1.歯間ブラシとは?
歯間ブラシとは、歯ブラシが届きにくい場所の清掃に使う、補助器具の一種です。
歯間ブラシにはストレートタイプとL字タイプがあり、ブラシ部分はいずれも、歯ブラシの毛と同じものが針金に巻き付けられています。ストレートタイプは、持ち手とブラシ部分が一直線になっているもの、L字タイプは、持ち手とブラシ部分が垂直になっているものです。
歯と歯の隙間が空いてしまった部分や、歯が抜けて「ブリッジ」と呼ばれる治療をした部分などに歯間ブラシを使用すると、効果的に歯垢(プラーク)を取り除けます。歯垢とは、歯を溶かす酸や病原性物質を生み出す細菌の塊で、1mgの歯垢に1~2億個もの細菌が存在するとされています。
2.歯間ブラシが必要な理由
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、丁寧に歯を磨いているつもりでも、歯ブラシだけでは歯垢の6割程度しか取り除けないといわれています。
そのため、歯垢が残りやすい歯と歯の間は、むし歯や歯周病が発生しやすい状態です。
歯垢の除去率を高め、むし歯や歯周病を予防するには、歯ブラシと併せて歯間ブラシなどの補助器具を活用することが大切です。
3.歯間ブラシの選び方と正しい使い方
最後に、歯間ブラシの正しい選び方と使い方を紹介します。
3-1.歯間ブラシの選び方
前歯付近に使うならストレートタイプ、奥歯付近に使うならL字タイプの歯間ブラシがおすすめです。
また、ストレートタイプの歯間ブラシなら、ブラシ部分の根元を折り曲げて角度を付けると、前歯以外の部分にも使いやすくなります。
ストレートタイプ・L字タイプのいずれの場合でも、歯や歯肉を痛めないために、歯の隙間よりも小さめの歯間ブラシを選ぶのがよいでしょう。
3-2.正しい使い方
歯間ブラシは、鏡を見ながら使います。
まずは歯の表側から、歯間ブラシを歯と歯の間に優しく差し込み、歯の側面に押し当てながら10回程度ゆっくりと往復させます。このとき、歯間ブラシを無理やり隙間に差し込まないこと、歯の側面に強く当てすぎないことを意識してください。
歯間ブラシは、歯に対して垂直方向に動かすのが基本です。そのうえで、両側の歯の側面をきちんと磨くために、歯間ブラシを往復させるときに少しずつ角度を変えると、清掃効果が高まります。
歯の表側から磨き終わったら、歯の裏側からも同様に行ないます。
むし歯の発生・進行の予防効果を高めるには、歯間ブラシにフッ化物(フッ素配合ジェルなど)を塗って使うのがおすすめです。フッ化物には、エナメル質の修復促進・歯の質の強化・細菌の働きの抑制といった働きがあります。
歯間ブラシを使って口内を清潔に保とう
歯垢を取り除きにくい歯と歯の間は、むし歯や歯周病が発生しやすくなっています。
歯と歯の隙間が空いてしまった部分などには、歯ブラシと併せて歯間ブラシを使うのがおすすめです。
今回紹介した歯間ブラシの選び方・使い方を参考に、より効果なケアをして、口内を清潔に保ちましょう。
監修者情報
氏名:福田尚美(ふくだ・なおみ)
歯科医師臨床研修終了後、審美歯科・ホワイトニング専門医院に勤務。現在は一般歯科・小児歯科非常勤勤務のかたわら歯科医師としての知識と経験を生かし、歯科医師webライター、歯科企業やオンラインセミナーのサポートなども行なっている。