牛乳はカリウムやカルシウムなどの栄養を手軽に摂れる優れた食品
おすすめレシピも紹介

牛乳は学校給食で飲まれていたり、多くの家庭で常備されたりと、私たちにとって身近な食品の一つです。

牛乳は体にとって重要な栄養素をバランス良く含み、栄養価の高い食品ですが、近年牛乳の消費量は減少傾向にあります。

そこで今回は、牛乳に含まれるおもな栄養素やその働きについて解説します。料理に使う際のレシピも紹介するため、ぜひ参考にして牛乳を摂取してみてください。

1.牛乳はカリウムなどの栄養素が豊富な食品

牛乳には、カリウムやカルシウムのほか、あらゆる栄養素がバランス良く含まれています。ここでは、牛乳に含まれている代表的な栄養素と、その働きを解説します。

1-1.牛乳に含まれるカリウムについて

牛乳には、カリウムが含まれています。カリウムには、ナトリウムの排出を促進する働きがあり、塩分を調整するうえで大切なミネラルの一つです。ナトリウムを摂りすぎると、口の渇きやむくみなどを引き起こし、血管にダメージを与えることがわかっています。

つまり、カリウムの摂取はナトリウムの体外への排出をサポートし、強い血管を保つうえでも役立つのです。

牛乳はカリウムのほかにもタンパク質や、日本人が不足しやすいカルシウム・ビタミンA・ビタミンB2などを多く含んでいます。

強い歯や骨を作るために重要なカルシウムは、不足すると骨がもろくなる要因につながります。

カルシウムは小魚や大豆製品、野菜や海藻などにも含まれていますが、牛乳や乳製品は他の食品よりもカルシウムの吸収率が良く、カルシウムを効率的に摂取できるのです。

1-2.牛乳の栄養素(可食部100g当たり)

前述したように、牛乳にはさまざまな栄養素が含まれています。ここで、牛乳100g当たりに含まれているおもな栄養素の量を見ていきましょう。

  • ・タンパク質:3.3g

  • ・カリウム:150mg

  • ・カルシウム:110mg

  • ・ビタミンA(βカロテン):6μg

  • ・ビタミンB2:0.15mg

牛乳から摂取できるタンパク質は、私たちの体内で作られない必須アミノ酸を多く含む、良質なタンパク質です。

近年牛乳の消費量が減ってはきていますが、これまでお伝えしたように効率良くさまざまな栄養素が摂れる牛乳を、定期的に摂取するとよいでしょう。

2.牛乳を使ったおすすめレシピを紹介

ここからは、牛乳を使った料理を3品紹介します。牛乳は飲むだけでなく、さまざまなレシピにも応用できるため、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.里芋と鮭のミルクグラタン

まず紹介するレシピは、生クリーム不使用のあっさりした「里芋と鮭のミルクグラタン」です。里芋はしっかり加熱してやわらかくすると、なめらかな食感になります。

【材料】2人分

  • ・里芋 4個

  • ・生鮭 2切れ

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・ベーコン 2枚

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

  • ・小麦粉 適量

  • ・サラダ油 大さじ1/2

  • ・バター 10g

  • ・牛乳 3/4カップ

  • ・溶けるチーズ 30g

  • ・粉チーズ 大さじ1.5

  • ・パセリのみじん切り 適量

【作り方】

  • 1. 里芋の皮をむき、3mmほどの厚さの輪切りにします。里芋を耐熱皿に並べてラップをかけ、やわらかくなるまで電子レンジで加熱します。

  • 2. 生鮭を一口大の大きさにカットし、塩・こしょうで味を付けて、小麦粉をまぶします。

  • 3. 玉ねぎは薄く切り、ベーコンは5mmほどの幅にカットします。

  • 4. サラダ油を熱したフライパンに鮭を入れて、両面に薄く焼き色が付くまで中火で焼き、一度取り出します。

  • 5. 4で使用したフライパンをキッチンペーパーなどで拭き、汚れを取ります。バターを入れて溶かし、玉ねぎ・ベーコンをしんなりするまで炒めたら、1と4、牛乳を加えて4~5分煮込み、味を塩・こしょうで調えます。

