目次
1.ビタミンAの働き
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つで、おもに動物性食品に含まれます。構造の違いによりレチノール、レチナール、レチノイン酸に分類されます。
ビタミンAは、目の正常機能の維持、皮膚や粘膜の正常保持、成長や分化に関わる大切な栄養素です。
私たちは普段の食事より、ビタミンAなどさまざまな栄養素をバランス良く取り入れています。
ビタミンAの過剰症は通常の食事ではほとんど起こらないといわれていますが、ビタミンAを過剰に摂取した場合、体にどのような影響があるのでしょうか。
今回は、ビタミンAの過剰摂取による体への影響、一日の目安量を解説します。
目次
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つで、おもに動物性食品に含まれます。構造の違いによりレチノール、レチナール、レチノイン酸に分類されます。
ビタミンAは、目の正常機能の維持、皮膚や粘膜の正常保持、成長や分化に関わる大切な栄養素です。
ビタミンAは脂溶性のため、過剰に摂取すると体内に蓄積され、さまざまな健康障害を引き起こす可能性があります。
成人の場合は、吐き気、頭痛、めまい、目のかすみなどを引き起こします。長期間、過剰摂取すると、中枢神経系の影響や肝臓の異常、骨・皮膚の変化などが起こるおそれがあるでしょう。
ビタミンAはレチノールとして食品から摂取するほか、前駆体(ある化合物を合成する際に原料となる化学種)であるプロビタミンAとしても摂取します。プロビタミンAの代表的なものには、β-カロテンがあります。
β-カロテンからビタミンAへの変換は必要に応じて調整されているため、ビタミンAの過剰症は通常の食事ではほとんど起こりません。ただし、サプリメントを利用する場合は、容量を守って摂取しましょう。
先述のとおり、ビタミンAの過剰症は、通常の食事ではほとんど起こらないといわれています。しかし、脂溶性ビタミンであり体内に蓄積されやすいため、食事摂取基準において推定平均必要量や上限値が定められています。
ビタミンAの摂取基準には、レチノールやビタミンAの前駆体のすべてを合わせ、レチノール活性当量(RAE)にあたる算出値を用います。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、ビタミンAの食事摂取基準は以下のとおりです。
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
0~5カ月 | 300 | 600 | 300 | 600 | ||||
6~11カ月 | 400 | 600 | 400 | 600 | ||||
1~2歳 | 300 | 400 | 600 | 250 | 350 | 600 | ||
3~5歳 | 350 | 450 | 700 | 350 | 500 | 850 | ||
6~7歳 | 300 | 400 | 950 | 300 | 400 | 1200 | ||
8~9歳 | 350 | 500 | 1200 | 350 | 500 | 1500 | ||
10~11歳 | 450 | 600 | 1500 | 400 | 600 | 1900 | ||
12~14歳 | 550 | 800 | 2100 | 500 | 700 | 2500 | ||
15~17歳 | 650 | 900 | 2500 | 500 | 650 | 2800 | ||
18~29歳 | 600 | 850 | 2700 | 450 | 650 | 2700 | ||
30~49歳 | 650 | 900 | 2700 | 500 | 700 | 2700 | ||
50~64歳 | 650 | 900 | 2700 | 500 | 700 | 2700 | ||
65~74歳 | 600 | 850 | 2700 | 500 | 700 | 2700 | ||
75歳以上 | 550 | 800 | 2700 | 450 | 650 | 2700 | ||
妊婦(付加量)前期 | +0 | +0 | ||||||
妊婦(付加量)中期 | +0 | +0 | ||||||
妊婦(付加量)後期 | +60 | +80 | ||||||
授乳婦(付加量) | +300 | +450 |
※1歳未満は目安量
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が一日の必要量を満たすと推定される一日の摂取量
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンAは、脂溶性ビタミンの一つです。レチノールとして食品から摂取するほか、前駆体であるβ-カロテン(プロビタミンA)としても摂取します。
ビタミンAの過剰症は通常の食事を取る限りほとんど起こりません。ただ、サプリメントを利用する際は用量を守りましょう。
β-カロテンからのビタミンAへの変換は必要にともない調節されているため、β-カロテンによるビタミンAの過剰症を引き起こすことはないといわれています。
吐き気、頭痛、めまい、目のかすみなど症状がある場合は、ビタミンAの過剰摂取による可能性もあるため、注意しましょう。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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