黒酢とは?効能や摂取する際のポイントについて解説

古くから、健康的な体を維持する食材として注目されている黒酢。特に、美容や健康に敏感な方から高い人気があります。

黒酢には、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。さらに、他の酢との違いにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

そこで今回は、黒酢の効果や摂取する際のポイントについて解説します。

1.黒酢とは?

そもそも黒酢とは、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、黒酢の特徴や他の酢との違いについて解説します。

1-1.黒酢は穀物酢の一種

食酢の多くは、穀類や果実などの原料を発酵して作る醸造酢です。醸造酢は、穀物酢と果実酢に分類され、穀物酢には米酢と米黒酢・大麦黒酢があります。

米酢の原料は精米ですが、黒酢の原料は玄米や精米度の低い米、大麦などです。

黒酢には、健康的な体をサポートするための酢酸・アミノ酸・ビタミン・ミネラルなどが含まれています。さらに、熟成過程で生み出される黒酢もろみには、これらの成分のほかに食物繊維も含まれており、豊富な栄養素が魅力です。

また黒酢と黒酢もろみには、9種類の必須アミノ酸も含まれています。この必須アミノ酸は体内で合成できない成分のため、外から補うことが大切です。

アミノ酸は、健康的な体を維持するために必要なタンパク質の材料になるため、積極的に取り入れましょう。

1-2.黒酢と他の酢の違い

黒酢と他の酢の違いは、色味と香り、栄養素です。

他の酢は薄い黄色ですが、黒酢は琥珀色。熟成すればするほど、濃い琥珀色に変化します。他の酢よりもまろやかで芳醇な香りが黒酢の特徴です。また、アミノ酸やビタミンなどさまざまな栄養が含まれています。

他の酢で飲みやすいものには、リンゴ酢をはじめとした果実酢があります。リンゴ酢は、フルーティーな甘みとまろやかな香りで女性に人気です。しかし、穀物を使っていないリンゴ酢は、アミノ酸が少量しか含まれていません。

2.黒酢の摂取で期待できる効能

黒酢を摂取すると、さまざまな効能が期待できるとされています。期待できる効能としては、血糖値上昇の抑制があります。黒酢を摂取することで、運動後30分や就寝時の肉体的疲労感が改善されたとの報告があります。さらに、就寝時と起床時の肩こり改善の効果もあるようです。

血圧を下げる作用は、黒酢特有の成分ではなく酢酸の影響と考えられます。このように黒酢を摂取することで、健康的な体を維持できるでしょう。

3.黒酢を摂取する際のポイント

ここでは、黒酢を摂取する際に知っておきたいポイントについて解説します。

3-1.一日の目安摂取量

黒酢の一日の摂取量は、20~30mLが目安とされています。しかし摂取する際は、原液のまま飲むのは避けましょう。

黒酢は酸性のため、薄めずにそのまま摂取すると、胃や食道などの消化器官に負担をかける可能性があります。黒酢を摂取する際には、約5倍に薄めて飲むのがおすすめです。

毎日飲むのであれば、毎食後に飲むとよいでしょう。

3-2.黒酢をおいしく摂取する方法

黒酢を飲む場合、水やお湯で薄める方もいるでしょう。しかし、よりおいしくするのであれば、水やお湯にハチミツを入れてマイルドにしたり、牛乳で薄めたりするのもおすすめです。

さらにオレンジジュースや野菜ジュースなどで薄めて飲むと、より飲みやすいでしょう。

糖分が気になる人は、ジュースに含まれる糖分をチェックすることが大切です。

またサラダにかけたり、調味料として使ったりするのもおすすめ。

このように工夫することで、無理なく黒酢を摂取できるようになるでしょう。

黒酢をおいしく摂取して元気な毎日へ

黒酢には、健康的な体を維持するために必要なアミノ酸などの栄養素が、豊富に含まれています。また、疲労や肩こりの改善などの作用も期待できるところが魅力です。

黒酢を飲み慣れていない方でも、好みの飲み物で薄めたりサラダにかけたりすることで、無理なく摂取できるでしょう。

ただし、摂取する場合は消化器への影響から、原液の状態ではなく、5倍程度に薄めることが必要です。

元気な毎日を過ごしたい方は、毎日の食生活に取り入れることをおすすめします。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医