痩せたい人必見!
エネルギーの基礎知識や日常生活で実践できる方法を解説

「体重を減らしたい」と思ったことがある人は少なくないでしょう。そのような人はそもそも痩せる必要があるのかどうかを確認することや、エネルギー(カロリー)について理解することが大切です。

今回は、エネルギーの基礎知識や、ダイエットのためにおすすめしたい生活習慣についてお伝えします。

1.痩せたいならまずはエネルギー(カロリー)について理解しよう

痩せたいと思ったときには、食品のエネルギー(カロリー)を気にする人も多いでしょう。ここでは、エネルギー(カロリー)の基本的な知識やダイエットとの関連について解説します。

1-1.エネルギー(カロリー)とは

私たちが食事から摂取するエネルギーは、生命機能の維持や身体活動に使われます。つまりエネルギーとは、生きるため、体を動かすために必要な栄養素ということです。

エネルギー摂取量は、食品に含まれる炭水化物・たんぱく質・脂質の各栄養素について、1gあたりの消費エネルギー量を総合して求められます。

なお、24時間相当の総エネルギー消費量は、大きく分けると以下の3つが存在します。

  • ・基礎代謝(約60%)

  • ・身体活動量(約30%)

  • ・食事誘発性熱産生(約10%)

基礎代謝とは、呼吸をしたり体温を維持したりするために安静状態でも常に使っているエネルギーで、食事誘発性熱産生は、その名のとおり食後の消化吸収時に発生するエネルギーです。

身体活動によるエネルギー消費は、意識して行なう運動と、家事などの日常生活活動の大きく2つに分けられます。

食事からの摂取エネルギーよりも、身体活動などで消費するエネルギーが上回ることで体重を減らすことができるのです。

1-2.本当に痩せる必要があるのか?

「痩せたい」と思ったときは、そもそも本当に減量が必要なのかどうかを確認することから始めてみましょう。

肥満度の指標としては、「BMI」が用いられます。

BMIの数値は、「体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)」で求められ、例えば体重60kg、身長160cmの人はBMIが23.4と算出されます。

18~49歳では18.5~24.9、50~69歳は20.0~24.9、70歳以上は21.5~24.9が適正範囲であり、BMIがこの範囲にあれば食事量の大幅な変更は必要ないでしょう。

しかしBMIが適正範囲内であっても、腹囲の数値が基準値を超えていたり血圧や血糖値が高めだったりする場合や、体力や気力の衰えを感じたりする場合などは食事内容や生活習慣を見直してみましょう。体重が3~4%ほど減量するだけでも、検査値の異常は改善しやすいといわれています。

2.痩せたい人へおすすめのダイエット方法

ここからは、具体的なダイエットの方法についてお伝えします。痩せる必要があるけどなかなか難しいという人はぜひ参考にしてください。

2-1.食事のバランスや腸内環境を整える

減量のための食事コントロールでは、特定の食品を抜く、欠食するなどの極端な食事制限は推奨されていません。リバウンドの恐れがあるだけでなく、健康を損なう可能性があるためです。

主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事を基本とし、調理方法を工夫したり、お菓子やアルコールの摂り方を見直したりと、無理のない範囲で取り組みましょう。

また、腸内環境が体型に影響する要素の一つであると示唆された研究があります。

腸内には、体にとっての有害物質を出す悪玉菌と、健康に寄与する働きをする善玉菌がいます。どちらも必要な菌ですが、善玉菌を増やすような食事や生活習慣を心がけることで、太りにくい体へつながる可能性があるのです。

腸内の悪玉菌が好むような高脂肪・高糖質の食品(肉類・ケーキ・スナック菓子など)は控えて、善玉菌が好むような食物繊維が多い食品(野菜・果物・穀物・海藻など)や発酵食品(漬物・納豆・ヨーグルト・味噌など)を意識して摂りましょう。

2-2.有酸素運動+筋トレでエネルギー消費を高める

身体活動を精力的に行なうことで、エネルギー消費量を高く保てるだけでなく、筋肉量が減っていくのを遅らせることにもつながります。

身体活動量は、運動量を増やすほかに家事などでなるべく動くことでも、消費エネルギーを増やすことができます。つまり、こまめに動くことも肥満予防につながるということです。

また、筋肉量を増やすには、ウォーキングなどに代表される有酸素運動に加えて、筋トレを併せて行なうことが効果的とされています。

2-3.6時間以上の睡眠をとり食欲を抑える

睡眠時間は食欲に影響しやすいとされています。健康な人でも一日10時間眠った日に比べて、寝不足(4時間睡眠)をたった2日続けただけで、レプチンという食欲を抑えるホルモンが減少し、グレリンという食欲を高めるホルモンの分泌が亢進しやすく、食欲の増進につながることがわかっているのです。

また、慢性的に寝不足が続いている人は、糖尿病などの生活習慣病に罹患するリスクが上がることも示唆されています。

睡眠習慣に問題があるという人は、放置せず医療機関への相談も検討してみましょう。

痩せたいなら食事・運動・睡眠の習慣を整えることが大切

健康的に痩せるためには、食事のバランスを整えること、有酸素運動や筋トレで消費エネルギーを増やすこと、また睡眠をしっかりとることが大切です。

特に食生活においては、リバウンドや健康を損なう恐れもあることから、欠食や特定の栄養素を抜くことは控えましょう。

「肥満」でも「痩せ過ぎ」でも、どちらでも健康を損なう恐れがあります。そのため、適正体重を維持することを心がけましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。