目次
1.ストレスで下痢する理由
ストレスによる下痢や腹痛は、緊張や不安などが引き金となって自律神経が乱れ、腸が過敏状態になった場合に起こります。大腸内視鏡検査や血液検査などを行なっても、腸の炎症などは認められず、血液検査でわかる内分泌機能も正常であるケースも多く見られるのが特徴です。
また、下痢症状だけでなく、便秘と下痢を繰り返すタイプの不調がストレスによって引き起こされる人もいます。
「緊張したら、急に下痢っぽくなってしまった」
「電車のなかなど、トイレに行きづらい状況でいきなりお腹が痛くなってしまった」
このように、不安や緊張を感じると、お腹の調子が悪くなる人は少なくありません。
腸の働きは自律神経と密接に関連しているため、ストレスが消化器不調の引き金となる場合もあります。今回は、ストレスで下痢などの便通異常が起こる原因や、ストレスによる下痢を改善するための方法について解説します。
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ストレスによる下痢や腹痛は、緊張や不安などが引き金となって自律神経が乱れ、腸が過敏状態になった場合に起こります。大腸内視鏡検査や血液検査などを行なっても、腸の炎症などは認められず、血液検査でわかる内分泌機能も正常であるケースも多く見られるのが特徴です。
また、下痢症状だけでなく、便秘と下痢を繰り返すタイプの不調がストレスによって引き起こされる人もいます。
ストレスによる下痢は、神経質で繊細な性格の人に起こりやすいといわれています。ストレスは下痢・便秘の両方の便通異常を起こす可能性があり、特に若年層の男性では下痢が顕著に表れる傾向が見られます。また、女性の場合はストレスによって便秘をともなう便通異常が起こるケースが多い傾向です。
ストレス性の下痢をもたらす要因としては、家庭や職場などでの人間関係トラブル、引越し・就職などで周辺環境が変わったときの緊張感などが挙げられます。心理的なストレスに、過労や暴飲暴食などによる肉体的なストレスが加わると、さらに便通異常が起こりやすくなります。
その他、生活習慣が不規則、日常的に便意を我慢することが多い、食事から摂取する食物繊維の量が少ないなどの場合にも、お腹の調子が不安定になることがあるので注意が必要です。
ストレスによる下痢を改善するためには、直接的な原因となっているストレスを減らすことが大切です。暴飲暴食や夜中の大食いなど、不規則な生活が腸の動きを過敏にする場合もあるので、心あたりのある人はぜひ食生活を見直してみてください。
食事は一日3回きちんと摂り、栄養バランスを整えることが大切です。また、香辛料を摂りすぎると便通トラブルが起こりやすくなる場合があるので要注意です。一方で、ヨーグルトのような発酵食品は、お腹の調子を整えるのに効果的といわれています。
また、睡眠をしっかり取ったり、適度な運動を習慣にしたりすると、ストレス解消にも効果的です。食事・運動・睡眠の3点から規則正しい生活を心がけると、排便のリズムが整いやすくなり、ストレス解消につながるなどのメリットがあります。
突発的な下痢は日常生活に支障をきたすため、一層ストレスや不安が強まるという悪循環へとつながる場合もあるでしょう。自分では「単なるストレス性の下痢」と思っていても、実際には慢性の炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎などの疾患が隠れている場合もあるため、適切な診断を受けることが重要です。
ストレスで腸が過敏状態になっていると、下痢・便秘・腹痛などのトラブルが起こる可能性があります。自分にとって、何が緊張や不安のもととなっているのか、ストレス源を正しく把握してストレスを軽減できるよう働きかけましょう。
ストレスによる下痢は仕事や日常生活などに支障をきたすため、適切に対処しましょう。改善が見られない場合には、不調を軽視せず、きちんと医師に相談してください。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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