疲労を回復させるための3つの方法や
疲れに効くおすすめレシピを紹介

疲労は、過剰な負荷がかかっている体を休ませて、生命を維持しようとする人間が持つ防御機能の一つです。

疲労に気付きながらも、なお無理を続けると病気や不調を引き起こすおそれもあります。健康な毎日のために、疲労が蓄積される前に対策をしましょう。

今回の記事では、疲労を回復させるための3つの方法、疲労回復に役立つ料理のレシピを紹介します。

1.疲労を感じるメカニズム

疲労とは、何らかの原因によって不快感と休養の願望をともなう、作業能力が低下した状態を指します。発熱や痛みと同様に、体にこれ以上の負担をかけさせまいとする体からの警報です。疲労の症状には、注意散漫や動作緩慢、頭痛、肩こり、腰痛などがあります。

疲労は肉体的疲労、精神的疲労などに分けられます。

肉体的疲労を引き起こすのは、体のエネルギー不足です。筋肉を動かすためにはエネルギーが必要ですが、エネルギーが十分でないとパフォーマンスが低下してしまいます。また、かつては筋肉中にたまる乳酸が疲労の原因ではないかと考えられてきましたが、近年の研究では乳酸は細胞のエネルギー源として働くことがわかっています。

精神的疲労は、ストレスを原因とする心の疲れです。仕事でのトラブルや日々のなかで感じる悩みなどで生じます。

これらの疲労はそれぞれ無関係ではなく、そのままにしておくとさらなる悪化につながります。疲労をこじらせる前に早めに対処しましょう。

2.効果的に疲労を回復させるための3つの方法

こまめに疲労を軽減させるためには、生活習慣の見直しが大切です。疲れが抜けないと感じている人は、知らず知らずのうちに疲労がたまりやすい生活をしているのかもしれません。効率良く疲労回復させるために心がけたい3つの方法を紹介します。

2-1.質の高い睡眠

睡眠にはさまざまな働きがあり、疲労回復やストレス軽減など体の健康維持にも関わっています。寝ている間に分泌される成長ホルモンが、疲れを癒して修復し、体をメンテナンスします。理想的な睡眠時間でもある8時間を目安に、質の高い睡眠を心がけましょう。

快眠のためには、毎日の生活リズムを整えることが大切です。朝起きたら、まずカーテンを開けて日光を浴び、体内時計をリセットしましょう。

2-2.適度な運動

体を動かすと血行が改善されるほか、筋肉や内臓を活性化して疲労に負けない体を作ります。ストレッチや筋力トレーニング、有酸素運動などを継続的に行なうことが重要です。適度な運動は、気持ちのリフレッシュや達成感にもつながり、体だけでなく心の健康にも役立ちます。

2-3.栄養バランスのとれた食事

疲労回復のためには、一日3食をしっかり食べ、栄養バランスの偏りがない食事を心がけましょう。疲労回復に効果がある栄養素の一つがビタミンB1です。ビタミンB1はエネルギーのもととなる糖質の代謝をサポートします。ビタミンB1は豚肉や玄米、かつお節、ごまなどに多く含まれています。

また、鶏むね肉やカツオに含まれるイミダゾールジペプチド(イミダペプチド)は抗酸化作用を持ち、疲労軽減に役立ちます。イミダゾールジペプチドを効率良く摂取するためには、焼く、蒸す、ゆでるなどの調理法がおすすめです。

3.疲労を回復させるおすすめレシピ

疲れを和らげるためには、体内のエネルギー代謝を助け、疲労軽減をサポートする栄養素を積極的に摂りましょう。ここでは、疲労回復にぴったりのおすすめメニューを2つ紹介します。

3-1. 枝豆つくねのおろし添え

ビタミンB1が豊富な枝豆と、イミダゾールペプチドを含む鶏肉を使った料理です。さっぱりした味が好きな方は、大根おろしにポン酢をかけるのもおすすめです。

【材料】2~3人分

  • ・枝豆(冷凍) 200g

  • ・鶏ひき肉 250g

  • ・長ねぎ 5cm

  • ・しょうが 1/2片

  • ・大根 4cm

  • ・サラダ油 大さじ1

【A】

  • ・片栗粉 大さじ1

  • ・酒 大さじ1

  • ・しょうゆ 大さじ1

  • ・塩 適量

【作り方】

  • 1. 冷凍の枝豆は解凍し、豆をさやから取り出しておきます。

  • 2. 長ねぎはみじん切りに、しょうがと大根はそれぞれすりおろします。すりおろした大根は水気を軽く切っておきましょう。

  • 3. 枝豆、鶏ひき肉、【A】をボウルに入れ、全体に粘り気が出るまでしっかりと混ぜます。8等分に分け、丸い形にしてつくねを作ります。

  • 4. サラダ油を熱したフライパンにつくねを入れて中火で焼きます。表面に焼き色が付いたらひっくり返し、ふたをしてつくねに火が通るまで6~7分ほど弱火で蒸し焼きにします。

  • 5. つくねを器に盛り付け、大根おろしを添えて完成です。

3-2.かぼちゃと豚肉のトマトカレー煮

豚肉からビタミンB1、大豆から鉄分を摂取できる、見た目も鮮やかな野菜たっぷりのカレー煮です。サワークリームの代わりに、生クリームや牛乳、プレーンヨーグルトを使うのもおすすめです。

【材料】2人分

  • ・かぼちゃ 1/8個

  • ・豚肉もも肉(薄切り) 80g

  • ・ほうれん草 1/3把

  • ・水煮大豆 80g

  • ・にんにくのみじん切り 1/2かけ分

  • ・オリーブ油 大さじ1

  • ・カットトマト缶(400g) 1/2缶

  • ・チキンコンソメの素 1個

  • ・しょうゆ 小さじ2

  • ・カレー粉 大さじ2

  • ・サワークリーム 大さじ2

  • ・ご飯 1膳分

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

【作り方】

  • 1. かぼちゃは種とワタを取って薄切りにします。豚もも肉は一口サイズに切り、塩、こしょうで下味を付けます。

  • 2. ほうれん草はゆでてから、2cm幅に切ります。

  • 3. フライパンを熱し、オリーブ油とにんにくのみじん切りを入れ、香りが出てきたら豚もも肉を入れて炒めます。

  • 4. 豚もも肉に火が通ってきたら、1のかぼちゃと水煮大豆を加えて軽く炒め、ひたひたになるほどの水を加えて煮ます。

  • 5. かぼちゃに竹串がすっと通るくらいまでやわらかくなったら、トマト缶、チキンコンソメの素、しょうゆを入れてさらに10分ほど煮て、カレー粉とサワークリーム、ほうれん草を加えて混ぜ合わせます。

  • 6. 抜き型を利用してご飯を皿に盛り付け、カレー煮を添えて完成です。

しっかり疲労回復するためにも毎日の習慣を見直そう

疲労は体の活動能力が低下した状態です。体や心などの疲れがありますが、それぞれが絡み合って疲労が積み重なると、回復にも時間がかかってしまいます。疲労回復のためには、しっかりと休養・栄養を摂りましょう。

心身をリフレッシュさせるため、バランスの良い食事やゆっくりとお風呂につかるのもよいでしょう。日々の習慣を見直して、積極的に疲労回復できる時間を作りましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医