おからにはどのような栄養が含まれている?
おからを活用したレシピも紹介

「卯(う)の花」などの料理に使われるおからは、高タンパクでヘルシーな食材として知られています。食物繊維も豊富に含まれており、栄養豊富な食べものです。

しかし、おからを積極的に食べたくても、どのように調理すればいいのか迷ってしまうことはありませんか。

そこで今回は、おからに含まれている栄養素と、おからを活用したおすすめのレシピを紹介します。

1.おからとは?

おからとは、豆腐を作る過程で豆乳を絞ったあとに残る物質のことです。食物繊維や質の良いタンパク質などの栄養が豊富に含まれており、「卯の花」などの材料として使われます。

おからに含まれている食物繊維は胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届き、腸内環境の改善や便秘の予防など、お腹の調子を整えます。

日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向にあります。食物繊維の一日あたりの目安摂取量は18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上です。しかし、最近の調査結果によると食物繊維の平均摂取量は一日当たり14g前後と推定されており、目安量を下回っています。

健康的な体を維持するために、積極的に食物繊維を摂ることが大事です。

2.おからに含まれるおもな栄養成分

ここでは、おからに含まれているおもな栄養成分について解説します。

まずは、生おからに含まれているおもな栄養成分です。

※可食部100g当たり

エネルギー 88kcal
タンパク質 6.1g
脂質 3.6g
炭水化物 13.8g
カリウム 350mg
食物繊維 11.5g

参照:文部科学省「食品成分データベース

次に、乾燥おからに含まれているおもな栄養成分です。

※可食部100g当たり

エネルギー 333kcal
タンパク質 23.1g
脂質 13.6g
炭水化物 52.3g
カリウム 1,300mg
食物繊維 43.6g

参照:文部科学省「食品成分データベース

生おからと乾燥おからを比較すると、乾燥おからはより多くの栄養を含んでいます。特にカリウムは、生おからには350mgのカリウムが含まれているのに対して、乾燥おからには1,300mgと3倍以上含まれています。

参考に豆乳に含まれているおもな栄養成分も紹介します。

※可食部100g当たり

エネルギー 44kcal
タンパク質 3.6g
脂質 2.0g
炭水化物 3.1g
カリウム 190mg
食物繊維 0.2g

参照:文部科学省「食品成分データベース

豆乳を作る際に出る絞りかすのおからのほうが、豆乳よりも食物繊維やタンパク質が多く含まれていることがわかります。

3.おからを活用したおすすめレシピ

食物繊維やタンパク質が多い栄養満点なおからを活用した、おすすめレシピを2つ紹介します。

3-1.おからの具だくさんサラダ

まず紹介するレシピは、ヘルシーなのに満足感が得られる「おからの具だくさんサラダ」です。

【材料】2人分

  • ・おから 100g

  • ・にんじん 3cm

  • ・きゅうり 1/2本

  • ・ゆで玉子 1個

  • ・ブラックオリーブ 20g

  • ・ツナ缶(小) 1缶

  • ・塩 適量

(A)

  • ・マヨネーズ 大さじ2

  • ・牛乳 小さじ2

  • ・酢 小さじ1

  • ・砂糖 小さじ1/2

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

【作り方】

  • 1. おからをフライパンに入れて、乾煎りします。

  • 2. 薄切りにしたきゅうりと千切りにしたにんじんに塩をふって揉み込み、水分を切りましょう。

  • 3. ゆで玉子とブラックオリーブを粗みじん切りにします。

  • 4. (A)の調味料をしっかり混ぜ合わせましょう。

  • 5. 乾煎りしたおからの粗熱を取ったら、2、3、水分を切ったツナ缶、(A)を混ぜて完成です。

具を多く入れることで、より食べ応えが出るでしょう。

3-2.おからのチキンナゲット

次に紹介するレシピは、腹持ちの良いヘルシーな「おからのチキンナゲット」です。

【材料】12個分

  • ・鶏ひき肉 100g

  • ・おから 100g

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・卵 1個

  • ・揚げ油 適量

  • ・ケチャップ 適量

(A)

  • ・顆粒コンソメ 小さじ1/2

  • ・片栗粉 大さじ1.5

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

【作り方】

  • 1. 玉ねぎをみじん切りにします。

  • 2. 鶏ひき肉・おから・みじん切りにした玉ねぎ、卵、(A)をボウルに入れます。しっかり混ぜたら、具材を12等分にしましょう。

  • 3. 170度まで熱した油で2をきつね色になるまで揚げましょう。

  • 4. お皿に盛り、ケチャップを添えたらできあがりです。

おからを加えることで、よりヘルシーに仕上がります。腹持ちも良く、食物繊維やタンパク質も多いチキンナゲットです。

おからは栄養満点なおすすめ食材

おからは、豆乳を作った際に出る絞りかすですが、高タンパクで食物繊維も多く含む栄養豊富な食材です。

食物繊維はおなかの調子を整え、便秘予防に効果が期待できる栄養成分です。しかし、現代人は食物繊維の摂取量が一日当たりの目安摂取量を下回っています。そのため、食物繊維を積極的に摂取しましょう。

おからをよりおいしく食べたい方は、今回紹介したレシピをぜひ食生活に取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医