プロポリスとは?
含まれている栄養や体内での働きについて解説

健康を気にする方のなかには、プロポリスが体に良いと耳にしたことがある方もいるでしょう。また、プロポリスがハチに関係する成分であることは知っているものの、詳しくは知らないという方は意外と多いかもしれません。

この記事ではプロポリスとはどのようなものか、プロポリスに含まれる成分に着目して説明します。

1.プロポリスとは

プロポリスは、ミツバチが作り出す天然の防衛物質として知られています。ミツバチが巣の中を清潔に保って、外敵から身を守るために必要となる成分です。

おもにプロポリスは薬草や樹木など新芽からミツバチにより作られることがわかっており、ハチの巣の入口にある黒い塊のようなものに含まれています。

2.プロポリスに含まれる栄養素と体内での働き

天然の防衛物質と知られるプロポリスですが、実際にどのような成分が含まれているのでしょうか。

実は、プロポリスにはアミノ酸やビタミンなどさまざまな成分が含まれているといわれています。

ここからは、プロポリスに含まれる成分のなかでもアミノ酸、ビタミン、ミネラル、フラボノイドについて説明します。

2-1.アミノ酸

アミノ酸はタンパク質を構成する成分のことです。アミノ酸は20種類あり、そのうちのどれか一つでも欠けてしまうとタンパク質を生成できなくなります。

タンパク質は筋肉や臓器など体の構成成分であり、体内の酵素や抗体などもタンパク質で構成されることから、生命維持に欠かせないものだといえるでしょう。

アミノ酸には体内で作ることができない必須アミノ酸と、体内で作ることができる非必須アミノ酸とがあり、必須アミノ酸は、一般的な食事をしていれば基本的に不足する心配はないと考えられています。

また、必須アミノ酸のなかのバリン、ロイシン、イソロイシンは、筋肉を増やす点において重要なBCAAと呼ばれ、まぐろやかつお、鶏肉や牛肉などに多く含まれる成分です。

2-2.ビタミン

ビタミンは体内で酵素の働きをサポートし、体の機能を正常に保つために必要な栄養素です。

ビタミンには、ビタミンB群やビタミンCといった血液や体液に含まれる水溶性ビタミン、ビタミンAやビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂肪組織や肝臓に含まれる脂溶性ビタミンがあります。どちらも体内ではほぼ生成できないことから、食事による摂取が必要です。

ビタミンは野菜や肉などさまざまな食品に含まれています。一般的な食事をしていれば欠乏するケースは少ないですが、食品ごとで含まれる量や種類が異なること、調理方法によって失われることもあるため、多くの食品を偏りなく食べることが大切です。

2-3.ミネラル

カルシウムやカリウム、リン、マグネシウム、鉄などがミネラルや無機質と呼ばれています。

おもに酸素や炭素、水素や窒素といった4元素が体の構成成分として知られていますが、ミネラルはこの4元素以外のものです。

ミネラルが不足するとさまざまな体調不良につながりますが、過剰摂取により中毒となることがあります。ミネラル同士で相互作用が起こることもあるため、普段から丁度良い摂取量を保つべき栄養素です。

ミネラルは体内で生成することができないため、ビタミンと同じく、食事により摂取する必要があります。

2-4.フラボノイド

フラボノイドは植物の成長に必要な成分であり、人間の体内では生成できない成分です。

レモンやオレンジなどにもフラボノイドが含まれており、体内でさまざまな働きをするファイトケミカル(植物性化学物質)として知られています。

フラボノイド以外のファイトケミカルには、大豆に含まれるイソフラボン、ゴマ含まれるセサミン、ネギやニンニクなどに含まれる硫化アリルなどがあり、各植物に特有のファイトケミカルが存在しています。

プロポリスには健康維持に役立つ成分が多く含まれている

プロポリスとはどのようなものか、プロポリスに含まれる成分について説明しました。

プロポリスはミツバチが外敵から身を守るために作り出す天然の防衛物質です。

プロポリスには数百種類の成分が存在し、生命維持に欠かせないタンパク質を作るアミノ酸や体の機能維持を助けるビタミン、不足するとさまざまな不調につながるミネラルなどが含まれています。

ファイトケミカルの一つであるフラボノイドもプロポリスも含まれているため、より効率的に健康維持をしていきたい方にとって、プロポリスは心強い味方になるでしょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医