エアロビクスとは?
本来の意味と期待できる効果、エアロビクスに分類される運動を紹介

「エアロビクス」と聞くと、ダンス(エアロビクスダンス)を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、本来のエアロビクスは、比較的筋肉への負荷が軽い運動を意味し、ダンス以外にもさまざまな種類があります。

今回は、エアロビクスの意味や期待できる効果を解説するとともに、エアロビクスに分類される運動を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.エアロビクスの本来の意味

「エアロビクス(aerobics)」とは、比較的筋肉への負荷が軽い有酸素性運動のことです。エアロビクスでは、筋肉を動かすエネルギー源として、酸素と体内の糖質・脂質を用います。

一方で、短時間で筋肉に強い負荷がかかる運動は、「無酸素性運動」と呼ばれます。無酸素性運動では、筋肉を動かすエネルギー源に酸素を用いません。

つまり、「有酸素性」と「無酸素性」は、運動中に呼吸しているかどうかではなく、体を動かす燃料としての酸素の使用有無を表しています。

2.エアロビクス(有酸素性運動)で期待できる効果

有酸素性運動は、酸素のほかに体内の脂肪をエネルギー源とするため、血清脂質や体脂肪の減少が期待できます。

血清脂質とは、血液中に含まれる脂質のことで、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪などがあります。加えて、体脂肪のなかでも健康に悪影響をおよぼしやすい内臓脂肪を燃焼できるため、病気の予防にも効果があるでしょう。

また、有酸素性運動を一定時間継続するには、大量の酸素が必要です。より多くの酸素を体内に運ぶために、心臓と肺の働きを高めなければなりません。したがって、有酸素運動では、呼吸循環器系機能の改善や持久力の向上も期待できます。

また運動には、骨がもろくなるのを予防する効果があります。定期的な運動により骨に適度な負荷をかけないと、骨を形成するカルシウムの利用効率が悪くなり、骨が脆弱になりやすいでしょう。

3.エアロビクス(有酸素性運動)に分類される運動

一般的な運動では、有酸素性運動と無酸素性運動の両方の要素が組み合わさっています。ここでは、有酸素性運動の割合が高く、一般的に有酸素性運動に分類される運動の例を見てみましょう。

(1)室内で行なわれる有酸素性運動

  • ・エアロビクスダンス

  • ・エアロバイク

  • ・太極拳

  • ・ステップエクササイズ

エアロバイクとは、マシンに固定されたペダルを漕ぐ運動のことで、ステップエクササイズとは、踏み台を使い音楽に合わせて行なう昇降運動のことです。

(2)プールで行なわれる有酸素性運動

  • ・水泳

  • ・アクアウォーキング

  • ・アクアビクス

上記はいずれも、水の浮力・抵抗・水圧・水温を活かした有酸素性運動で、関節や腰への負荷がかかりにくいのが特徴です。

(3)屋外で行なわれる有酸素性運動

  • ・ウォーキング

  • ・ジョギング

  • ・ハイキング

  • ・サイクリング

  • ・クロスカントリースキー

(1)~(3)の運動はすべて、長時間継続して行なうものです。継続時間が長くなるほど、エネルギー源として用いる脂肪の比率が高まります。

エアロビクス(有酸素性運動)で健康な体作りをしよう

酸素と体内の脂肪をエネルギー源とするエアロビクス(有酸素性運動)には、血清脂質や体脂肪の減少、呼吸循環器系機能の改善などが期待できます。

今回紹介したように、有酸素性運動にはさまざまな種類があるため、自分の体力に応じて内容や強度を選んでみてください。

継続して有酸素運動に取り組み、健康な体作りをしましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医