カリウムの多い野菜とは?カリウムを効率よく摂取する方法も紹介

カリウムは、ヒトの体にとって必要なミネラルの一つであり、塩分を調整するうえで重要な役割を果たしています。

カリウムはあらゆる食品に含まれていますが、そのなかでも野菜には多く含まれているのです。
しかし、カリウムは水に溶けやすいため、調理法によっては摂取する量が減ってしまうこともあります。

では、野菜のなかでもカリウムを多く含む食材はどのようなものがあるのでしょうか。
効率よく摂取する方法も併せてご紹介します。

1.カリウムのおもな働き

そもそもカリウムとはどのような栄養素なのでしょうか。体内での働きについて解説しましょう。

1-1.カリウムとは

カリウム(potassium)とは、原子番号19で元素記号Kのアルカリ金属元素の一つです。
人体にとって必要なミネラルの一つであり、体内では浸透圧の調整などに関わっています。

カリウムは、成人の体内ではおよそ120~200g存在しています。そのうちの多くは遊離イオン、リン酸塩、タンパク質と結合した形で細胞内に存在しています。

また、カリウムのごく一部は細胞外液であるリンパなどや骨にも含まれていて、これらは細胞外液に多く含まれているナトリウムと、お互いに作用しながら浸透圧の維持・水分を保持など、体にとって大切な働きをしているのです。

1-2.カリウムの体内での働き

カリウムは、体内のナトリウムを外に出しやすくする働きがあります。
ナトリウムは食塩の状態で摂取されることがほとんどで、過剰に摂ってしまうと血圧の上昇やむくみの要因となりますが、カリウムを摂ることで塩分の摂りすぎを調整することができます。

また、カリウムは体液のpHバランスを保ち、神経や筋肉において興奮伝導にも関わっています。

2.カリウムを多く含む野菜

カリウムは野菜や果物に多く含まれていますが、どのような野菜に多く含まれているのでしょうか。
ここではカリウムを多く含む野菜と、いもおよびでんぷん類を、100g中に含まれているカリウム量と併せて紹介します。ぜひ食生活の参考にしてみてください。

2-1.野菜類

  • ・切り干し大根(乾):100g中3500mg

  • ・パセリ(葉/生):100g中1000mg

  • ・ブロッコリー(生):100g中460mg

  • ・えだまめ(冷凍):100g中650mg

  • ・西洋かぼちゃ(焼き):100g中570mg

2-2.いもおよびでんぷん類

  • ・さつまいも(蒸し切干):100g中980mg

  • ・フライドポテト:100g中660mg

  • ・さといも(生):100g中640mg

  • ・ながいも(生):100g中590mg

  • ・さつまいも(焼き):100g中540mg

3.カリウムを効率よく摂取する方法

カリウムは、先ほど紹介した食品のほかにも多くの食品に含まれていますが、特に海藻、果物、野菜、いもおよびでんぷん類、豆類、肉類、魚介類などに含まれています。
しかし、加工されることで次第に減少していくのです。

では、カリウムはどうしたら効率よく摂ることができるのでしょうか。

カリウムは水に溶けやすいため、煮たり茹でたりすることで水に溶け出します。そのため、煮汁ごととれる料理で摂取するとよいでしょう。カリウムはナトリウムを体外に出してくれるため、みそ汁などの食塩量が気になる場合は、カリウムを多く含む野菜をたくさん入れるのがおすすめです。

また、野菜は生のままサラダにして摂る、果物も缶詰などより生の状態で摂ることで、カリウムを効率よく摂ることができます。

カリウムの多い野菜を日頃から食べるようにしましょう

カリウムは、塩分の摂りすぎを調整してくれる重要な栄養素であり、さまざまな食品に含まれていますが、果物や野菜には特に多く含まれています。

カリウムは水溶性であるため、野菜からカリウムを摂る場合は、生野菜の状態または汁物などにして煮汁ごと摂るとよいでしょう。
今回紹介したカリウムを多く含む食品も参考に、日々の食事に取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医