り入れてはいかがでしょうか。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医