おからに含まれる食物繊維の種類と働き
食物繊維が豊富なおからを使用したレシピ3選も紹介

おからは食物繊維を豊富に含むことで知られていますが、含まれている食物繊維の種類やその働きまではあまり知られていません。

そこで今回は、おからに含まれている食物繊維の種類や働き、おからを豊富に摂れるレシピを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

1.おからに含まれる食物繊維の種類

おからには、複数の種類の食物繊維が含まれています。それぞれの食物繊維がどのような働きをしているのか見てみましょう。

1-1.そもそも「おから」とは何か?

おからとは、豆腐や豆乳を作る際、大豆を絞ったあとにできる残りかすのことです。そのため、おからは産業廃棄物としても扱われています。全体のおよそ95%が食べられることなく捨てられているのが現状です。

おからの処理をするために環境にも負担がかかることから、現在はできるだけおからを排出せず、豆腐や豆乳を作る技術開発が進められています。

1-2.おからは不溶性・水溶性の食物繊維を含む

おからには、おもに不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類が含まれています。不溶性食物繊維は、その名のとおり水に溶けないもの、水溶性食物繊維は水に溶けるものです。

不溶性食物繊維は植物の細胞壁であるセルロースなど、水溶性食物繊維は果物や野菜に多く含まれるペクチンなどで構成されています。

食物繊維は小腸で吸収されることなく大腸に届き、腸の働きを整える効果のある成分です。血糖値やコレステロール値などにも良い影響をもたらすといわれています。日本人の食物繊維の摂取量は少しずつ減ってきているため、意識して摂取することが大切です。

2.食物繊維の働きと健康に必要な理由

ここでは、食物繊維の働きと健康に必要な理由を解説します。

2-1.整腸作用による便秘の予防

食物繊維は、腸の働きを整えるうえで大切な存在です。途中で消化・吸収されずに大腸まで届き、善玉菌を増やしてくれます。その中でも、不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさが増えて大腸を刺激し、便通をスムーズにする効果があることも特徴です。

2-2.生活習慣病の予防

食物繊維には、体内にある脂質の一つであるコレステロールや、ナトリウム(食塩)を吸着して体外に排出する働きがあります。そのため、脂質を減らしたり血圧を下げたりする効果的が期待できるでしょう。また、食物繊維は低カロリーであることから、肥満の予防にもつながります。さまざまな生活習慣に深く関わる病気の予防に効果がある成分です。

3.食物繊維が摂れるおからレシピ3選

食物繊維が豊富に摂れるおからを使ったレシピを紹介します。

3-1.おから入りチヂミ

まず紹介するのは、ビールやハイボールにも合うチヂミのレシピです。

【材料】20cm1枚分

  • ・豚こま切れ肉 50g

  • ・玉ねぎ 1/8個

  • ・にら 1/4束

  • ・にんじん 3cm

  • ・ごま油 大さじ1

  • ・ポン酢 適量

【A】

  • ・片栗粉 大さじ4

  • ・おからパウダー 大さじ2

  • ・卵 1個

  • ・しょうゆ 小さじ1

  • ・水 120ml

  • ・鶏ガラスープの素 小さじ1

【作り方】

  • 1. 豚こま切れ肉は1cm幅に切り、玉ねぎは薄切りに、にらは4cmの長さに切っておきます。にんじんは、細切りにしておきましょう。

  • 2. ボウルに【A】を入れてよく混ぜ、1を混ぜます。

  • 3. フライパンにごま油を中火で熱し、2を流し入れて焼き色が付いたらひっくり返して蓋をし、5分ほど焼いてください。

  • 4. 5分経ったら蓋を取ってひっくり返し、さらにこんがりと焼きます。

  • 5. 食べやすい大きさにカットし、皿に盛り付けてポン酢を添えたら完成です。

3-2.おからとひき肉のポテトサラダ

次に紹介するのは、おからをたっぷり摂れるポテトサラダのレシピです。

【材料】約4人分

  • ・じゃがいも 2個

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・合いびき肉 100g

  • ・生おから 50g

  • ・サラダ油 小さじ2

  • ・塩 小さじ1/4

  • ・こしょう 適量

  • ・ナツメグ 適量

  • ・パセリのみじん切り 適量

【A】

  • ・マヨネーズ 大さじ1.5

  • ・粒マスタード 小さじ1~2

【作り方】

  • 1. よく洗ったじゃがいもを鍋に入れて水をひたし火にかけ、やわらかくなるまでゆでます。竹串を刺してすっと通ったらじゃがいもを取り出して皮をむき、マッシャーなどで潰してください。

  • 2. 玉ねぎは、みじん切りにしておきます。

  • 3. フライパンにサラダ油を中火で熱し、2の玉ねぎを炒めます。火が通って色が透き通ってきたら、合いびき肉を入れてさらに炒めましょう。

  • 4. 合いびき肉に火が通ったら生おからを加えて炒め、塩、こしょう、ナツメグで味を調えます。

  • 5. 1のじゃがいもに4を加えて混ぜ、粗熱が取れたら【A】を加えてさらによく混ぜましょう。

  • 6. 器に盛り付け、パセリのみじん切りを散らしたらできあがりです。

3-3.おからのチキンナゲット

最後に、腹持ちが良く食べ応えのある、おからを使ったナゲットのレシピを紹介します。

【材料】12個分

  • ・鶏にひき肉 100g

  • ・おから 100g

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・卵 1個

  • ・揚げ油 適量 

  • ・ケチャップ 適量

【A】

  • ・顆粒コンソメ 小さじ1/2

  • ・片栗粉 大さじ1.5

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

【作り方】

  • 1. 玉ねぎはみじん切りにしておきます。

  • 2. ボウルに鶏ひき肉、おから、みじん切りにした玉ねぎ、卵、【A】を入れてよくかき混ぜ、12等分にしましょう。

  • 3. 170度に熱した揚げ油で、2を色付くまで揚げます。

  • 4. 皿に3を盛り付け、ケチャップを添えたら完成です。

おからで食物繊維を摂りましょう

おからには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類が含まれています。善玉菌を増やしたり便のかさを増したりして、腸の調子を整えてくれる働きを持つのが特徴です。

コレステロールやナトリウムを吸着して排出する働きもあることから、生活習慣に関わる病気の予防にも効果があります。

今回で紹介した「おからとひき肉のポテトサラダ」や「おからのチキンナゲット」などを参考に、ぜひ毎日の食卓におからを取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。