1.ビタミンB6について
ビタミンB6のおもな働きや、一日の摂取目安量について解説します。
1-1.ビタミンB6の働き
ビタミンB6はピリドキシンとも呼ばれ、数多くの酵素の作用をサポートする「補酵素」としての働きを持っています。たんぱく質の代謝・合成や脂質の吸収を助けるほか、免疫系の維持にも役立つビタミンです。
1-2.ビタミンB6の一日の摂取目安量(18~69歳)
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一日に摂取するビタミンB6の推奨量は、18歳~69歳の男性では1.4mg、女性では1.1mgとされています。
上限量は、男性で55~60mg、女性で40~45mgです。
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が一日の必要量を満たすと推定される一日の摂取量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2.妊娠中のつわりとビタミンB6の関係性
ビタミンB6には、妊娠中に起こる吐き気や嘔吐といった、いわゆる「つわり」の症状を、軽減できる可能性があるとされています。
実際に、米国産科婦人科学会では、1回10~25mgのビタミンB6を一日3、4回投与する単剤療法を推奨しています。
ただし、ビタミンB6をサプリメントなどで摂取しようと考える場合には、過剰摂取などのおそれもあるため、あらかじめ主治医に相談してください。
3.ビタミンB6を多く含む食品とレシピ
ビタミンB6を豊富に含む食品や、ビタミンB6の多い食品を用いたレシピを紹介します。
3-1.ビタミンB6を多く含む食品
ビタミンB6は、かつお・まぐろの赤身・牛肉・鶏肉・豚肉・卵・牛乳・赤ピーマン・バナナなど、数多くの動物性・植物性食品に含まれています。
穀類では、玄米やとうもろこしもビタミンB6の多い食材です。さまざまな食品をバランス良く食べて、ビタミンB6を摂取していきましょう。
3-2.ビタミンB6が摂れるレシピ
ビタミンB6を豊富に含む食材を使ったレシピを紹介します。
【材料】2人分
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・かつおのタタキ 140g
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・きゅうり 1/2本
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・卵黄 1個
【A】
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・コチュジャン 小さじ2
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・砂糖 小さじ2.5
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・しょうゆ 小さじ1/2
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・ごま油 小さじ1
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・白ごま 適量
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・にんにく(すりおろし) 適量
【作り方】
具材を切って調味料にあえれば作れる簡単レシピなので、10分くらいで作ることができます。生魚であれば、かつおの代わりに、まぐろを使うのもおすすめです。
※一週間の摂取量や食べるお魚の種類には注意が必要です。詳しくは厚生労働省の以下のページを確認してください。
参考:厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」
つわりはビタミンB6を摂取して軽減させましょう
ビタミンB6がつわりを軽減する可能性については、まだ十分には解明されていませんが、複数の研究結果からつわりへの効果が期待されています。
妊娠中の女性にとって、必要な栄養素やエネルギーの摂取は非常に重要です。
魚類や肉類、穀類などさまざまな食品をバランス良く食事に取り入れて、ビタミンB6やその他の栄養素を摂取していきましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。