目次
1.加齢とともに筋肉量は低下する
高齢になると、筋線維数と筋横断面積が減ることで、筋肉量や筋力が低下します。その要因には、活動量が減少することや、低栄養になりやすいことが挙げられるでしょう。
低栄養とは、食欲や口腔機能が衰えることで食事量が減り、必要な栄養素が不足した状態のことです。
加齢にともない、体の細胞数が減ったり、細胞そのものの働きが悪くなったりすることで、生理的老化が進行します。
生理的老化の特徴の一つが、筋肉量や筋力の低下です。
今回は、高齢者が筋肉をつけるために摂りたい栄養素や食事のポイント、おすすめの食事レシピなどを紹介します。
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高齢になると、筋線維数と筋横断面積が減ることで、筋肉量や筋力が低下します。その要因には、活動量が減少することや、低栄養になりやすいことが挙げられるでしょう。
低栄養とは、食欲や口腔機能が衰えることで食事量が減り、必要な栄養素が不足した状態のことです。
高齢者が筋肉を強くするための栄養素・食品と、具体的な食事レシピを紹介します。
筋肉を強くするおもな栄養素と食品は、次のとおりです。
栄養素 | 多く含む食品の例 |
---|---|
タンパク質 | 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品 |
炭水化物 | 米、パン、麺類 |
脂質 | 油、バター |
ビタミンB6 | マグロの赤身、カツオ、赤ピーマン、キウイ、バナナ |
ビタミンD | 魚介類、卵、きのこ |
筋肉をつけるのに効果的な食事レシピを2品紹介します。
1品目は、ビタミンB6が豊富なカツオを使った竜田揚げです。
・カツオ 1さく
・ラディッシュ 2個
・紫たまねぎ 1/2個
・片栗粉 大さじ2
・サラダ油
・おろしにんにく 小さじ1/2
・しょうがの絞り汁 小さじ1
・醤油 小さじ1
・酒 小さじ1
・オクラ 6本
・だし汁 大さじ1
・薄口醤油 小さじ1
・からし 小さじ1/2
1. カツオは1~1.5cm幅に切り、下味を付けて冷蔵庫で1時間ほど寝かせます。
2. オクラは塩を振って板ずりし、2分程度ゆでます。冷水にとって包丁でたたき、【オクラソース】の調味料を混ぜ合わせておきます。
3. ビニール袋に片栗粉を入れ、水気をふき取った1のカツオを加えて粉をまぶしたら、170度の油で揚げましょう。
4. お皿に、薄切りにしたラディッシュ・紫たまねぎ・カツオの竜田揚げを盛り付け、オクラソースをかけたら完成です。
2品目は、タンパク質や、筋肉成分の「イミダゾールペプチド」を豊富に含む、鶏胸肉を使ったよだれ鶏です。
・鶏胸肉 1枚
・長ねぎ 5cm
・きゅうり 1本
・パクチー 適量
・砂糖 小さじ2
・塩 小さじ1/2
・サラダ油 大さじ1
・鶏の蒸し汁 大さじ3
・砂糖 小さじ1.5
・醤油 大さじ2
・酢 大さじ2
・ラー油 大さじ1~
1. 鶏胸肉の厚い部分に切り込みを入れ、厚みを均一にします。フォークで数カ所穴を開けて、【A】の調味料とともに耐熱容器に入れましょう。
2. 1の耐熱容器にラップをふんわりとかけ、電子レンジで4分(600W)加熱します。取り出したらそのまま置いておき、余熱で火を通しましょう。
3. 長ねぎはみじん切り、きゅうりは細切り、パクチーはザク切りにします。
4. 3の長ねぎと【B】を混ぜ合わせ、タレを作ります。
5. お皿にきゅうりと食べやすい大きさに切った2の鶏肉を盛り付け、4のタレをかけます。仕上げに3のパクチーを添えて完成です。
筋肉をつけるのに必要な栄養素を摂るためには、一日3食、規則正しく食べるのが基本です。ただし、特定の栄養素だけを摂るのではなく、多様な食品を組み合わせ、栄養バランスの良い食生活を送る必要があります。
1回の食事量が少ない場合は、間食でタンパク質やミネラルなどを補うこと、食欲がない場合は、おかずを優先して食べることを意識するとよいでしょう。食欲が増すように味付けを濃くすると、塩分の摂りすぎになるため注意してください。
また、口腔機能の悪化は食事量の減少につながるため、口腔ケアに気を配ることも大切です。
加齢にともない、筋肉量や筋力が低下するため、筋肉をつけるのに必要な栄養素・食品を日頃から意識して摂ることが大切です。
規則正しい食生活を基本としつつ、ケースに応じて間食を取り入れたり、おかずを優先して食べたりと工夫してみましょう。
また、家族や友人と一緒に食事をするなど、楽しみながら食事をする機会を増やすのも、低栄養の予防に有効です。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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