ヨーグルトのタンパク質量とは?
タンパク質以外の栄養素や食べ方のポイントも解説

ヨーグルトは、牛乳に乳酸菌やビフィズス菌を加えて発酵させることで作られる食品です。豊富なタンパク質を含むことで知られています。また、ミネラルやビタミンも多く含むため、健康に良いイメージを持っている方が多いでしょう。

今回は、ヨーグルトにどれくらいの量のタンパク質が含まれているのか、ほかにはどのような栄養素が含まれているのかについて紹介します。おすすめの食べ方についても紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

1.ヨーグルトに含まれるタンパク質の量

ヨーグルトには、100gあたり3.6gのタンパク質が含まれています。牛乳に含まれるタンパク質量は100gあたり3.3gで、わずかに多いことが特徴です。チーズを含む乳製品など動物性食品に含まれるタンパク質は、「良質なタンパク質」であることで知られています。

良質なタンパク質とは、アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク質のことです。アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク質、つまりアミノ酸スコアが高いものは体内で利用されやすいという特徴があります。

ヨーグルト自体にもタンパク質は含まれていますが、ヨーグルトからできるホエー(乳清)にもタンパク質をはじめ、ミネラルやビタミンなどが含まれています。

厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」では、乳製品を摂取する場合、ヨーグルトなら一日に2パック(約200g)食べると良い、としています。

2.ヨーグルトに含まれるタンパク質以外の栄養素

ヨーグルトは、タンパク質以外の栄養素も含む食品です。ヨーグルトには、どのような栄養素が含まれているのか、それぞれの栄養素にどういった働きがあるのかを見ていきましょう。

2-1.カルシウム

ヨーグルトには、100gあたり120mgのカルシウムが含まれています。カルシウムは、骨や歯に存在するミネラルの一種です。カルシウムは小魚や納豆などにも多く含まれていますが、特にヨーグルトなどの乳製品に含まれるカルシウムは吸収率が高くなっています。

そもそも、ヨーグルトはカルシウム含有量が多いことから、効率良く摂取することが可能です。なお、ヨーグルトは乳糖が分解されているため、乳糖不耐の方も気にせず食べられます。

2-2.ビタミン

ヨーグルトに含まれるおもなビタミンは下記のとおり、ビタミンAやビタミンB2、ビタミンB12が多く含まれています。

ビタミンAは、網膜の保護や光刺激に反応するのに必要な栄養素です。ビタミンB2は、糖質やタンパク質の代謝、エネルギーを作るときの補酵素などとして働きます。皮膚や爪などの健康維持に働くことでも有名です。ビタミンB12は、アミノ酸や脂肪酸の代謝、核酸の合成などに関わっています。

成分名 100gあたりの含有量
ビタミンA 33μg
ビタミンB2 0.14mg
ビタミンB12 0.1μg

参照:文部科学省「食品成分データベース」

2-3.炭水化物、脂質

ヨーグルトは、炭水化物や脂質も含む食品です。炭水化物や脂質はエネルギー源として体内で利用されます。炭水化物や脂質の量はそこまで多くありませんが、ヨーグルトは三大栄養素と呼ばれる炭水化物と脂質、タンパク質のすべてを含む優秀な食品だといえるでしょう。

成分名 100gあたりの含有量
炭水化物 4.9g
脂質 3.0g

参照:文部科学省「食品成分データベース」

2-4.乳酸菌

ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌などが含まれています。乳酸菌やビフィズス菌は、プロバイオティクスの一種です。プロバイオティクスとは、いわゆる善玉菌のことを指します。食事から摂取した善玉菌は腸内に住み着くことは基本的にないため、定期的に取り入れることが大切です。

善玉菌は、乳酸や酢酸などを作って腸内を酸性にすることで、悪玉菌の働きを抑える効果があります。そのため、病原菌の感染予防をしたり腸の働きを活発にしたりするのに効果的です。

3.ヨーグルトの栄養素を活用できる食べ方

ヨーグルトには、適切な摂取タイミングがあります。以下を参考に、栄養素を最大限に活かせる食べ方を心がけましょう。

3-1.食後に食べる

腸の調子を整えるためにヨーグルトを食べるのなら、食後の摂取がおすすめです。乳酸菌は胃酸に弱いものの、食後は胃酸が薄まっているため、乳酸菌が死滅しづらくなります。

一方で、カルシウム摂取を目的とする場合は、食前の摂取が効果的です。カルシウムは腸内が酸性になっているほうが吸収されやすくなります。

3-2.オリゴ糖や食物繊維も一緒に摂る

腸内の善玉菌は、オリゴ糖や食物繊維の摂取によって増えるのをご存知でしょうか。善玉菌のエサになることで、量を増やしてくれるのです。オリゴ糖は大豆や玉ねぎ、ごぼうやバナナに、食物繊維はさつまいもや切り干し大根、かぼちゃやしいたけなどに多く含まれています。

ヨーグルトでタンパク質を摂取しましょう

ヨーグルトは100gあたり3.6gと、豊富なタンパク質を含む食品です。その他、カルシウムやビタミン、炭水化物、脂質、乳酸菌も含まれています。お腹の調子を整えるためには食後、カルシウムを効率良く摂取したいなら食前に食べるのがおすすめです。

オリゴ糖や食物繊維を一緒に摂ると善玉菌が増えやすくなるため、お腹の調子が気になる方はヨーグルトと同時に摂るようにしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。