お腹の張りの原因とは?
日常生活で気を付けることについても紹介

お腹の調子が崩れると、お腹の張りが起こることがあります。食事や生活の乱れは胃腸の働きに影響を与える原因の一つです。

お腹の不調を改善するためには、食事や運動などの生活習慣の見直しが有効です。

今回の記事では、お腹の張りを引き起こす原因、自分でできる日常生活での対策を紹介します。

1.お腹の張りの原因

慢性的に感じるお腹の張りは、次のような原因が挙げられます。

  • ・食べ物・飲み物によるもの

  • ・不規則な食生活

  • ・生活リズムの乱れ

  • ・食物繊維不足

  • ・水分不足

  • ・運動不足

  • ・ストレス

  • ・自律神経の乱れ など

刺激物が多い食事や脂っこい食事はお腹の調子を崩し、軟便や下痢を引き起こす原因です。また、牛乳には乳糖が含まれているため、乳糖不耐症の方は牛乳を摂り過ぎるとお腹がゆるくなることもあります。

食事の偏りで食物繊維や水分が不足した場合や、運動習慣がないなどの不規則な生活は便秘をきたすおそれがあります。

その他、胃腸自体に問題はなくても消化器の神経系や自律神経の働きが低下していると、さまざまな不調が現れます。これらの不調には食生活や生活習慣に加えて、精神的・肉体的ストレスが関わっていると考えられています。

2.日常生活で気を付けること

お腹の不調を改善して、お腹の張りを予防するためには食事・運動・睡眠など生活習慣の見直しが重要です。それぞれ注意すべきポイントを見ていきましょう。

2-1.食生活

偏った食事内容や不規則な食事時間はお腹の不調につながるため、食生活を整えることが大切です。お腹の張りの原因となる刺激物や、脂肪分が多すぎる食事を避けましょう。また、乳糖不耐症の方は、乳製品を摂り過ぎないようにしてください。そして栄養バランスの良い食事を、一日3回規則的に摂るように心がけましょう。

2-2.運動習慣

便秘解消のためには、適度な運動も効果的です。無理のない運動習慣は、肥満解消にも役立ちます。ウォーキングや水中歩行のような中程度以上の運動量で毎日30分以上を目標に、有酸素運動を実施しましょう。

2-3.睡眠

過労や睡眠不足も、お腹の不調につながります。胃や腸は、ストレスによって異常をきたしやすい臓器です。ストレスは自律神経のバランスを崩し、胃腸の働きに影響を与えます。睡眠を十分に取ることで、副交感神経が働き心身の疲れの解消や細胞の修復をすることができます。リラックスお腹の張りを予防するためにも、毎日の生活のなかで十分な睡眠をとるようにしましょう。

3.お腹の張りが気になる場合は医療機関の受診も検討する

お腹の張りは、過敏性腸症候群や偽膜性大腸炎、卵巣過剰刺激症候群など、何らかの病気の症状の場合もあります。

特に過敏性腸症候群は近年、患者数が増えている病気です。ストレスなどが原因とされており、腸が過敏になった結果、なかには長期間、便通にトラブルを生じる方もいます。

お腹の張りが続くなど、症状が重い場合は医療機関を受診しましょう。受診の際は、お腹の張り以外の症状も医師に伝えると診療の助けになります。

生活習慣を整えてお腹の張りに悩まない毎日を過ごしましょう

お腹の張りは、食事内容や生活習慣の乱れで引き起こされることがあります。改善するためにも、生活習慣を見直しましょう。

ただし、お腹の張りは病気によって引き起こされることもあるため、症状が続く場合は受診が必要です。生活習慣を整えて、お腹の張りの改善につなげましょう。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。