1.花粉症で目がかゆくなるのはアレルギー性結膜炎が原因
花粉症で目がかゆくなるのは、アレルギー性結膜炎の影響です。特に、花粉症によって起こるアレルギー性結膜炎を季節性アレルギー性結膜炎と呼んでいます。
花粉症になる原因としてスギ花粉が有名ですが、ほかにもヒノキやカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギの花粉なども挙げられます。毎年決まった時期に目がかゆくなるようなら、花粉による影響を考えてみましょう。
アレルギー性結膜炎には、ハウスダストやアレルゲンによって起こる通年性アレルギー性結膜炎のほか、アトピー性皮膚炎によるアトピー性結膜炎などもあります。
2.花粉症による目のかゆみの解消方法
花粉症による目のかゆみは、点眼薬や内服薬による治療、花粉が体内に入り込まないようにするセルフケアなどによって軽減することが可能です。
具体的にどのような方法で目のかゆみを解消できるのか、それぞれ見ていきましょう。
2-1.点眼薬をつけアレルギーを抑える薬を飲む
花粉症によるアレルギー性結膜炎の症状を抑えるためには、抗アレルギー剤の入った点眼薬が使用されます。薬の種類によってはしっかりと効果が出るまでに3日から2週間ほどかかるため、できるだけ花粉が飛散する前に点眼しましょう。
かゆみが治まったからといって自己判断で薬の使用を止めてしまうと、症状がぶりかえす可能性があります。快適な日々を送るためにも、医師や薬剤師の指示に従って使用することが大切です。
2-2.花粉をつけない・避けることが重要
花粉の飛散量が多い日は、マスクやメガネを着用して花粉が侵入するのを防ぎましょう。メガネは、花粉用のものではなくダテメガネや普段使っているものでも構いません。通常のメガネをかけるだけでも、目に入る花粉症の量を半分以下まで減らすことができます。
コンタクトレンズはレンズと結膜との間に花粉が入ってこすれてしまうため、できれば避けてください。
花粉が付着しにくい表面がスベスベした、生地の衣服を着るのも効果があります。ニットや毛織物ではなく、ポリエステルなどの素材を選ぶようにしましょう。
2-3.生活習慣を見直す
疲労や睡眠不足は、花粉症の症状が起きやすくなる原因です。喫煙なども鼻粘膜の状態を悪くするため、症状の悪化につながります。
目の粘膜を保護するためには、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。大葉や青魚、トマトなどの食材は粘膜の保護に役立つと言われています。
ネギやニラ、ショウガは花粉症の症状をやわらげるのに効果的といわれているため、これらも食卓に取り入れてみてください。
花粉症による目のかゆみは生活習慣を見直して乗り切ろう
花粉症で目がかゆくなるのは、花粉によってアレルギー性結膜炎を起こしていることが原因です。
目のかゆみを解消するためには、点眼薬や内服薬の使用が基本となります。その他、マスクやメガネを着用したり、ポリエステルなど表面がツルツルした素材の服を着たりすることも効果的です。
疲労を溜めこまず、しっかり睡眠を取ることも症状の緩和に効果があるため、花粉のシーズンが近づいてきたら生活習慣の見直しを行なって症状の悪化を防ぎましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医