季節の変わり目に鼻水が出る原因とは?
症状を和らげる予防方法を紹介

季節の変わり目になると、鼻がむずむずし、くしゃみや鼻水が出ることがあります。もしかしたら、これらの症状は花粉症や寒暖差アレルギーかもしれません。

また、今は症状が出ていなくても、ある日急に症状が現れる可能性もあります。つらい症状を予防するためには早めの対策が効果的です。

この記事では、季節の変わり目に鼻水が出る原因を解説するほか、鼻水の症状を予防するための方法を原因別に紹介します。

1.季節の変わり目に鼻水が出る原因とは?

季節が移り変わる時期は体調を崩しやすくなる方も多いでしょう。しかし、なかには風邪でもないのに鼻水に悩まされるケースがあるため注意が必要です。ここでは、季節の変わり目に鼻水が出る原因を2つ紹介します。

1-1.花粉症

花粉症はスギやヒノキなどの花粉が引き起こすアレルギー性の病気で、春や秋に発症しやすいのが特徴です。

体のなかに異物が入ると、それを取り除こうとして免疫反応が起こります。その反応が過剰に起こってしまった状態をアレルギーと呼び、アレルギーを引き起こす異物がスギやヒノキなどの花粉であれば花粉症です。

花粉症では、おもに以下のような症状が現れます。

  • ・くしゃみ

  • ・鼻づまり

  • ・鼻水

  • ・目のかゆみ

スギやヒノキの花粉が飛ぶシーズンは、東京で2~5月初め頃です。スギ花粉なら3月、ヒノキ花粉なら4月がピークとされています。気温が高く、春一番とも呼ばれる暖かい南風が吹く日は、特に花粉が多く飛ぶため気を付けましょう。

加えて、以下のような日にも花粉症の症状が出やすくなります。

  • ・最高気温が高い日

  • ・前日に雨が降った晴天の日

  • ・風が強く乾燥した天気の良い日

スギ花粉やヒノキ花粉の飛散時期が過ぎても症状が続くときは、草の花粉やハウスダストが原因かもしれません。ブタクサやヨモギなどキク科植物による花粉症は、秋に症状が現れやすいです。なお、花粉の種類が違っても、春と秋で症状の違いは概ね変わりません。

1-2.寒暖差アレルギー

昼は暖かいのに夜は冷え込むといったように、昼夜の温度差が大きい日が続くときは寒暖差アレルギーに気を付けましょう。寒暖差アレルギーは特に成人女性に多いとされていますが、まだ発症原因は明らかにされていません。

ただし、昼夜で約7度以上の寒暖差があると、自律神経のバランスが崩れて鼻炎症状が現れると考えられています。さらに、温度差だけでなく、精神的なストレス、タバコ、排気ガスなども寒暖差アレルギーの発症につながることがあるでしょう。

寒暖差アレルギーの症状は以下のとおりです。

  • ・くしゃみ

  • ・鼻づまり

  • ・鼻水

  • ・だるさ

  • ・食欲不振

2.季節の変わり目の鼻水を予防する方法

鼻水や鼻づまりはつらいだけではなく、睡眠障害や仕事のパフォーマンス低下にもつながりかねません。季節の変わり目を心地良く過ごすためには、予防が大切です。ここでは、花粉症と寒暖差アレルギー、それぞれの特徴に合わせた予防法を紹介します。

2-1.花粉症の予防法

花粉が体のなかに入っても、すぐにアレルギー症状が出るわけではありません。花粉を取り込むことで作られる花粉への抗体が一定量に達すると、免疫が過剰に反応し花粉症を発症すると考えられています。

現在は症状がない方も花粉を多く取り込むと花粉症になる可能性があるため、早めの対策が大切です。

花粉が飛散するシーズンは、風邪を引かないよう心がけましょう。風邪を引くと、粘膜が弱くなり、アレルギー症状がひどくなることがあります。健康を保つためにも、睡眠不足や過労に気を付け、栄養バランスの整った食事を取りましょう。

外出時は体内に花粉を取り込まないように、マスクやメガネ、帽子を使用するのがおすすめです。洋服や髪の毛に付着した花粉は家に入る前によく払い落とし、帰宅後はうがい、手洗い、洗顔をして花粉を洗い流しましょう。

掃除や洗濯の工夫も、花粉症の予防につながります。花粉が舞い上がらないように、濡れた雑巾やモップで拭き掃除をするのも効果的です。また、洗濯物はなるべく家の中に干しましょう。布団を外に干す場合は、取り込む際に掃除機をかけると、ある程度の花粉を取り除けます。

2-2.寒暖差アレルギーの予防法

寒暖差アレルギーの予防のためには、温度差を小さくして血行を良くしましょう。部屋が寒い場合は、エアコンなどで事前に暖めておくと症状が出にくくなります。また、外出時は羽織れるものを携帯し、こまめに体温調節をしましょう。

ストレッチのような軽い運動をしたり、ショウガやトウガラシなどの体を温めるものを食べたりすると血行が良くなります。ストールや膝かけなどを活用し、体が冷えないようにしましょう。

また、生活習慣を見直して自律神経を整えることも効果的です。質の良い睡眠を十分に取り、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど栄養バランスの良い食事を心がけるといった、規則正しい生活を送りましょう。

この他、精神的なストレスも自律神経に悪影響を与えるため、自分に合ったストレス解消法を見つけておくのもおすすめです。

鼻水への対策で季節の変わり目を快適に

くしゃみや鼻水の症状が現れると、熟睡できなかったり、仕事のパフォーマンスが下がってしまったりすることがあります。そのため、症状が現れる前からの対策が重要です。

花粉症を予防するには、家の中や外で花粉に触れる機会を減らす工夫をしましょう。また、温度差を小さくしたり、自律神経を整えたりすると寒暖差アレルギーの予防につながります。不快な鼻水への対策を行なって、季節の変わり目を気持ち良く過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。