若さを保つ秘訣は?健康を保つ生活習慣について紹介

「いつまでも若々しい姿でいたい」というのは多くの人が願うことでしょう。同じ年齢でも実年齢より老けて見える人もいれば、若く見える人もいます。この違いはいったい何でしょうか。

実は、見た目の若さには血管が関係しているとされています。そのため、意識すべきは実年齢ではなく、血管年齢なのです。

今回は血管年齢が老いや若さにもたらす影響、若さと健康を保つための生活習慣についてご紹介します。

1.若さは実年齢より血管年齢が重要

体全体の衰えと血管の老化にはどのような関係があるのでしょうか。

血管は、心臓から送り出される血液を体の各所へ送るための通り道で、加齢とともに硬化する傾向が見られます。健康的な生活習慣を心がけている人は、血管も年齢にともなって自然に老化していくものです。

しかし、過食や運動不足など不摂生な生活を送っていると、実際の年齢を超えて血管の老化を促進し、動脈の血管が硬くなり弾力性が失われるおそれがあります。

つまり、体の衰えは血管の硬さによっても左右されやすいと考えられているのです。

2.血管の若さが健康に与える影響

血管の硬さに影響することは、おもに2つあります。

1つは、血管自体が加齢や生活習慣の影響により硬くなることです。硬くなった血管は簡単にはもとに戻りにくいとされています。

もう1つは、血管自体はそれほど硬くなくても血圧の影響で血管に圧力がかかっていたり、喫煙やストレスの影響で血管が縮んで硬くなったりすることです。これらは一時的な症状であるため、リスク要因を取り除くことで改善が期待できます。

血管がしなやかであると、栄養や酸素が全身へいきわたりやすくなるため活力がみなぎり、疲労物質などの排出により肌や髪にもつやが出て、見た目の若々しさにつながっていくのです。

3.若さと健康を保つ生活習慣

若さと健康を保つには、血管をしなやかにするという意識がカギを握るでしょう。ここからは、それらを実現するための生活習慣について具体的に解説します。

3-1.食生活の見直し

  • 抗酸化成分を取り入れる

    悪玉コレステロールは、活性酸素によって酸化すると血管の壁を傷つけ、健康な血管がもともと持っている血管拡張作用を損なうおそれがあります。そのため、活性酸素を取り除く抗酸化成分を食品から摂ることが大切です。 抗酸化成分を含む食品には、トマト・かぼちゃ・モロヘイヤなど色の濃い野菜、オリーブオイルや赤ワインなどがあります。

  • 飽和脂肪酸を控える

    悪玉コレステロールを下げるためには、飽和脂肪酸を控えることが重要とされています。そのため、これを多く含むラードや肉の脂身、鶏肉の皮、乳脂肪やココナッツミルクなどは量を控えるようにしましょう。赤身肉を選び、乳製品は低脂肪タイプを選ぶことがおすすめです。

  • 減塩

    塩分を摂りすぎることは、血圧を上げるだけでなく、血管にダメージを与える原因となることが知られています。そのため、塩分に気をつけることは、しなやかな血管づくりに一役買うことになるのです。

    減塩のポイントは調味料の工夫をする、汁物や麺類は控えめにする、外食は味が濃いためなるべく自炊するなどが挙げられます。

    また、カリウムを積極的に摂取するのもおすすめです。カリウムは、食塩の主成分となるナトリウムを排出させることにつながります。カリウムを多く含む食品は大豆製品・いも類・かぼちゃ・ほうれんそう・さやいんげん・海藻・バナナなどです。

3-2.適度な運動

運動習慣がない人にとっては毎日の運動時間をつくることは難しいと感じられるかもしれませんが、まずは今よりも10分多く意識的に体を動かすことから始めてみましょう。
エスカレーターではなく階段を使う、テレビを見ながらのストレッチやトレーニングなど、日常生活に取り入れやすい運動がおすすめです。

3-3.ストレスをためない

ストレスも血管の収縮に影響するといわれています。性格としてはせっかち・競争心が強い・我慢しやすいなどの人はストレスがたまりやすい傾向があります。うまくストレス解消法を見つけて過ごしましょう。

3-4.禁煙

煙草の煙に含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、血管へ悪影響をおよぼすものです。具体的には、ニコチンは血管を収縮させて血流を減少させ、一酸化炭素は血管の内側の壁を傷つけてしまいます。また、活性酸素誘導物質により血栓(血の固まり)の形成が促進されるでしょう。

若さと健康を保つには日頃の積み重ねが大切

若さと健康を保つには、しなやかな血管を維持することが大切です。 若々しく日々を過ごすには、食生活の改善・運動習慣・禁煙・ストレスをためないことなどの積み重ねが大切です。今回お伝えした生活習慣を、ぜひ今から実践することで、いつまでも若々しい体を目指しましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり) 外科医として地方中核病院に勤務中。 消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。 資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医