  • 6. 5を耐熱皿に入れて溶けるチーズと粉チーズを振り、220度のオーブンで10~15分ほど焼きます。仕上げにパセリのみじん切りを散らしたら完成です。

2-2.ベーコンとしめじのミルクリゾット

次に紹介するレシピは、ベーコンや粉チーズの塩味が効いた「ベーコンとしめじのミルクリゾット」です。白いリゾットに焦げの色が出ないよう、具材は焦げつかないようにじっくりと炒めてください。

【材料】2人分

  • ・ご飯 200g

  • ・ベーコン 50g

  • ・しめじ 1/2房

  • ・玉ねぎ 1/2個

  • ・バター 15g

  • ・牛乳 300ml

  • ・粉チーズ 大さじ1

  • ・黒こしょう 適量

【作り方】

  • 1. ベーコンを細く切り、しめじの石づきをとって小房に分け、玉ねぎをみじん切りにします。

  • 2. バターを鍋に溶かし、ベーコンと玉ねぎをじっくりと弱火で炒めます。

  • 3. 玉ねぎがしんなりとするまで炒めたら、しめじとご飯を入れ、全体を混ぜます。

  • 4. 牛乳を3に加えて煮立ってきたら、弱火にして約5分煮ます。

  • 5. 粉チーズを入れて軽く混ぜ合わせたら火を止め、皿に盛り付けて黒こしょうを仕上げに振って完成です。

2-3.かぼちゃのクリームシチュー

最後に紹介するレシピは、牛乳を使うことで味のコクが増す「かぼちゃのクリームシチュー」です。材料を炒めるときの火加減は、中火から弱火にして焦げないように注意しましょう。

【材料】2人分

  • ・かぼちゃ 1/8個

  • ・玉ねぎ(小) 1個

  • ・にんじん 1/3本

  • ・パセリ 適量

  • ・鶏もも肉 1枚

  • ・バター 20g

  • ・小麦粉 20g

  • ・水 350~400ml

  • ・顆粒コンソメ 大さじ1

  • ・牛乳 200ml

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

【作り方】

  • 1. かぼちゃ・玉ねぎ・にんじんを食べやすい大きさにカットし、パセリはみじん切りにします。

  • 2. 鶏もも肉も食べやすい大きさに切り、塩・こしょうで下味を付けます。

  • 3. バターを鍋に入れて熱し、玉ねぎを炒めます。玉ねぎが透き通った色になってきたら、にんじん・鶏もも肉を加えてさらに炒めます。

  • 4. 鶏もも肉に火が通ってきたら、かぼちゃを入れて炒めます。油が全体になじんだら、そこに小麦粉を入れて炒めます。

  • 5. 4の粉っぽさがなくなったら、水と顆粒コンソメを入れて、弱火で材料がやわらかくなるまで煮込みます。

  • 6. 牛乳・塩・こしょうを仕上げに加えて味を調えます。

  • 7. 皿に盛り付けて、パセリのみじん切りを上から散らしたら完成です。

牛乳を日頃の食事に取り入れてカリウムを補給しましょう

牛乳は子供の頃はよく飲んでいたけれど、大人になってからはあまり飲まなくなったという人もいるのではないでしょうか。

牛乳はカリウムやカルシウムに加え、タンパク質・カルシウム・ビタミンA・ビタミンB2などを含む、栄養価の高い食品です。あらゆる栄養素をバランス良く摂取できるため、積極的に牛乳を摂ることをおすすめします。

牛乳を飲むのが苦手という人は、今回紹介したレシピを参考に料理に使ってみてはいかがでしょうか。牛乳を日々の食事に取り入れて、手軽に栄養を補給しましょう。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。