集中力を高める方法とは?
低下する原因や摂取したい栄養成分・食べ物について解説

頑張りたい気持ちはあるのに集中力がなくなり、歯がゆく苛立たしい思いをしてしまう方も多いのではないでしょうか。

本記事では集中力はどの程度続くものか、集中力を欠く原因は何か、集中力を高めるためにはどうすればよいのかを紹介します。集中力を上手にコントロールして、仕事の質の向上や無駄な時間の削減をしていきましょう。

1.人の集中力はどれくらいなのか?

そもそも人はどのくらい集中できるものなのでしょうか。

一般的には、成人の集中力の持続時間は平均して50分程度といわれています。ちょうど小学校や中学校の授業1限分ほどの時間です。ただし、常に同レベルの集中力を50分間保てるというわけではありません。

50分間のなかでも集中力には波があります。およそ15分は高いレベルの集中を保つことができますが、その後1~2分程度は一度集中力が落ちます。そして再び15分程度の高い集中というサイクルで集中力を50分間維持するのです。

つまり、集中できる15分×3回(計45分)に集中力低下タイム(計5分)を加えた時間が、人の平均的な集中力持続時間となります。

2.集中力が低下するおもな原因

集中できる時間が50分に満たない方は、集中力を低下させる何らかの原因を抱えているかもしれません。ここでは3つの項目にわけて、集中力を妨げるおもな原因を紹介します。

2-1.栄養不足

脳に十分な栄養が足りていないと集中力を低下させます。脳のおもなエネルギーはブドウ糖です。ブドウ糖は脳に活動に重要な神経細胞の原動力となっています。

ブドウ糖は、糖質の食べ物を摂取した際に消化吸収によって産生されるものです。そのため、炭水化物を抜くダイエットをしている方などは、ブドウ糖をはじめとした糖質不足から集中力の低下に陥りやすいので注意が必要です。

2-2.睡眠不足

睡眠不足はあらゆる体調不良を引き起こしますが、集中力低下もその一つです。 近年、夜型生活の人が増加傾向にあり、平成29年の国民健康・栄養調査では、睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は、平成21年からの推移から見ても増加しています。

当然ながら疲労した状態や眠気のある状態では集中力を発揮できません。
また睡眠不足は身体だけでなく精神的な不調もまねきます。良質な睡眠を取り、しっかり身体を休めることが大切です。

2-3.気が散る環境

心身ともに健やかであったとしても、騒音による生活環境が劣悪の場合は集中力を保つことが難しいでしょう。

身体や精神だけでなく、環境を整えることも重要です。

3.集中力を高めるのに良いとされる栄養成分と食べ物

集中力を高めるためには、脳のエネルギー源であるブドウ糖を摂取することが大切ですが、ほかにも脳の働きをサポートする栄養成分があります。
ここでは集中力アップに役立つ栄養成分と、それらを含む食べ物を紹介します。

3-1.ビタミンB1

糖質の代謝に関わる栄養成分です。糖質は代謝されエネルギーに変換されることで、脳の活動の源になります。ビタミンB1を多く含む食べ物として、豚肉、うなぎ、ごまなどの摂取がおすすめです。

3-2.鉄分

鉄欠乏性貧血は集中力を低下させる原因の一つです。貧血に伴う、酸素供給不足が原因と考えられます。赤身肉やアサリ、魚を食生活に取り入れ貧血対策をすることで、集中力アップのサポートになるでしょう。

心身と環境を整えて集中力アップ!

人の集中力の持続時間は平均して50分といわれています。
普段の集中力がこれに満たない場合は、身体と精神・環境のメンテナンスが必要です。

十分な栄養摂取で脳のエネルギーを確保し、良質な睡眠で身体を休めます。
また騒音のない場所で作業するなど、集中力を高めるための環境整備も欠かせません。

勉強や仕事の質の向上や、時間の無駄遣いを減らすため、集中力を高めていきましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。