1.茗荷はどのような食べ物?
茗荷は、ショウガ科ショウガ属の多年草です。半日陰で湿った土を好み、多くの地域で収穫されています。実は茗荷には、2種類あるのをご存知でしょうか。
普段私たちが食べているのは「花みょうが」で、地中で育った花茎の先端にできた開花前の若いつぼみを茗荷として食べています。シャキシャキとした歯ざわりが特徴です。収穫された時期によって「夏茗荷」「秋茗荷」と、呼び名が変わります。
もう一つは、「みょうがたけ」です。普段目にすることの多い花みょうがとは違い、20~40cmの細長い形をしています。こちらは、茗荷の若い茎を遮光して育て、軟白化させたものです。
2.茗荷に含まれる栄養素
茗荷には、次のような栄養素が特に多く含まれています。
2-1.カリウム
カリウムは、ナトリウムを排出する働きがあるミネラルです。細胞内液の浸透圧の調整をしたり、体液のpHバランスを整えたりする働きもあります。ナトリウムを排出するため、塩分の摂りすぎや血圧が気になる方にうれしい栄養素の一つです。
2-2.食物繊維
食物繊維には、便通を整えたり糖や脂質などを吸着して排出したりする働きがあります。これにより、肥満の予防・改善が期待できるでしょう。
2-3.アルファピネン
茗荷には、アルファピネンという精油成分も含まれています。アルファピネンは茗荷の香りを作る成分で、発汗を促したり食欲を増進させたりする働きがあります。
3.茗荷を使った料理レシピを紹介
ここからは、茗荷を使って簡単に作れるレシピを3つ紹介します。
3-1.茗荷のチーズ春巻き
まず紹介するのは、茗荷の香りをふんわりと楽しめる「茗荷のチーズ春巻き」です。ビールやハイボールとの相性が良いため、おつまみとして楽しむのもよいでしょう。
【材料】12個分
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・茗荷 6個
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・ピザ用チーズ 25g
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・のり(2つ切り) 2枚
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・春巻きの皮 6枚
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・水溶き小麦粉 適量
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・揚げ油 適量
【作り方】
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1. 茗荷は縦半分にカットし、のりは1枚をそれぞれ6等分にします。春巻きの皮は、三角形になるように半分にカットします。
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2. 春巻きの皮に茗荷、ピザ用チーズ、のりを載せて巻き、巻き終わりには開かないように水溶き小麦粉を塗って接着させます。
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3. 揚げ油を170度に熱し、2の春巻きをカラッとするまで揚げたら完成です。
3-2.茗荷の豚肉巻き
次に、メイン料理にもなる「茗荷の豚肉巻き」を紹介します。お好みで、ポン酢を付けて食べるのもおすすめです。
【材料】2人分
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・茗荷 5個
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・豚バラ薄切り肉 10枚
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・塩 適量
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・こしょう 適量
【作り方】
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1. 茗荷は縦に4等分し、豚バラ薄切り肉は半分の長さにカットします。
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2. 豚バラ肉を広げ茗荷を載せて巻いたら、塩・こしょうで下味を付けます。
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3. 中火で熱したフライパンで、2を焼きます。全体的に焼き色がつき、豚肉に火が通ったら皿に盛り付けて完成です。
3-3.豚肉と茗荷の黒酢炒め
最後に紹介するレシピは、さっと作れてお酒のおつまみにもなる「豚肉と茗荷の黒酢炒め」です。
【材料】2人分
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・豚こま切れ肉 200g
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・茗荷 3個
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・獅子唐辛子 8本
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・しめじ 1/2房
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・砂糖 大さじ1/2
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・しょうゆ 大さじ1
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・黒酢 大さじ2
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・サラダ油 適量
【作り方】
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1. 茗荷は薄切りにし、獅子唐辛子はヘタを取ります。しめじは石づきを取り、小房に分けておきます。
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2. サラダ油を熱したフライパンで、豚肉に火が通るまで炒めます。
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3. 獅子唐辛子としめじを2に加え、軽く炒めます。
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4. 砂糖・しょうゆ・黒酢で味を付け、味が全体になじんだら茗荷を入れて混ぜ合わせて完成です。
茗荷に含まれる栄養素を摂取して元気になろう
茗荷の香りを作り出すアルファピネンには、発汗や血行を促進したり胃酸の分泌を活性化したりする働きがあります。食欲がない方は、茗荷を食べると胃腸の働きが活発になるのを助けてくれるでしょう。
茗荷には、ナトリウムを排出する働きのあるカリウムや、便通を整える食物繊維も含まれています。この記事で紹介したレシピを参考にして、ぜひ茗荷を日々の食卓に取り入れてみてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。