目次
1.イミダゾールペプチドとは?
イミダゾールペプチドとは、構造中にイミダゾール基を持つジペプチド(ペプチドが2つつながったもの)です。
イミダゾールペプチドにはカルノシンやアンセリン、バレニン、ホモカルノシンなどいくつかの種類が存在します。
イミダゾールペプチドは、おもに動物の脳や心臓、皮膚、肝臓、腎臓、骨格筋に含まれています。アンセリンは鶏肉、カルノシンは豚肉から摂取できます。
また、イミダゾールペプチドは活性酸素を除去する抗酸化物質としても知られています。
イキイキと元気に過ごすための健康食品や、運動をする方向けのサプリメントに配合されている成分にイミダゾールペプチドがあります。
イミダゾールペプチドは、年齢を重ねてもイキイキとした生活を支え、生活習慣に悩む方のサポートにも有効です。
今回は、イミダゾールペプチドの効果、イミダゾールペプチドを多く含む食品を紹介します。
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イミダゾールペプチドとは、構造中にイミダゾール基を持つジペプチド(ペプチドが2つつながったもの)です。
イミダゾールペプチドにはカルノシンやアンセリン、バレニン、ホモカルノシンなどいくつかの種類が存在します。
イミダゾールペプチドは、おもに動物の脳や心臓、皮膚、肝臓、腎臓、骨格筋に含まれています。アンセリンは鶏肉、カルノシンは豚肉から摂取できます。
また、イミダゾールペプチドは活性酸素を除去する抗酸化物質としても知られています。
イミダゾールペプチドには、健康をサポートする機能があると報告され、「生活習慣の影響による不調を改善する」「疲労を和らげる」という2つになります。本項では研究結果を交えながらイミダゾールペプチドの機能を見ていきましょう。
これまでの研究では、イミダゾールペプチドは抗炎症作用を持ち、生活習慣の影響による不調を改善する効果があることも示されています。
また、イミダゾールペプチドの一つであるアンセリンには、尿酸値を下げるはたらきがあるとわかっています。アンセリンは人間の体内にはほとんど存在せず、鶏や魚に多く含まれるイミダゾールペプチドです。血中尿酸が高めの男女70名がアンセリンを12週間摂取した対照試験の研究では、血液中の尿酸が低下することが報告されました。
このような研究結果から、鶏むね肉などのイミダゾールペプチドを多く含む食品の摂取量を増やすと、健康が向上し、長生きにつながると考えられています。
イミダゾールペプチドには体の疲れを和らげる機能が期待されています。
疲労を感じている207名の健康な成人に、含有量が異なる2種類のイミダゾールペプチド食品を8週間摂取させた研究では、より多くのイミダゾールペプチドを摂ったグループでVASと呼ばれる疲労度の評価指数が軽減しています。
また、健康な成人男性17名がイミダゾールペプチドの一種であるアンセリンが入った飲料を摂取して運動を行なうと、大腿直筋における筋電図の疲労角度指標(AFI)で示される疲労進行が抑えられることが明らかになっています。
日頃から疲労を感じている人や、運動を行なう人は意識してイミダゾールペプチドを摂ることがおすすめです。
生活習慣の影響による不調の改善、疲労軽減などの効果が期待されるイミダゾールペプチドを摂るにはどのような食品を選んだらよいのでしょうか。
イミダゾールペプチドのうち、カルノシンとアンセリンは酸化から守る力や疲労を和らげ、血圧の上昇を抑えるはたらきがあります。これらは肉類に多く含まれており、含有量は以下のとおりです。
肉の種類・部位 | カルノシン含有量(mg/100g) | アンセリン含有量(mg/100g) |
---|---|---|
牛・もも | 262 | 3 |
豚・ロース | 899 | 29 |
豚・もも | 806 | 27 |
鶏・むね | 432 | 791 |
鶏・もも | 153 | 315 |
参照:日本食肉消費総合センター「お肉のあれこれミニ事典」
カルノシンは、豚ロース肉や豚もも肉、アンセリンは鶏むね肉や鶏もも肉などに多く含まれています。
また、イミダゾールペプチドは食肉だけでなく水産物にも多く含まれています。マグロやカツオ、サケなどに多く含有されているイミダゾールペプチドは、アンセリンです。
クジラ肉にもイミダゾールペプチドが含まれており、バレニンという抗酸化作用で疲労を軽減するはたらきがあります。
これらの食品をいつもの食事に追加することで、健康的な生活につなげましょう。
イミダゾールペプチドは抗酸化作用を持ち、疲労の改善が期待できます。年を重ねてもイキイキとした生活を支えるほか、生活習慣に悩む方のサポートにも有効です。
はつらつと元気な毎日を過ごしたい方は、イミダゾールペプチドを生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
成分
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