1.タウリンとは?
タウリンは、含硫アミノ酸様化合物の一種です。体内では筋肉をはじめ、脳・神経・目といったさまざまな部位に存在し、それぞれの細胞の働きをサポートします。タウリンは水溶性の物質で、栄養ドリンクの有効成分としてもよく知られている栄養素です。
タウリンを摂取すると、おもに以下のような効果が期待できます。
タウリンは目の網膜や視神経の保護や目の筋肉の緊張をほぐして疲れ目を和らげ、肝臓の働きをサポートします。このほか、乱れた生活習慣への対策としても注目され、血圧やコレステロールへの作用も報告されています。
滋養や健康に良い栄養素として、積極的に摂取したい成分だといえるでしょう。
2.タウリンを多く含むおもな食材
タウリンは、ほたて・たこ・イカ・まぐろ・さけ・さば・エビなどの魚介類に多く含まれています。タウリンは水に溶ける性質があるため、スープや鍋など汁ごと食べられる料理だと、手軽にタウリンを摂取できるでしょう。
いつまでも元気な体を作るためにも、疲れた肝臓や目をいたわる食生活を始めてみるのはいかがでしょうか。
3.タウリンをおいしく摂取できるレシピ3選
ここでは、タウリンが豊富な魚や貝を使ったレシピを3つ紹介します。どれも簡単なため、気軽に試してみてください。
3-1.たこのさっぱりピリ辛煮
唐辛子がアクセントのさっぱり煮です。酢で煮込むため、鍋はアルミ製以外のものを使いましょう。アルミ製を使うと、鍋に穴が開くおそれがあります。
【材料】2人分
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・ゆでだこ 150g
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・砂糖 大さじ1
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・酢 大さじ1/2
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・しょうゆ 大さじ1
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・酒 大さじ1
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・赤唐辛子 1/2本
【作り方】
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1. たこは一口サイズに切り、赤唐辛子は種を取り除き、輪切りにします。
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2. 砂糖・酢・しょうゆ・酒・赤唐辛子を鍋に入れて、中火で加熱します。煮立ったら鍋にたこを入れ、再び煮立てたら蓋をして弱火でさらに3~4分煮ます。
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3. 時折、鍋をゆするようにしながら、煮汁が少なくなるまで煮たら火を止めます。器に盛り付けたら完成です。
3-2.炙りほたて貝柱のわさびドレッシングマリネ
白ワインやハイボールに良く合う、おつまみにぴったりな一品です。
使うほたてには、生食用の新鮮なものがおすすめですが、加熱用で作るときは、ほたての中心部までしっかりと火を通してから、マリネしましょう。
【材料】2人分
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・ほたて貝柱(生食用) 150g
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・塩 少々
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・こしょう 少々
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・わさび 小さじ1
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・レモン汁 大さじ2
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・オリーブ油 大さじ1
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・ベビーリーフ 1/2袋
【作り方】
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1. わさびとレモン汁をボウルに入れ、わさびを溶かすように混ぜ合わせます。そこに、よく混ぜながらオリーブ油を少しずつ加えてドレッシングを作ります。
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2. 水気をふき取ったほたて貝柱に、塩・こしょうを軽くふります。網に載せたら直火で両面を炙り、表面が白っぽく、焼き色が付いたら熱いうちに1のドレッシングに漬けます。
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3. ほたての粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて、しっかりと冷やします。皿に盛り付け、ベビーリーフを添えたら完成です。
3-3.アヒポキ
マグロとアボカドを使ったアヒポキは、彩り鮮やかな一品です。ごまとねぎの香りが食欲をそそります。
【材料】2人分
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・マグロ(刺身用) 120g
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・アボカド 1/2個
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・サラダ菜 2枚
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・レモン 適量
(A)
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・しょうゆ 大さじ1
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・ごま油 大さじ1
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・レモン汁 適量
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・白ごま 適量
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・刻みねぎ 適量
【作り方】
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1. まぐろは1cm角に切り、種と皮を取り除いたアボカドも、同じサイズのサイコロ状に切ります。
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2. まぐろとアボカドに(A)を加え、しっかりと混ぜ合わせます。
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3. サラダ菜と2を皿に盛り付け、レモンを添えて完成です。
タウリン豊富な食材で元気な暮らしをサポート
魚介類に多く含まれるタウリンは、含硫アミノ酸様化合物の一種で、目や肝臓の健康維持に役立つ栄養素です。
タウリンは肝臓の働きを助けるため、疲れた肝臓をいたわる成分として栄養ドリンクなどに配合されていますが、血圧やコレステロールを下げる効果も期待されています。
また、デスクワークや長時間の車の運転で酷使した目の疲れも、和らげてくれます。普段の食事に積極的に魚や貝類を取り入れて、目や肝臓にも優しい食生活につなげましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。